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「忿」という漢字の読み方

NHKテレビドラマ「舟を編む」の中で、主人公の渡辺みどり(池田エライザ)が「右」の語釈として、涙を流しながら日の出を見て最初に乾く方、と表現した。確かに日の出の東を向けば、南は右になる。南側は暖かいので先に乾く、と考えたのかな。お見事な文学的表現、だが、こういう事に疑問を持ってしまう悪いクセがある。恋人と別れた後で、共に日の出を見た思い出の場所を想像したのだが、日の出に向かっていれば、両目に均等に光や熱が届くので、必ず南側が先に乾くとは限らない。

という事は横にして、「みぎ」という言葉を調べてみた。南を向いたときの西の方、という語釈が1番目で、2番目の語釈は「右」は上位・上席として以下の太平記の文が引用されていた。

太平記一二「三浦は千葉が-に立たん事を忿つて」【広辞苑 7版 2799頁】

さて、この「忿つて」の読みだが、「いか・つて」だか「おこ・つて」だか、迷ってしまった。何となくそのような意味で読んでいて、正確な読みは忘れてしまった。そこで伝家の宝刀、我がPCで生成AIに教えを乞うたら、「忿」は「悉」で、などと、どうやらAIの中には、まだ日本人は入っていないようだ。

文字の構成は簡単だが、「檸檬」や「倫敦」と同じ漢字検定1級の範囲で、日常的に使われることは少ない。「いか(る)」という読み方が正解のようだ。何気なく読んでしまっていて、意味は何となく解っていても正確な読み方は解らない。


孫娘の10歳の誕生日祝いに電子辞書を贈ったら、青空文庫と漢和辞典を主に使っていると言ってた。漢字を調べて正確に読むことで、言葉の意味や使われ方、そこから文章を書いてみたいという事に繋がったという。小学生は、先ず国語辞典からだろうというのは、大人の思い込みだった。

さて、中学生になってすぐ誕生日がくる。女子バンドに誘われて、ギターを習おうか迷っていた。ギターを贈ろうと思っていたが、辞書読みの面白さも良いものだから、中型の漢和辞典『新字源』にしようかな、それとも『広辞苑』かな。ギターとの差額分で、チョットした旅行に行けそうだし。



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