Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

R-1グランプリ一区切り

R-1グランプリ出場を今年でいったんラストにしようと思います。
去年から考えていたことですが、決勝が1回でも途切れたら休もうと思っていました。
理由はいくつかありますが、簡単なことで言うと自己ベストをこえるネタが作れなくなったからです。
なので別に今後一切出ないとかではなく、良いのが思いついたら出ます。闇雲に毎年エントリーするのをやめるといいますか。
ネタをやらなくなるとかでもないです。
気の持ちようの話なので、出ない宣言したことで脳が軽くなり良いネタが作れたら普通に来年出てるかもしれません。
宣言をすることで自分の気持ちを切り替えるのが大事だと考えました。

寺田寛明は、R-1グランプリが好きです。
自分が堂々と芸人を名乗れるようになったのは間違いなくR-1のおかげです。
この数年はR-1のことを考えすぎていました。
R-1ってあらゆる賞レースの中でも一度やり方を掴んだ人がいつまでも決勝に行き続けやすい大会だと思うんですけど、自分の中では出るからには去年より何かを進化させないといけないという意識が強くあり、去年より勝てそうなネタを作るぞということに1年間終始するという感じでした。

2021年(ぐらんぷり→グランプリになった初年度。芸歴制限開始。大阪大会。)
【月が綺麗ですね】
どのライブでやっても結構ウケるネタで最下位。
このネタは昔のR-1のうちにやりたかった。
来年はこの審査員に通用するネタを作ろう。

2022年【始まりの歴史】
強いワードを使うことを意識した。6位。
ネタの内容うんぬんよりフリップの見やすさが問題になった。
来年は絶対モニター使うし、モニターでやる意味があるネタ作ろう。

2023年【ことばレビューサイト星1】
3位だった。
正直これが一番おもしろいと思うし、ほしい人に良い点数を貰えた。
これでダメかとも思った。
俺が言ったんじゃなくて見てたひと全員に言われたけど、ザコシがいる限り優勝できないと言われまくった。
来年これより良いの作れるか?

2024年【国語辞典コメント欄】
準々決勝の一週間前まで別のネタを作っていた。
22.23と近いスタイルのネタだったから、文を読むのではなく漫談っぽい自分が喋る部分が多い方向に変えたかったが、仕上がらなかった。
仕方なく去年の焼き直しをした。
結果的に後半部分に去年と差別化できたパートも作れたし、客ウケさえすればどうにか…2本目でお見せしたいやつもありますという気持ちで臨んだ。
7位。そのぐらいのウケだったと思う。
自分の中では去年の方がおもしろいとは思っていたので、憧れの人の点数が去年より明らかに低かったのが嬉しかった。

2025年
なんにもおもいつきませんでした



むりむり!!!ここが限界でしたわ!もう作れん!
今の自分ができる最良の行動が「準々決勝でゲッツを出してギリギリで受かり、準決勝で一番強いありネタを出す」でした。勝機があるとしたらそれだから。最後の渾身。正直、準々決勝で落ちてYoutubeにゲッツが上がってちょっと話題になる、でも良いかなと思ってました。(これ昨日の夜書いてた文章なんですけど、ほんとに落ちたから俺はやっぱり賞レース予選の通る通らないの感覚をかなり掴めている。)
去年の時点でギリギリに仕上げたネタだったりして、これはいつか間に合わなくなるぞとは思っていました。自己ベストを更新しようしようと考えすぎていて、設定の時点でこれ別に作っても仕方ないなと捨てるネタの多いこと多いこと。
スタイル変えなくても同じ感じのやつやり続けてたら準決勝ではウケることができるけど、このまま出ててもべつに優勝しないなあと思っていた中で、Youtube始めたらこれが楽しくて。絶対これもっと本腰入れて頑張るべきやつじゃんと去年気が付きました。R-1のためにネタを隠していたのでネタ動画をほとんどアップせずにいたのですが(どのネタが最終的に必要になるかわからないから全部隠すことになる)これももったいなすぎる。R-1いったん休んでYoutubeに上げるためにネタ作るという気持ちにシフトしたほうがその中でぽろっといいの作れそうな気もする。自己ベストって別にR-1にもってくネタのことなので、賞レース的に強いかどうかの尺度だけなんですよね。
そんなことを考えていたらこたけ正義感の弁論がかなり良くて。それが真っ当に大絶賛されていて、絶対こういうの頑張るべきだったじゃんという答えも先に出されてしまった。完全に出遅れてる。いわゆる賞レースお笑いのめちゃくちゃおもしろいとは別の尺度のめちゃくちゃおもしろい。前者のほうかなり頑張ったからそろそろ次いかないと。
この段落ぜんぶ当たり前のこと言ってるんですけど、それくらいR-1好きなんです俺。

