PKM系ノートアプリ「SiYuan Notes」
こんばんは。今回は、SiYuan Notes という インストール型のアプリ について、詳しく調べてみました。
日本ではほとんど認知されていないけど、不具合も少なく、標準性能が高い、日本語対応のノートテイキングアプリです。
実際のアプリの画面
こんな感じの画面になっていて、Obsidian に近い見た目だと思います。
日本語対応
検索機能などで、日本語での不具合なし
アプリのメニューや設定項目などは翻訳済み
アプリ内に、日本語ユーザーガイド あり
(使い方に関する説明です)
用語のちがい
Logseq のグラフ (Graph) 、Obsidian のヴォルト(Vault) に相当するのが、ドキュメント (ノートブック) 。
さらにその中に、サブドキュメント (ノート) を複数もつ。
特徴
オフライン、ローカル保存で利用できる
中国人が主体となって、オープンソースで開発されている
いくつかのオープンソースのライブラリを活用
クラウドやデータ同期などは有料プラン、それ以外は無料
ソフトウェアのインストールが必要
モバイル版あり
モバイル版に同期したい場合は、次のいずれか
ローカルデータをサードパーティーのオンラインストレージで共有
クラウド保存およびデータ同期機能を利用する場合は、サブスクリプション加入が必要
ノートの整理方法
Obsidian と同じく階層構造で ノートを分類する
ノートエディタ
ブロック単位のエディター操作が可能
ドラッグ、インデント、ブロックズーム、参照など
デフォルトが箇条書きではないエディター (アウトライナー式ではない)
「- 」を記述するとそのブロック以降はアウトライナー式が適用される
Logseq などと同じように、テキストエリアに入力せずその場で編集ができる (マークダウン式 WYSIWYG エディタ)
アウトライナー式の入力に切り替え
アウトライナー式のエディター操作を有効にするには、[ 設定 ] を開き、「リストのアウトラインアウトデント」という 項目をオンにする 必要があります。
ブロックで先頭に 「- 」(半角のハイフンと空白) を記入すると次の行から有効になります
Tab キーを押したときの動作
リスト項目 ( 箇条書き・ ) の場合
ブロックがインデントされる
サブブロックが連動する
そうでない場合
文章の先頭にインデントスペースが追加される
サブブロックの連動なし
レイアウト
デフォルトで配置されているが、ユーザーが細かくカスタマイズ可能。
両側にサイドバーのように、パネルを開くのが基本で、パネル内のドッグは、ウィンドウの端にあるドッグバーのアイコンがトグルになっていて、右クリックすると配置場所を変更できる。(ドラッグも可能)
各ドッグは、6つのパネル (左上、左下、右上、右下、左底、右底) のいずれかに配置できる。
ドッグが配置できる場所 (パネル)
ドッグの種類
1. ドキュメントツリー
2. タグ
3. バックリンク
[[ノート名]] のようにして、ほかのノートから リンクされているブロックが表示される リスト。そのまま文字の編集もできる。
4. 逆参照
ノートの名称と同じキーワードをもつ ブロックが表示される リスト。
デイリーノートの内容にマッチすると、時系列ログのようになる
5. アウトライン
ウィンドウ
ノートの複数配置
一度ノートを開いてから、タブからドラッグして配置する。
ダブルクリックで、ノートが子ウィンドウとして開く
外観のカスタマイズ
テーマを変更する
[ 設定 ] →[ マーケットプレイス ] → [ テーマ ] にて、テーマを取得
[ 設定 ] → [ スタイル ] にて、ライト/ダーク モード切替 や テーマを選択
テーマのサンプル
コードスニペット
カスタムCSS や JavaScript コードの追加で、自分のスタイルを適用できる。
項目単位で追加でき、トグルでオン/オフできる。
新記事にて
備考
アプリの各種メニューは、左上のメインアイコンをクリックし、プルダウンメニューから選択。ツールバーなどにもたくさんの機能アイコンがある
デイリーノート機能あり
ただし、Obsidian と同等レベルの機能実装 。Logseq のジャーナルのように、複数の日にちをまとめて閲覧する機能はない。
無料体験版と書かれているが、アカウントのログインは不要。
ローカル保存だが、マークダウンファイルの保存は おこなわれない
「.sy」というデータベース情報の単独ファイルを保存するのみ (ブロック操作機能をもたせるためにこうなっている)
中身は「kramdown」というHTMLやマークダウンと相互変換可能なデータ形式
マークダウンファイルのインポートやエクスポートに対応
ドキュメントツリーのノート名を右クリックして、コンテキストメニューを開く
拡張機能
マーケットプレイスには、プラグインやテーマが豊富にあるが中国向けが多い
#ハッシュタグ
ブロック内で、「#」を入力するとタグの候補がでる
ハッシュタグのリンクを開くと、検索に自動入力されて検索結果がでるが、内容をみるには、ノート単位で 1件ずつ 選択する必要がある。
テーブルブロック
Notion のようなテーブル (データベース) を作成できる。
テーブルブロックの例
作成方法
ブロックにカーソルを置いて、
スラッシュコマンド「 /table 」を打ちこんで選択
Tip: テーブルのプライマリキーの各項目に、カーソルを合わせると候補リストがでて、その名称をもつブロックを探してくれる。
その名称でドキュメントを作成できるショートカットになっている。
その他機能
各種グラフツールに対応し、フラッシュカード機能もある
アプリの機能実装についてはここまで
インストール方法
次のリンク先でダウンロードして、アプリをインストールします。
使用開始
新規ノートブックを作成
ドキュメントツリーの右側にある 詳細ボタン でメニューを開き、
[ 新規ノートブック ]を選択すると、
「新規ノートブック」というドキュメントが作成されます
ドキュメントツリーから、新規ノートを作成
ノートブックの右側にカーソルを合わせると + ボタンがでてきて、サブドキュメント (ノートに相当する) を作成できる。
ノートから、新規ノートを作成
ノート内のブロック上で、リンクを作成するときと同じように
[[ という記号をいれてからノート名を書くと、候補がでる。
Enter キーで確定させる。
ユーザーガイドで使い方をチェック
左上からメインメニューを開いて、ユーザーガイドを選択。
ノートとして開く
リンク
アプリ概要説明書 あり ※日本語ページ
(さらに技術的な特徴に関してはこちらを参照してください)
ホームページ (英語) :
感想
Logseq か Obsidian かどちらを使うかで悩んだ方は多いかと思います。
『 SiYuan Notes 』 は、そこに割り込む存在かもしれません。
Logseq はネットワーク構造型 (最上位階層のみ)、Obsidian は階層分類型 であり、ノートツールとしての使い勝手が異なります。エディター操作に関しても、Logseq はブロック単位で扱えるけど、Obsidian はそうではなく。
SiYuan は、Obsidian 寄りの階層分類型、Logseq 寄りのブロック操作型を採用しているため、それらの中間に位置するアプリだと思います。
SiYuan に対して、個人的にはかなり良い評価を持っていますが、一つ もったいないなと感じる部分があります。
それは、Logseq の Linked References に相当する バックリンクや逆参照機能が働くのはノートに対してのみであり、ハッシュタグでは働かないことです。
追加記事
参考記事
注意点
エディターで段落式 (・なし) で書く場合は、次のブロックはインデントしても、サブブロックとして扱われない。
サブブロックとして扱うには、必ず「・」でインデントする必要がある基本的にハッシュタグではなく、[[ リンクを使う
存在しないデイリーノートに関しては [[ リンクからノートを作成したり、リンクさせることはできない (現在のノートの配下に作成されてしまう)