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都心マンション価格は10年で1.5倍以上に!なぜここまで高騰しているのか?

 収入は決して多くないけど、やっぱり都内にマンションを買いたい──。アーバンライフを夢見る人たちに、湾岸タワマンに生息する著名マンションアナリスト・のらえもん氏が「賢い買い方」を指南。まずは驚きの東京マンション事情をリポートする。

10年で1.5倍以上に上昇!高すぎ東京マンション事情

のらえもん

写真はイメージです

 SPA!読者の皆さま、はじめまして。マンションアナリストののらえもんと申します。生息地から「湾岸の妖精」と呼ばれたりもします。  この連載では、人生最大の買い物となる「マイホーム(マンションに限定します)」を、令和の時代に賢く、損せずに買うために役立つポイントをお伝えしていきます。  初回なので、まずは簡単な自己紹介を。私はもともと自宅を購入した湾岸エリアの魅力を広く世に伝える目的で’11年からSNS発信を始めました。その後、活動の幅が広がり、マンションアナリストとしてメディア出演や講演などをするなかで、マンションを造って売る“プロ”の方たちとも多くの接点ができました。  この連載では、そんなプロの人たちがなかなか教えてくれない業界の裏事情も含めて、皆さんに東京で賢くマンションを買う方法を伝えていきたいと思っています。  連載執筆に当たってSPA!から提示された想定読者は「世帯年収1000万円」です。いわゆるパワカ(パワーカップル)のボーダーにいるような人たちですね。子供がいる、ないしこれから子供ができる可能性があるパワカが買いたいマンションとなると、少なくとも2LDKで60~70㎡以上の物件でしょうか。  そんな共働き夫婦が東京で素敵なマンションを賢く買うにはどうしたらいいか?という話の前に、「なぜ、ここまで都心のマンション価格が高騰しているのか」について認識を共有しておきます。  多くの人が近年の値上がりっぷりをご存じでしょう。ざっくり、東京の新築・中古マンション価格はここ10年で1.5倍以上になっています。私の推しエリアである湾岸のタワマンになると、’24年の1年間だけで20~30%も値上がりしてます。もはや中古物件でもなかなか手が出ません……。  昨年誕生した湾岸タワマンの一つ「パークタワー勝どき」なんて約70㎡の高層階の物件が、新築時は9000万円台だったのに、中古物件が2億円超えで売り出されていますからね! 高すぎるにもほどがある!!です。
のらえもん

70㎡中古マンション価格は東京カンテイより。東京23区新築マンションの平均価格は不動産経済研究所より。東京のなかでも23区の物件は下がることを知らないほどの右肩上がりが続き、億ションが多数

 ただ、都心のマンション価格の高騰には、明確な理由があります。一つには低金利政策の長期化があげられます。昨年3月に日銀は利上げに踏み切りましたが、世界的に見たら日本の政策金利はいまだに“ほぼゼロ”です。  圧倒的に住宅ローン金利が安い時代(住宅ローン控除を考慮すれば実質マイナスだったことも)が長く続いたからこそ、ペアローンで与信の上限額スレスレの物件を買う人が続出。なかでも夫婦共働きで計1000万円以上稼ぐパワカのニーズに応えたマンションが多数企画・分譲され、物件価格が底上げされてきました。
マンションアナリスト。「のらえもんブログ」やSNSでマンション購入に役立つ情報を13年以上にわたり発信。著書に『絶対に満足するマンション購入術』(廣済堂出版)など。「スムログ」発起人。住み替え支援サービス「すみかえもん」もプロデュース