A4文具バカ、史上最大の挑戦 A4サイズ発祥の地「ドイツ ベルリン」で『日本のA4文具の展示会』を開催します!
A4コピー用紙は文具である。
それはもともとは「痩せ我慢」から生まれた考えだった。
印刷を失敗したコピー用紙の「裏紙」は、新入社員にとって無料で使える頼れるノート。
日々のタスクから、会議の議事録まで、幅広く活躍してくれるオールラウンダーとしてとてもお世話になってきた。
しかし、独立して文具屋を始め、A4コピー用紙を活用する様々なアイテムを取り扱ってきたら、「A4文具」はとても奥深く、面白い世界だとのめり込むことになった。
noteやSNSでもニッチな私の取り組みを暖かく見守っていただいている皆様も多くいらっしゃることが分かり、この道を極めたいと思いながら日々を過ごしてきた。
そんな時に、「A4サイズの起源は102年前のドイツ」だという情報を得た。
得てしまった。
それからというもの寝ても覚めてもドイツのことが頭から離れない。
100年以上の年月をかけて、ドイツから日本に浸透した「A4コピー用紙」を活用する文具は、ガラパゴスとも言われる日本で独自の進化を遂げている。
そんな日本のA4文具を、A4の故郷であるドイツに持っていったら、どんな反応があるだろう……
そう思い立ったら止まれない。
知り合いづてにA4の故郷であるドイツのベルリンに会場を借りて、日本の文具を展示する「A4文具展」を開催する形で、円安にも負けず開催場所や飛行機、宿泊場所を手配。
3/1-2の短い日程ながら、日本のA4文具を紹介する機会を企画した。
会場は無印良品さんのベルリン旗艦店「MUJI Berlin Ku’damm(クダム)」にご協力いただいて小さい屋台的なスペースで、展示を開催させていただく予定だ。
そこで、「A4文具展」をA4文具好きの日本の皆さんにも楽しんでもらいたいこともあり、オンラインで!、noteで行います!
A4文具を世界に広めるべく、調べてきた内容を一気にお届けいたします!
有料note(500円)にしていますが、基本的な部分は無料です。
また、X(旧Twitter)でシェアいただくと有料部分も無料でご覧いただけます。
実は今回の展示は、飛行機のチケットも、宿の予約も、夜行列車の個室も「自費」での開催となりますので、支援してもいいよーという方だけでもご支援頂ければ嬉しく思います。
更にA4文具は購入することもできますので、欲しいな!と思っていただいたアイテムがあれば、ぜひご注文頂ければ嬉しく思います。
有料コーナーは、私の旅のリアルタイム更新をお楽しみいただけます。まさしくおまけという感じです。
投げ銭方式で、ドイツで食べるソーセージ代をあげてもいいよという方だけ、いただければ幸いです!
それではドイツを旅する文具屋の「A4文具展」
ここに開催いたします。
A4ってなんだっけ?
A4コピー用紙のことを知らない人はあまりいないと思う。
プリンターでよく使われているあの紙のサイズのことだ。
でもA4の4が、「A0サイズを4回半分にしたサイズ」という意味であることを知らない人は意外と多いかもしれない。
A0サイズという「1㎡(平方メートル)」の面積を持つサイズを基準に、4回半分に折ると「A4サイズ」が出来上がる。
A0サイズは「84.1cm×118.9cm」となっていて、これは一番身近なものに例えると新聞紙を広げたサイズ2つ分となる。
つまり、新聞紙を広げたサイズは「A1サイズ」であり、新聞紙を開く前の1面、つまり表紙にあたる部分のサイズが「A2サイズ」となる。
(といっても新聞を取らない家庭も増えているから、身近と言っていいのか怪しいが)
そしてもう一つの特徴は、短い辺と長い辺の割合が「1:√2(1.41421356…..)」となっていること。
白銀比とも呼ばれるこの割合でできた図形は、半分に折っても折っても「1:√2」の比率がキープされるという特徴がある。
このおかげで、A3もA4も同じ縦横比率の「相似」な図形となることで、プリンターで2UP印刷(1枚の紙に2ページ分印刷)をしたりしても、問題が発生しないし、A5の紙を切り出した残りの紙をA4、A4、A5サイズで無駄なく使う……なんて材料面のロスも少ないのである。
