週に1時間の会議をなくしたら、開発もチームも崩れかけた話
リンクアンドモチベーションでUXデザイナーをしている辻井です。所属している開発チームのとある会議が、想像以上にいろんな効果を生んでいた、というお話です。
どんな会議だったのか
それは週次のKPT会議でした。(Keep / Problem / Tryの観点で、成果・課題を棚卸しするミーティング)
会議は週に1回、1時間
全職種から全員が参加
Miroで、「今週やったこと」「来週やること」を書き出す
他メンバーの振り返りを見て、「感謝コメント」を記入する
チームや開発に関するGood Newsを自由に記述する
感じている懸念があれば、それも自由に記述する
というルールで実施していました。
この会議体、半年近く運用していて、大きな問題があったわけではありませんでした。ただ、期初のタイミングで会議体を見直し、「週次で1時間はややToo muchかもしれない。感謝・リスペクトを伝える会議体は月末に納会という形で、開発の課題を洗い出す会議体は開発エピックごとにリリース後に実施しよう。」という意思決定をしました。
そこから2ヶ月が経過。果たして、どうなったのか。
想像だにしていなかった惨状
開発プロセスの方で行くと、振り返りのタイミングが「エピック終了時」になったことで、課題の検知と軌道修正に明確な遅れが出ました。課題を棚卸しする機会がないために、それぞれに課題感を抱えつつも、吐き出せないまま時間が過ぎる。振り返りの対象期間が長くなるので、一つ一つの課題が大きくなり、大きな課題を複数解決する必要に迫られる。
チームに目を向ければ、お互いのやっていることをカジュアルに共有する場がなくなったので、普段業務で関わらないメンバーの様子がまったく分からない。感謝やリスペクトを伝える頻度も週次から月次に減ってしまい、貢献感や一体感を得られる機会も激減。結果として、一人一人が受け取る感情報酬の総量も目減りしていきました。
その結果起こったことは、
課題の発見が遅れる
気づいた時には課題が大きくなっていて、解決コストが大きい
振り返りの頻度が少ないので、一度の振り返りで扱う課題の数も膨大に
お互いのことがあまり分からない状況で、業務関連のやり取りばかり増える
感謝を伝え合う時間がなくなり、チームからエモさが失われていく
チームの一体感が高まらないまま、業務に忙殺されていく
といった有様で、気づけば開発プロセスもチームもボロボロになっていました。「これは仕組みを根本から解決しないとダメだ」と振り返りを行い、今日以前とまったく同じフォーマットで週次KPTを復活させるに至ったわけです。
会議を復活させてみて
効果テキメンでした。課題を早期発見してクイックに手を打ち、業務・感情の両面から相互理解を深め、生産性も一体感も向上させる時間にすることができました。
たかが会議、されど会議。(もちろん他の因子もあるのですが)会議一つでここまでインパクトがあるのは、自分も想像してませんでした。うまく行かなかった期間も糧にして、もっといいチームを作っていきたいと思います。