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組み立て作業3人分1人で…森六テクノロジー、ロボットと働く現場

組み立て作業3人分1人で…森六テクノロジー、ロボットと働く現場

ロボットを活用した「複合部品組立自動機」ではネジ締めや組み付けの検査など従来3人で行っていた作業を1人で完結できる

森六テクノロジー(東京都港区、森田和幸社長)は、自動車用内外装部品を手がけ、ロボットを活用した製造工程の効率化に取り組んでいる。主要生産拠点の関東工場(群馬県太田市)では型締め力140―2500トンの射出成形機16台を備え、成形から塗装、組み立てまでを完結。意匠性の高い加飾ができるホットスタンプ(加熱プレス)加工機など特殊設備を持ち、完成車メーカーの要望に応じた多彩なモノづくりができることが強みだ。成田貴則関東工場長は「高い質感を具現化し顧客に納めていく」と強調する。

内外装部品は合成樹脂などの材料を加熱し金型に送り込んで成形する。塗装ラインで成形品を塗膜し高いデザイン性や機能を実現。成形や塗装後に後加飾や後加工を施し、多種多様な構成部品を組み付けて一つの製品を完成する。この成形品の搬送や塗装ラインでロボットを活用し、省力化や品質の向上につなげている。ロボットの先端部を内製するなど自社で培ったノウハウを生かしている。

自動化が進む成形・塗装工程と比べ、人手による作業がメーンの組み立て工程の自動化は足元のテーマだ。取り組みの一つとして2024年5月にはロボットを活用した「複合部品組立自動機」を導入した。ネジ締めや組み付けの検査など従来3人で行っていた作業を1人で完結できる。主要顧客の車種の全面刷新に合わせて稼働した。

同自動機は鈴鹿工場(三重県鈴鹿市)で先行導入していた。関東工場で導入するに当たり、簡単に治具を変えられるなど多品種小ロットの部品にも対応可能とした。「狙った効果が出ている。今後はノウハウを蓄え他部品に波及させていく」(成田工場長)方針だ。

人手不足は課題で今後も効率化や省人化がカギとなる。一方で技術力を生かした多彩な加飾技術の提案に力を入れている。成田工場長は「完成車メーカーからの注目度が高まり引き合いも増えている。需要動向を見極めながら投資を検討する」と力を込める。

日刊工業新聞 2025年03月18日

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