いやー。普段意識していないけど、これだけでもA4コピー用紙は、計算づくで出来上がっていることがおわかりいただけるのではないかと思う。
A4の故郷はなぜドイツなのか
さて、そんな緻密な計算をもとに作られたA4サイズ。
DINというドイツ工業規格で、1922年8月18日に定められた。
そう。さりげなく100周年を迎えて更に2年経っている歴史の長い規格なのである。
そもそも、1:√2という白銀比を用いた紙のフォーマットは、1796年に実験物理学者ゲオルク・リヒテンベルクが提案をしていたと言われる。
さらに、ドイツ製糸業連盟においても紙フォーマットの提案は1883年に行われたがこれも実現には至らなかったという。
そんな中、ノーベル化学賞を受賞した科学者であるドイツのヴィルヘルム・オストヴァルトが、資料を揃えたりする際に紙や本の大きさが不揃いでは困ることもあって、「紙の大きさの統一規格を作ろう」と動いてきた。
彼の主張する「世界フォーマット」は、「1cm×1.41cm」という白銀比を用いた小さなサイズを基準にして、13段階に大きなサイズを展開していくというものだった。
タイミング的にも総力戦となった第一次世界大戦の中で、様々な領域で合理化や標準化が進められる中で、採用を検討された。
だがしかし、最終的には彼の元秘書&助手だった「ウォルター ポーストマン」が唱えたサイズが採用されるに至ったのである。
オストヴァルトが小さなサイズからの展開を提案したのに対して、ポーストマンが提案したのは「大きいサイズから展開していく」というもの。
A0サイズという「1㎡(平方メートル)」のサイズを基準として、どんどん小さくしていく方がよいと提案したのである。
2人の説ともに「メートル法」が採用されているのも実はきちんとしたわけがある。
メートル法は、「1メートル=地球の子午線の赤道から北極までの長さの1000万分の1と定められて算出」された長さの単位だ。
国ごとに違う長さを基準にしていると、貿易などをするうえでどうしても計算が大変になる。同じ地球で暮らすうえで、地球を基準に作られた単位を元にしているというのも、現在A4サイズが世界中で使われている要因の一つになっていると言えるだろう。
さて、メートル法を用いることや、白銀比を用いた理論についてはオストヴァルトの理論とポーストマンの説に違いはない。
しかしながらポーストマンは、「長さ」ではなく「平面」を出発点とした考え方を主張したのである。
さてこの2つの説。
ポーストマンが採用されるに至ったわけであるが、その理由として大きかったのが「既存の帝国フォーマット」という官公庁で使われていたサイズ原因だったというのがまた面白いのである。
官公庁で使われてきた「帝国フォーマット」の幅「21cm」に対し、オストヴァルトの提案するサイズは幅が「22.6cm」と大きい。
だが、ポーストマンの提唱するサイズなら「21cm」なので帝国フォーマットと変わらない。
オストヴァルトの説を採用してしまうと、これまで使ってきた書類棚やノートが使えなくなってしまうことが危惧された結果、ポーストマンの説が採用された。
私たちのよく知るA4サイズがドイツ工業規格の正式規格「DIN476」として採用されたのは実はこんなやりとりの果ての出来事だったわけである。
そしてそこから100年の時を経て、私達の住む日本でも親しみ深いサイズとしてA4サイズは溶け込んでいるのだと想うと感慨深い。
このあたりの内容は、伊原久裕教授の「20世紀初頭のドイツにおける情報組織化運動とその グラフィックデザインへの影響」にて詳しく記載されている内容を参考にわかりやすくさせていただきました。
より深く知りたい方は下記リンクもあわせてぜひ御覧ください。(伊原先生。資料の紹介の許可をいただきありがとうございます)
https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/1661294/Kaken2005-6ihara.pdf
日本で生まれたA4文具たち
いよいよここからは「A4文具展」のメイン。
A4コピー用紙を活用するや、A4サイズをうまく構造に取り入れた文具達をご紹介させていただく。
A4文具は展示だけでなく、取り扱いアイテムはご購入いただくこともできるので、気に入ったアイテムはぜひぜひご注文いただいても嬉しい。
