国税専門官が見た脱税の実態
週刊SPA!6/11発売号では「納税額を圧縮せよ!」という企画を特集している。しかしながら、節税も一線を越えるとグレーゾーンを通り越して、脱税になる。意図的に税金を払わない人もいるようだが、その手口について現役国税専門官のA氏が語る。
「脱税の基本は売上を誤魔化して隠すか経費を多めに請求するなどのやり方が一般的ですね。同業他社と比べて違和感がないかは常に見ています。最近、多いのは人気の副業である海外医薬品輸入代行業。ある人は、購入者からの振込先を息子の口座に指定し、所得隠しを行っていました」
このケース、一体どこから足がついたのだろうか。
「銀行調査を行えば、資金の流れは一発でわかりますから。大きな金額が動いたときは、まずどうやって手元に来たのかを見ます。そして、使い先が何なのかも調べる。ほかにも、同人誌で稼いでいた売り上げを申告しなかったケースは印刷所や即売会のスタッフから言質を取り、脱税を押さえています。あとは、家庭教師が夏期講習などの臨時収入を申告しなかったときも、銀行口座を見れば急に増えているお金がどこからきたかを問う。明確な回答がなければ脱税です」
悪質なケースとみなされれば重加算税などが重くのしかかり、せっかく苦労して稼いだお金が一瞬で溶けてしまうことも。マルサの本気を舐めてはいけない。 <取材・文/上野智>
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