ニュースターを生み出したいであろう大会側には申し訳ないのであんまり表立っては言ってなかったのですが、正直に申し上げると、自分はR-1で優勝したいという気持ちはあれど、その後に待っているバラエティ番組に出たいという気持ちが弱く(出たくないとは言わないのですが活躍できる自信が一切なく)、田津原が優勝したあとの姿を見ていて、これ俺が勝ってたらもっとヤバかったぞ、だって田津原は大きい声とか出せるし…と、静かに震えていました。去年に関しては 優勝したくないかも、とすら思ってました。
自分のお笑い遍歴を考えてみると、6歳で嘉門達夫にドハマりし、爆笑オンエアバトルに出会い陣内智則、はなわ、田上よしえ、パペットマペット、ユリオカ超特Q、佐久間一行と、ピン芸人ばかり好きになり、高校生になってバカリズムライブを見に行くようになり、いろんな芸人の単独のDVDを買って、賞レースも録画して何回も見る、みたいな、完全なるネタのオタクでした。ガキ使、みなおか、めちゃイケのようなバラエティをまったく見てなかったどころか、はねトビやワンナイのようなテレビコント番組ですら興味がなく通ってきませんでした。バラエティや平場のこと考え始めたの事務所入ってからです。ネタやりたかっただけなんです俺。そもそも芸人になんて向いてないタイプの人間でしたが、ネタは見てきた数が違うし作れる自信がありました。向いてなくてもネタは頑張りたかった。バラエティは向いてないし頑張れる理由もない。ライブの平場とかは楽しいですよ。お客さんがいるから。テレビってスタッフ笑わせないといけないしカメラとかあるし難しい。緊張する。俺、お笑い好きな人に笑ってもらいたいだけなんす。
ずっと思ってたんですけどネタがおもしろいことを証明したいだけの人ってどこに行ったらいいんですかね?全賞レースに言えることですけど、漫才やコントの大会でハネたらそこからバラエティに行けるってめっちゃ変だと思います。ネタはおもしろいけどトークできないからなーとかM-1の決勝で当然のように言われてますけど、じゃあ平場の大会でも作りなさいよと思います。

そんななのでR-1に出るのが目標で、決勝いけたらその時点で夢が叶ってたみたいな部分もあり、この4年間は点数が良くなかろうと幸せでした。点数が良かった年も悪かった年も正直あんまり嬉しさ変わらないので自分にとっては決勝に行くことが目的だったのかもしれません。最近は芸人が賞レースを重視しすぎてるとか言われてますが、やっぱり自分にとっては芸人をやる上で賞レースの決勝に出れるというのは1年間頑張るためには十分すぎる理由で、それきっかけで売れてやるとかでもなく大会の歴史に名を刻めるというのがお笑いやりたいと思ってた高校生の自分を助けてあげられる唯一の手段で、それに4回も出れるなんて、しかもそこに憧れの人が審査員でいて、間違いなく夢の中でした。しかし、自分は決勝にたくさん行ける人生ではあったものの、優勝できる人生ではなかったっぽい。あるとしてもまだ先のこと。

今年明確に感じました。
頑張れなくなってきた。
正直、決勝に行けすぎて情熱が冷めつつありました。
「決勝に行けすぎて情熱が冷めつつありました」って言うことになるなんて高校生の自分が知ったら喜ぶと思います。
でも4年間で現実が見えすぎました。頑張れなかったです。
意地でもネタを仕上げるぞというモードに、なれなかったです。

寺田寛明が決勝に行けるようになったのは、間違いなくライブシーンのお客さんのお陰です。本当に本当に本当にありがとうございました!
初年度とか去年とか、かなり応援で押し上げてもらった自覚、あります。
そのことを考えても、ほかの芸人たちのことを考えても、情熱のない状態で出るべきではないかと思いました。
嬉しいことにR-1は永遠に出場できます。
また情熱が再燃したらチャレンジすればいい。
M-1とかも一回くらい出てみたいかもしれない。

改めて、良い時間でした。
ありがとうございました。


落ちたネタを観よう!


いいなと思ったら応援しよう!