「書く編」
A4コピー用紙を創造の道具にする『HINGE PRO』
コピー用紙をノートのかわりに使う。
たぶん、ビジネスマンなら誰しもがやってみることだと思う。
1枚あたりのコストが0.58円とかなA4コピー用紙は、白紙で使ったって十分安価だ。
ただ、紙を保護するものがないから散らばってしまいがちなので、クリップボードに挟んでみたり、ステープラーでまとめたりして使ったりしてきた。
ただ、なんだか見かけも安っぽくなってしまうし、カバンに入れる時に保護もしたいので便利なものはないものかと探していた時にはじめに出会ったのはポスタルコさんのスナップパッドだった。
コピー用紙にパンチで穴をあけるだけで、おしゃれなメモパッドとして持ち歩けるその発想のすばらしさと色合いや素材感は、今でも唯一無二なものだし素晴らしいと思う。
ただ、パンチで穴をあけることや、一番上の紙にしか書きにくいといった弱点もあって、次第に使わなくなっていった。
そんな私が、改めてコピー用紙を創造の道具として使いたくなるアイテムとして再認識するきっかけになったのが今回ご紹介するidontknow.tokyoの「HINGE PRO(ヒンジ プロ)」だ。
HINGE PROはA4サイズのコピー用紙を持ち歩き、ひらめいたアイデアをいつでも書き込むことができるようにしてくれるアイテムだ。
そのまま持ち運ぶことはもちろん、カバンの中でもA4コピー用紙を守ってくれる丈夫なカバーを使っていて見ためも非常にシンプル。
厚手のポリプロピレンシートを使用していて、質感も安っぽさは全く無い。
本のようにHINGE PROを開くと左側のいつでも書き込めるようにA4コピー用紙をスタンバイするスペースと、真ん中のペンを引っ掛けられる四角い穴、そして右側のA4コピー用紙を貯蔵できるポケットが見て取れる。
A4コピー用紙がセッティング可能で、思い立ったらすぐに白いキャンバスへ頭の中のあれやこれやを書き出すことができる。
机の上で書くときには、手前から登っていくような形で傾斜がついていて、これがまたほどよく心地よい。
この、極限までシンプルな筆記スペースを実現しているのが、この写真右側の絶妙な隙間。
1枚だとA4コピー用紙が滑り落ちてしまうが、3枚以上重ねることでしっかり保持される。
最大で20枚程度までセットできるので、補充の手間なく書き終わったコピー用紙は抜き取ってしまえばどんどん書き込めてしまう。
もちろんパンチで穴をあける手間もかからない。
残しておきたいアイデアをスキャナーで取り込む際も、パンチ穴が映り込むこともないので気持ちがいい。
また、HINGE PROはたった状態や不安定な状態でも使用できる。
一番端を持って床と水平に持っても、写真のようにしっかり保持される。
外食の際に椅子しかない場所でお子さんがお絵かきをしたいと言った時にも、ベッドやソファの上でアイデアが思い浮かんだ時にも、HINGE PROは受け入れてくれる。
ペンホルダーとして使用できる背表紙部分の穴は四角い形状をしていて、大きめのクリップがついたボールペンでも余裕をもって取り付けができるように配慮がされている。
メモをする際に、紙が手元にないことと、ペンが手元にないことは馬鹿にできないほどの致命傷となる。
「めんどくさい」という感情が出た瞬間、人は「覚えとけばいいかー」と根拠のない脳への自信をもちはじめ、アイデアは藪の中に消えていくものだ。
キャップタイプのボールペンだと、取り外して書き始めるまでの時間が更に短縮されるので更にオススメできる。
筆記スペースの逆側には、予備のコピー用紙や記入済みコピー用紙を収めるためのポケットがついている。
A4コピー用紙なら40枚程度入るので、印刷した資料などを入れて持ち運ぶのにも有能だ。
そして、HINGE PROはPROとだけあって、「MacBook」と「MacBook PRO」のように従来モデルからパワーアップしている。
使用しているシートの厚さが2倍となっているため、立って書く際のしなりが少なくなり、ポケットへの収納力も2倍になっている。
ノーマルなHINGEも軽くていいんだけれど、うちのお店では触った質感や使い勝手を考えた結果PROの方をオススメさせていただいている。
