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「驚く力」Audibleで聴くうち、過去の記憶に繋がった

驚く力」名越康文著。Audibleで何度も聴いてる。
タイトルに惹かれて聴き始めたのは確かだけど。とても共感できる内容、というか、懐かしい思い出を引っ張ってきてくれた。


それは、高校の頃のこと。美大を目指していた私は、学校が長い休みにはいるたびに上京し、芸大・美大向けの予備校に通っていた。予備校では下宿の案内もあった。格安で、同種の予備校に通うため短期上京する女の子が同室だ。

今にして思えば、大人しいとか、内向的すぎる、とか、教師たちに言われ続け改善を指導され続けてきた身にしては大胆な行動だった気もする。でも、内向型なのは確かだけど、やりたいことのためには頑固一徹で譲らないところは小さい頃からあった。
言葉で主張できないだけで、相当に頑固だった。

押し黙ってしまうから。1人でいるのが平気というか楽だから。

人との交流が苦手で1人でいる。もしくは特定の1人とだけ仲良くする。発言で手をあげることはできないし、指名されると真っ白になって、分かっていたことも言えなくなる。小さい声で「分かりません」と言うのが精一杯。
そんな状況。だから、ずっと「内向的すぎる」と、異常扱いだった。外向型を理想とする教育方針のもと小学校・中学校と、直すよう指導され続けた。
内向型は、直せるものじゃないし、直らないよね。

高校に入っても傾向は変わらなかったけれど、女子校ながら進学校で、周囲の環境がすっかりかわった。私が寡黙でも、理解し仲良くしてくれる友人が多くなり楽しく過ごせた。

内向型なのは確かなんだけど。おとなしく見えてるだけで、ヘンな行動力はあった。田舎暮らしで色々と情報はないながら、好きなイギリスのロックバンドが東京に来る、ってなったときは、黒電話しかないような時代ながらチケットを取り単身武道館に行った。このあたりはHSS型HSPゆえ、だったのだろう。

なので、高校生ながら東京に下宿して夏期講習に通う、というのは抵抗なかった。当時の田舎では、高校生が東京に夏期講習に行くのはかなり珍しかったけど。たまたま、通っていた女子校は美大や芸大への進学率が高く、美術系の進学コースがあった。仲間の美術部員たちも皆それぞれ夏期講習を受けにいっていた。美大進学希望の仲間たちだけど、つるんではいなかった。

前置きが超長い💦

その美大受験の夏期講習。先生は芸大生だったり色々。
どの先生の言葉か思いだせないけれど。
「何をみても感動すること」
言葉も定かじゃないけど。先生は、そんなようなことを言った。美大というか芸術方面に進むのなら「無理矢理にでも感動する」必要がある、と。

例えば、鉛筆の芯を見ても、感動する。

通常は心が動いたから感動する。だけれど。それを、無理矢理に何を見ても聴いても知っても感動するように鍛える、というような話だったと思う。
特に、美術系なので、見たもの全てが該当する。

感銘を受けた、とかではなく。当時、ごく当然のこととして心に染みた。

「驚く力」は、それに類似するような内容を含んでいたから懐かしく、思い出を引っ張ってきてくれたようだ。

この「ムリにでも感動する」ということは、それ以来、ずっと無意識にやってきたように思う。

「驚く力」、というタイトルに惹かれた。驚く、というのは力だ、という著者の言葉は確かなことだと思う。


見出し画像のAIイラストはPixAIで生成。

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