「炊飯器でアイラップを炊かないで」SNSで拡散の調理法に公式が警鐘 故障や爆発の恐れ 「メーカーとしては想定外」(1/2 ページ)
アイラップを手がける岩谷マテリアルに正しい使い方などを聞きました。
「炊飯器でアイラップを炊くのはやめましょう」という注意喚起がアイラップ公式Twitterより発信されています。「アイラップを炊く」とは一体……? 編集部はアイラップのメーカー、岩谷マテリアルに詳しい話を聞きました。
アイラップは食品を包んで保存したり、電子レンジや湯せんで加熱したりと、幅広い使い方ができるポリ袋。その耐熱性をみて、近年はアイラップに包んだ食材を米と一緒に炊飯器に入れ、おかずや離乳食の調理と炊飯を同時に行う人もいるようです。
しかし、時短調理法としてネットで広まりつつあるこの「アイラップを炊く」行為は、メーカーとしては想定外の誤った使い方。アイラップが蒸気口をふさぎ、炊飯器の故障や爆発を招く可能性があり、実際に危険な目に遭った事例も増えているといいます。
公式は「想定外の使い方をする人がどんどん増え、パッケージの注意書きも増えていっています」と嘆きつつ、「自分のみならず他者に危険行為を拡散するのはやめてください」とツイート。文頭に「再々々々々々々掲載」と書かれている通り、繰り返し注意されていながら、危険な事例は絶えないようです。
Twitterでは「ここまで言わなければいけないほど、注意書きを読まない人が多いのか」「気軽に情報発信できる世の中だから、間違いには気をつけねば」など、さまざまな反応を呼んだこの一件。なかには「炊飯器使用不可とは記載されていない」といった、あるYouTuberからの反論もありました。
反論に対し、公式は「記載されていなければ何をしてもいいわけではありませんし、その場合果てしなく記載する事になります。(そもそも用途外です)」と回答。そして、そもそも炊飯器の説明書のほうで、「食材をポリ袋に入れて炊飯器で加熱する料理」は禁じられていると示しました。
想定外の危険行為の拡散を危惧する岩谷マテリアルに、編集部はアイラップの正しい使い方など詳細を聞きました。
―― 「アイラップを炊く」調理の投稿は、近年増えているのでしょうか
岩谷マテリアル 数年前まではポツポツと見かける程度でしたが、2022年以降に増加しています。YouTubeやInstagramなどを中心に広まっているようで、それに伴い爆発したりフタが飛んだり、炊飯器が故障したり……といった投稿を多く見かけるようになりました。
―― この現状についてどう考えているか、あらためてお聞かせください
岩谷マテリアル アイラップは、企画された1976年から仕様を変えずに販売しています。当時はポリ袋で調理することを前提にしておらず、あくまで食品の温めに使用する程度を想定して開発されております。最近はポリ袋を用いた調理法が広まりつつあって、メーカーとしては想定外の出来事といった状態です。
そのため、都度パッケージの注意表記を加えるなどして対応してまいりましたが、最近では危険な行為をSNSなどで簡単に広めることができるので、当社としては困惑しているところです。
―― アイラップを使用して食品を加熱する際の注意点を教えてください
岩谷マテリアル 当社が発信している使用上の注意は、主に以下の3点です。基本的にパッケージに記載されていることですが、念のためご注意ください。
- 加熱時は電子レンジの場合でも湯せんの場合でも、必ず耐熱皿を敷くこと
- 電子レンジ加熱時は口を結ばず、ねじるか畳むこと。蒸気による破裂事故が多発しています。湯せん時は結んでも大丈夫ですが、中の空気を抜き、ねじり上げて上のほうで結んでください
- 電子レンジ加熱時は油分の多い食材を避けること。耐熱温度120度を超えてしまいます。糖分や塩分でも、加熱時間によっては耐熱温度を超えることがあります
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