マグネット×テコの原理が生むスマートなA4文具『PAPERJACKET flex』
HINGE PROと個人的に良きライバル関係にあると思っているのが、BUTTERFLYBOARD®さんの「PAPER JACKET flex」だ。
MAKUAKEではなんと2500万円以上が応援購入を行ったA4コピー用紙活用文具の2023年の登場は記憶にも新しい。
特筆すべきはA4コピー用紙を30枚挟める強力なマグネットで挟んでいるにもかかわらず、力で無理やりクリップを開閉する必要がないところ。
よくよく構造を見てみると、クリップの裏部分に「溝」が掘られている。
この溝によってテコの原理が働き、マグネットが強くてもスムーズに開閉することが出来る。
更に、カバーの開閉もマグネットで行われているので、感触も気持ちよく表面になにも出っ張ってるものがない。
非常にミニマルなこの構造はとてもカッコよく仕上がっていて、PVC素材とデザインも相まって、アメリカあたりで昔から使われてきた文具のようなイメージすら感じられる。
A4サイズとA5サイズの2サイズ展開を行っているのだけど、A4サイズにはA4サイズと2つ折にしたA3サイズの紙が、A5サイズにはA5サイズと2つ折にしたA4サイズの紙が収まるので、どちらのサイズもA4コピー用紙活用文具と言って差し支えない。
機構もあいまっていいお値段がするけれど、その分「モノ」としての満足とも非常に高い仕上がりになっている。
うちのお店でも安心しておすすめできる最先端のA4文具だと言えると思う。
A5ノートなのにA4文具? 「Kleid 2mm flat notes A5」
A4サイズの話をしているのだから、ノートもA4サイズのものを紹介すればいい。
そんな風に妥協できないのがA4文具展。
ここはあえてKleidさんが中村印刷所さんとコラボしたノート「Kleid 2mm flat notes A5」をご紹介させていただく。
もともとこのノートの売りは「水平開き」というところ。
ふつうのノートだと左のように膨らみがちなところ、水平開きノートだとこのように開くことが可能となる。
このノートはおじいちゃんのノートと呼ばれ、SNSで話題となったことから知っている方も多いのではないかと思う。
ただ、前半のページについてはこんな風に開く際、ノートは真ん中で厚さの違いが出てしまい、段差ができてしまいがちとなる。
ちなみにこんなときもこのノートはひと工夫で使いやすく出来る。
そんなときは後半のページをぐるっと回すとあら不思議。
段差がなく書き込めるノートとして、A4コピー用紙の様に使うことが出来る。
そして何よりこのノートは、A4を2つ折りにした紙が独自の糊の技術で固定されている構造なので、キレイに切り取って外してしまうことも出来る。
ノートをとったあとは、A4サイズの紙としてスキャンをしたり、パンチで穴を開けてファイリングしたり……とA4サイズの紙として扱うこともできてしまう技ありノートなのである。
表紙のデザインもKleidさんのこだわりでかっこよく仕上がっているので、ぜひ使ったことがない人は試してみてほしい「隠れA4」なノートなのである。
「ストック編」
日本中の「裏紙」を収めたくなる 『SOGU PAPER SERVER』
さて、A4コピー用紙を活用する最前線が整ったら、A4コピー用紙の貯蔵方法のことも考えなければならない。
思い出してほしい。
あのA4コピー用紙の新品を袋から取り出す時の美しさを。
そして、コピー機に入れられなかった分の乱れ具合を。
A4コピー用紙を愛するのなら、これはいただけない。
あの、袋から出した瞬間の美しさを維持する必要性が出てくる。
そこでオススメなのが「SOGU PAPER SERVER A4(ソグ ペーパーサーバーA4)」だ。
A4サイズのコピー用紙を、あの新品の袋を剥いた状態そのままに美しくセットできる。
それがSOGUのPAPER SERVER A4のシンプルにして最高な機能だ。
トレーの4つの角の内、2箇所が開いているからちょっとメモ紙を取りたい時にも自然な動作で取り出すことができる。
もちろんここからコピー機に用紙を足してもいい。
溜まった裏紙を入れておくと経済的だし、裏紙ですら美しいオブジェに変わる。
