為末大さん、糸井重里さんおよびアレの炎上の様式と、取り巻く環境について
なんかこう、真意って伝わらないんだなあというような炎上がコロナに関連して何件も立て続けに起きていて、みんな不安と困惑で気が立っているところに火種が投下されるとボーンと爆発のような黒煙を上げるんだなと思うわけですね。
TABLO見てたら、為末大さんのツイートが燃えていたので見物に行ったんですけど、たぶん為末さん全然悪気ないと思うんですよね、これ。
外出を自粛してほしい、人的接触を8割減らしてほしいと国が頑張って喧伝しているところに、そうは言っても会社からは出てこいという要請がある職場にお勤めの方や、インフラ系など「出勤しないと話にならない」タイプの仕事の人もいるので、読みようによっては為末大さんのように「働きに出なくても何とでもなる」人の素朴な意見ほどイラッ☆とくるものなのでしょうか。
TABLOの記事だけでなく、為末大さんのツイートにぶら下がっている反応も酷評や罵倒に近いものも多数含まれ、由緒正しい炎上の図式を垣間見るのですが、休みたくても休めない人たちのイラつき具合を真正面からぶつけるにしては為末大さんは無垢で純粋すぎるんですよね。サッカーボールが転がってきたので、良かれと思って公園で遊んでいる子どもたちに蹴り返してあげたら大声で「おじいさん! ありがとう!」と御礼を言われたときの私の気持ちを40字以内で回答しなさい。
また、糸井重里さんも炎上していました。
これもまた、糸井重里さんには何一つ悪気はないと思うんですよ。誰かに助けてもらう前に、まず自分のできることをしよう、きちんと前を向いて生きよう、という励ましの言葉のはずなんですよね。
しかしここでもまた、みんなイラッ☆としとるわけです。真意がまるで伝わらないというか、むしろ真意を受け取り過ぎているために、センターラインを越えて「糸井重里が政権擁護している」というエクストリーム解釈にまで進んで蛮勇を披露しているツイートも見受けられます。
さらに市況かぶ全力2階建というクソサイトにまでこき下ろされる事件にまで発展し、これはもう惨事と言えます。
こういうの、反体制派というか反権力の人たちはとてもビビッドに反応するんですよね。でも、ある意味で政府が頼りにならないなかでも自分は自分の足で立つ努力は怠らずにやろうという糸井さんの意見も成立すると思うんですよ。どっちかというと、私は本件では糸井重里さんの考えに近いのもあり、最初見たときは何で燃えてるんだろうと思いました。
あとから「糸井重里だから燃えてるんだ」と気づいて納得がいったわけですが。
一方、アレもまた燃えてました。
まあこの辺は恒例行事というか通常運転というか、営業自粛を強力に要請したいところではございますが、きっとまた本が出るのでカロリー高めにしているのかと思ったら本当に本が出るようです。もちろん買いますけど、素人にはお薦めできませんしリンクも貼りません。
ただ、ずっと見ている私からしますとアレに関連する言及はファンであれアンチであれ一日の最高瞬間風速で4,000件の言及とかネットでは猛勇を誇っていたのですが、このところ獲れ高がさっぱりで、今回の炎上劇もせいぜい500、むしろ盛り上がっているのはガールズちゃんねるばかりであるというのは昔日の栄光を知る私としては残念な限りです。さすがに飽きてきちゃったのでしょうか。
個人的にはアレも真面目に作家活動に向き合って、私生活を切り売りせず、無理にスポーツ紙にコメントを露出させて小遣いを稼ぐような方針には早々に見切りをつけて、林真理子さんを超えていくような腰を据えた出世作を作り名を上げて欲しいと思うんですよね。文芸としてあまり評価されていないのはあくまで私小説のレベルを超えてこないからであって、文体や話の運びはあの人なりに優れたものがあると思うので、良いモチーフをうまく見つけて作品作りに専念して欲しいという気持ちでいっぱいです。
まあ、お母さんとしては子育て本当に大変な状況で、しかもコロナですから、なかなか大変なんだろうなあとは思いますけれども。