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「ニコニコ超会議」 ロボットとボディビルダーを囲んで絶叫するカオス

NTT超未来研究所とファナックが『エッジコンピューティング』でデモ
 エッジヘビー!、エッジヘビー!-。アニソンで踊るコスプレーヤーや自衛隊の戦車に囲まれて、綺麗なお姉さんのかけ声で「エッジヘビー!」と絶叫している。「ニコニコ超会議2017」(千葉・幕張、4月29・30日開催)のNTT超未来研究所ブースでは、ボディビルダーの筋肉とファナックの垂直多関節ロボットを囲んで、みなで「エッジヘビー!」と叫ぶ。

 NTT未来ねっと研究所の坂野遼平研究員は「『エッジコンピューティング』という言葉を来場者に覚えて帰ってもらえれば」と説明する。

 NTTとファナックは、産業用ロボットを賢く稼働させるため、工場など現場近くに計算機を置く「エッジコンピューティング」のプラットフォームを提供。

 現場近くでデータを処理すればネットワークに大量データを送らずにすみ、高速応答が可能だ。ブースではボディビルダーのポージングに合わせて垂直多関節ロボが米俵を軽々と振り回す。

 演目自体はエッジコンピューティングの強みを発揮しているかというと「そうでもない」(坂野研究員)。細かな技術の説明は排除して、筋肉とロボットの美しさ、力強さを前面に出して「エッジヘビー!」と全力で叫んだ。

 叫びは1公演で約20回。二日間で250回以上になる。初日の午後には年長者から声がでなくなっていた。最終公演まで研究者たちの喉はもつのだろうか。
              

金沢高専は「投げろ!ホースちゃん」


 超ロボコンエリアでは高専生が輪投げロボや縄跳びロボの整備に追われている。金沢工業高専は輪投げロボ「投げろ!ホースちゃん」で出場。午前の競技ではコントローラーの電波が届かなくなり、ロボットが動かなくなった。

 会場での無線トラブルはロボットではよくある話だ。超会議はロボコン大会と違って無線機器の規制が効かない。

 5年生の花田照之祐さんは「2年前にホースちゃんを作った先輩たちはもう就職してしまった。超会議の会場にはいるが、ブース巡りが忙しく戻ってこない」と困った様子だ。

 自身もホースちゃんの改良よりも、二日目の高専ロボコン(超会議と別大会)の競技内容の公表が気が気でない。ロボットのシステム全体の設計を担当するためだ。
            

 「月曜日にはメンバーで集まりアイデア出しをする。メンバーのアイデアをまとめるには、帰りの新幹線で自分の構想を整理しておかないと」と焦りを隠さない。

 ロボコンの周りではゲームエリアでゲーム実況が盛り上がり、痛車の前ではコスプレーヤーの撮影会、超音楽祭ブースでは大音響が鳴り響く。高専のロボコンは健気で、筋肉とロボのコラボは美しい。

 NTTもファナックも、とても堅い会社のはずだ。オタクのカオスの中で、テクノロジー系の面々は普段と違った顔を見せている。
(文=小寺貴之)
ニュースイッチオリジナル
小寺貴之
小寺貴之 Kodera Takayuki 編集局科学技術部 記者
ゲームとか大相撲とか見たのですが自分に記事にする資格なんてないと思いました。コスプレや音楽祭、踊ってみた系は密集の中に入っていくこともできませんでした。いろんな価値感があって、それぞれ積み上がっていそうなものがあるので深い穴を覗くような怖さというか、尊敬というか、複雑な気持ちになりますね。これをダイバーシティとか言うんですかね筋肉は美しかったです

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