当初は100枚用のタイプしかなかったけれど、ユーザーからの要望で今は250枚程度収納できるHIGHタイプもラインナップされている。
HIGHタイプはコピー機や複合機のコピー用紙補充にはもちろん、分厚いA4コピー用紙の塊感を堪能できるのでA4コピー用紙好きにはたまらない仕上がりになっている。
興味がなかった人もその美しさに目覚めると思う。
A4コピー用紙500枚がドンと載る紙棚『UPRIGHT』
PAPER SERVERは確かに美しい。
けれどA4コピー用紙は1束500枚あるんだぜ。
そんな声に応えたか応えてないかはわからないけれど、idontknow.tokyoの「UPRIGHT(アップライト)」は、しっかりと対応してくれている。
真正面からみたこの500枚の迫力ったらない。
紙が自立しているように見えて、しっかりとした厚みの上にこのフラットさは成立しているのだ。
もちろん紙ですべてを埋めてしまう必要はない。
ペンを置けばいつでもメモがとれるし、スマホやタブレットを立てかけたっていい。
なんならスチール製のボディにマグネットを付けていろいろ活用するのだってありだ。
しかもUPRIGHTには、ヨコ置きタイプも存在している。
1つのボディで縦横切替はできないので要注意だが、縦長のA4が好きな人にも横長のA4が好きな人にも対応できる。
ペンを置くために置かなかったスペースをPAPER SERVERに置いて分けっこしたっていいのだ。
A4コピー用紙はそのたっぷりの余白(というか真っ白)で様々な使い方を許してくれる。
偶然が生んだA4コピー用紙保管箱の最適解 『THE STORAGE BOX』
A4に特化しすぎることで問題が出ることもあるし、奇跡が起こることもある。
そんなことを教えてくれたのが「THE STORAGE BOX」だ。
A4サイズきっちりに作られたこの箱は、それ故にクリアホルダーに入れた書類をいれることができないというデメリットももっていた。
それ故に、実はこの箱は「なんとかして売れませんか?」とメーカーさんから相談された問題児でもあったのだ。
このように平べったい状態からマグネットの力で組み上がっていく構造は、シンプルでいて誰でも簡単に作りやすい。
さらに、組み上がった姿もハードカバーの本のような素材なのでとてもかっこいいのだ。
なんとかしていい使い方はないものかといろいろ試していて……ある日気がついた。
A4コピー用紙のストックにピッタリじゃん!……と!
しかもただキレイに収まるだけならかえって取り出しにくいケースになってしまうのだが、このSTORAGE BOXは変形機構が取り出しの際に入口を広げてくれるのである。
おまけに事務所に置いていてもかっこいいとなればこんなに最高なA4コピー用紙ストッカーは他にない。
コピー用紙の束のままでも、外の紙を剥いて中身だけでもキレイに収めて使いやすいので、気になる人はなくなる前にゲットしてもらえればと思う。
A4のワイドタイプはすでに完売しており、1束入るSタイプの在庫はまだある状態となります!
「持ち運び編」
A4コピー用紙を本みたいに持ち運ぶ『SLIT』
さて、A4コピー用紙を設置するベースキャンプが整ったら、遠征についても考えなければならない。
A4コピー用紙に印刷した資料や、HINGE PROで書き出したアイデアを保護しながらもかさばらせずに、スマートに運びたい。
それならidontknow.tokyoの「SLIT(スリット)」は間違いなくオススメできる。
SLITはクリアホルダーのように薄い。
しかし、その用途は似ているようでかなり異なる。
クリアホルダーは中に入れている資料の情報の一番前の紙を開くことなく把握するのにとても便利だ。
一方SLITは中身を見せたくない書類やアイデアスケッチを隠してくれる。
ただ、それだけであれば、色付きのクリアホルダーを使えばいいだけの話。
SLITにはそれ以上の機能性がある。
商品の説明書きを見てもらえば分かる通り、SLITはA4コピー用紙を「冊子」にできる道具だ。
中にいれた紙はパラパラとめくって、必要な書類を探すことができる。
2辺が綴じられているクリアホルダーと違って、1枚のSLITに色々なプリントを挟んでいても、ページをめくるように探し出しやすいので、学校で配られるプリントなんかもガンガン混ぜて時系列で挟むこともできる。
これだけの機能性を、背表紙上下に付けられたミシン目だけで実現しているというのが本当に驚異的。
このミニマルな構造によって20枚ぐらいまでのA4コピー用紙がとてもスリムに、かつスマートに持ち運べる。
例えばノートパソコンやタブレット保護するためのケース。
SLITは一緒に入れてしまえるぐらいに薄いので、パソコンと最低限のA4コピー用紙に印刷した資料をセットで持ち歩ける。
もちろん適度な強度があるので、コピー用紙は折れたり汚れたりすることはない。
クリアホルダーでA4コピー用紙を持ち運ぶのに満足できなくなったなら、SLITは間違いなく一度は試してもらいたい。
それだけの価値がある道具だ。
A4書類を折らずに適量持ち歩く道具「ドキュメントホルダー IDEAL A4」
人は誠に欲深き生き物だ。
SLITで書類を薄く持ち歩くことの喜びを知った私だけど、その便利さに慣れてしまうと次の便利さを求めてしまう。
どうしても中に入れている書類が、カバンの中で折れて皺になってしまったりすることが発生することが気になって仕方なくなってしまった。
しかしながら、よくある書類ケースだとポケットがあったりしてどうしても嵩張ってしまう。
硬くて薄くてシンプルな書類ホルダーがあればいいのに・・・。
そう思った私は、何を血迷ったのかクラウドファンディングでその野望を叶える商品を作ることにした。
それがこのドキュメントホルダー IDEAL(アイディール) A4だ。
その仕組は度を越してシンプル。
クリアホルダー等にいれたA4書類を
挟んでゴムバンドで止めるだけ。
気の利いたポケットも、仕分け用の仕組みも存在しない。
ただただミニマルな用途の道具だ。
手帳などにも使われるハードカバーを使って、中の書類がしっかり守られるようにしたこの道具。
正直、自分の好みが反映されすぎていて、お客さんに受け入れてもらえるか不安だったのだけど、蓋を開けてみればクラウドファンディングのアイテムの中で群を抜いて一番人気。
最終的には予定になかったグレーの色まで販売することになり300点以上の予約をいただくことになった。
ぜひぜひA4を愛するあなたにはひたすら刺さるアイテムだと思うので手にとって見てほしい。
A4書類をもう少し持ち歩きたいあなたへの新しい選択肢「ISSHINDO DOCUMENT CASE」
ノートパソコンやタブレットが発達した現在でも、職場と自宅、取引先等にA4書類を持ち歩かなければならないこともあるだろう。
パソコンやタブレットPCは確かに便利なのだけど、物質として手元にある紙の安心感、電池の要らない素晴らしさ、様々な筆記具を受け止める寛容さなど紙の資料の良さはまだまだ存在する。
そんな時におすすめしたいのがISSHINDOのDOCUMENT CASEだ。
佐賀県の有田焼の産地で、有田焼の出荷に使われる貼箱の技術を持つメーカーISSHINDOさんが作っているだけあって、作りも丁寧。
15mm、30mm、45mm、60mmと4種類の厚さがあるのだけど、A4サイズの書類が余裕を持って収まるサイズなので様々な用途に合わせて使用することができる。
15mmは書類を入れるだけ、30mmは書類だけでなくペンケースなども入れられるお道具箱的な用途。45mmや60mmは書類と仕事道具をまとめて入れたりと自分の持ち物の量にあわせて使いこなすことが可能となる。
現在動いているプロジェクトに関する書類を入れておくのにおすすめな機能性というのが上の動画で見ることができるマグネットによる構造から生まれている。
この、狭い開け口からも広い開け口からもボタン等を使わずに「スッと」開けられるところが本当に馬鹿にできない使い勝手の違いを生む。
これまでも多く書類ケース系を試して、お店でも販売してきたけれど、中身へのアクセスに手間取るアイテムというのはなかなか受け入れてもらえないように思っている。
マグネットでさっと取り外せるというこのシンプルな構造は見た目のミニマルさだけに留まらず、これまでにない使いやすさにもつながっている。
店に並べておいて少し引き出せば、中の資料にアクセスできるのはこれまでになく素早い書類へのアプローチを可能にしている。
クロス貼りタイプは丈夫さも兼ね揃えていて、手触りも革のようにしっとりと上質。
ちなみにクロス貼りよりも丈夫さでは劣るものの、価格が3分の1まで下がるチップボールタイプは、大量に揃えて終了済みのプロジェクト資料の保管にも便利だ。
ロゴや商品名の存在感も控えめで、多くのインテリアにマッチすると思う。
「整理・保管編」
書類をガンガン放り込むだけで片付く年末の救世主「WORKERS`BOX」
A4の書類を整理する。
そう考えた時に真っ先に浮かぶのは私の場合「2穴ファイル」だった。
パンチで穴を開けて、リングに書類を通してしまっておく。
けどそれは職場だからこまめにやれていただけで、家で2穴パンチを使うことってそんなにないし、クリアホルダーにでも挟んで重ねておくぐらいが精一杯だった。
それでも書類は溜まっていく。
家電の説明書。
保険に関する書類。
確定申告に関連する領収書等の書類。
一体どうすればうまく管理できるのだろう・・・。
そんな時に出会ったのがWORKERS`BOXだった。
見かけもかっこいいこの箱を開けて
蓋を開けるとこんな感じ。
非常にシンプルな造りをしている。
中にクリアホルダーに入れた書類を突っ込んで、
本棚に入れて立てておく。
それだけで簡単に書類を仕分けて置いておくことができてしまう。
書類の管理において「立てて置く」ことはとても重要視されている。
それは積み重ねてしまった書類の下の方を引っこ抜くと雪崩が起きて惨劇につながるからだ。
でも、書類を立てておくといっても、ファイリングをするには手間がかかるしめんどくさい。
その点、このWORKERS`BOXなら、かっこよく手軽に書類を立てて置いておくことができる。
この頃は2.5倍の大きさのワイドタイプも登場し、うちのお店の1年分の領収書を放り込んでおくこともできてとても便利に使わせてもらっている。
1個あたりのお値段もリーズナブルな方なので揃えやすいので、用途に合わせてまとめ買いして棚にズラッと並べてしまえばA4書類の整理も捗るだろう。
また、量が多くなって困るような時にも、書類をクリアホルダーで挟んで入れているだけなので「スキャナーでスキャンしやすい」ということも大きな特徴だ。
2穴パンチで穴を開けてファイリングしたものは、月日が経つにつれて穴のあたりからしわになってしまうけれど、そういったところでの不安も少ない。
家庭の書類はもちろん、確定申告書類の管理まで、ぜひお役立て頂ければと思う。
音もなく訪れていたA4クリヤーホルダー型リフィルの革新「コクヨ クリヤーホルダー型ポケット」
昔ながらの2穴ファイルで使えるクリヤーホルダー方のポケットにだって革新は訪れる。
そもそもクリヤーホルダータイプのこう、ファイルで差し込むタイプの書類入れには個人的にいい思い出がなかった。
あまりたくさん紙をいれると抜き差ししにくいし、ファイルもパンパンになってしまう。
結果的に中の紙もたわんでぐちゃっとしてしまうのである。
そんなクリヤーホルダー型のリフィルを快適にかえてくれたのがこのコクヨのアイテムなのである。
使い方は簡単。
中にいれる書類ごとクリヤーホルダーの角を手に持って、
こんな風に右上の三角のポケット部分に差し込むだけでOK。
取り出しの際にもスッと外せるので地味に革新的だったりする。
会社の決まりでファイルボックスを全部変えてしまう!なんてことが難しい場合は、この地味さによる改善活動が効くことを元サラリーマンの私は知っている。
ぜひピンポイントで刺さる人に刺さってもらえれば嬉しいアイテムである。
「新たな可能性編」
A4コピー用紙に開かれた「ゴミ箱」という可能性「PAPER POCKET HOLDER」
「A4コピー用紙には無限の可能性がある」
そう言われたらどう思うだろうか。
いやいや。
そんなことないだろ。
できることそんなにないだろとツッコミを入れるかもしれない。
少なくとも私は、A4コピー用紙に「無限」の可能性は感じていない。
むしろ逆だ。
私は、A4コピー用紙に、有限故の可能性を感じている。
サイズの決まった、日常に溶け込んでいる紙。
でも、普段見慣れたなんの変哲もない紙だからこそ、工夫一つで新しい姿を提案できた時にとてつもない可能性が現れてくると思うのだ。
そんな可能性を感じさせてくれたのがPAPER SERVERも手掛けるSOGUさんの「PAPER POCKET HOLDER」だ。
一見何に使うのかもよくわからないステンレス製の棒の集まりだが、A4コピー用紙と組み合わせることで真価を発揮する。
このように組み上げてコピー用紙を四つ折りや二つ折りにすれば、コピー用紙が簡単なポケットになるのである。
もちろん新品の紙を使う必要はなく、裏紙やチラシを使えば事足りる。
わざわざビニールのゴミ袋を使わなくても、ごみになってしまう裏紙そのものをスタイリッシュなゴミ箱にしてしまうというのが発想としてとても新しい。
チラシを折り紙のように組み立てたゴミ箱の作り方なんかもあるけれど複雑だし、だからといってそのままA4コピー用紙を袋にするには強度がたりない。
ならそのフレームだけを作ればという斬新な考えのもと、A4コピー用紙には「ポケット」という新しい役割が与えられた。
筆記や印刷に限らないコピー用紙の可能性を改めて感じさせられるアイテムである。
A4サイズが棚になる。福永紙工さんの「A4 SHELF」
A4の可能性はコピー用紙にとどまらない。
そのサイズそのものをハックして新しいものを作り出すという切り口もある。
福永紙工さんのA4 SHELFは名前の通り「A4の棚」だ。
なんのこっちゃと思われるかもしれないが、これもすごくよく考えられたアイテムである。
パッケージから出すとこのような形状をしている。マジックテープと7つの穴が開いていて、折りやすいようにいくつかの筋が入っている。
これを石膏ボード製の壁に、穴の部分に画鋲をさしていき……
白いマジックテープが重なるように組み立てていくとあら不思議。
あっという間に簡単な「棚」が出来上がるのである。
実はこのA4サイズで薄いというのがこのアイテムのポイントでもあり、送料が全国一律安い金額帯で送ることができてしまうのだ。
2024年は配送のあり方自体も問題が出てくるとされている年だが、書類で流通しているA4サイズというのは郵便にせよ、ゆうパケットやクリックポスト、レターパックといった安価で送ることが出来る流通に載せられるサイズでもある。
A4SHELFはそんな物流問題も含めた実用面からもA4サイズという特性をフル活用しているアイテムだとも言える。
A4をデジタルに還す。「レシートスキャンボードPRO」
この10年でスマートフォンのある生活は最先端というよりは日常となった。
画素数が上がり続けるカメラ機能はもはや良くわからないレベルの画質になり、すごいと言われても水準が上がりすぎていて素人には比較できないレベルにあると言える。
そんな現代にあわせてリリースしたのが「レシートスキャンボードPRO」だ。
静電気の力で紙を固定し、スマートフォンのカメラで読み取りしやすくするための補助をしてくれる道具として、うちのお店がオリジナルで作った家電となる。
このPROではA4サイズの書類のデータ化ができるようなサイズ設定にもしっかりとこだわった。
請求書などはもちろん、A4サイズでパソコンから印刷された書類は、結局家族で共有するにも「デジタル化」した方が便利なこともある。
A4サイズの書類をもう一度デジタルに還すというラストワンマイルを手伝ってくれる道具としても考えたアイテムになっている。
これまでの静電気吸着ボードとちがうのは、はりやすさでなく「はがしやすさ」だったりする。
低反射シートというやわらかい素材を挟むことで、はがしづらかった静電気吸着ボードの弱点を補完しているのが最大の特徴だ。
そもそもデジタルにするならメールやLINEでやり取りをすればいい。
それが一番簡単な解決手段なのだけど、紙の印刷で共有されている世の中の動きは、個人が解決案を叫んだぐらいではびくともしない。
当分の間は根強く残る「A4印刷物のデジタル化」の最終兵器として、レシートスキャンボードPROはA4文具として活躍してくれると思う。
A4のルーツを探る旅が始まる
さて、A4と日本のA4文具を巡るオンライン展示会、いかがだったでしょうか?
ふだん見慣れたA4コピー用紙ですが、見慣れるほどに当たり前なものほど、面白い使い方ができれば可能性が爆発する。
そんな面白さが少しでも伝わればうれしく思います。
そしてできれば、皆さんに実物に触れたり、見てもらったり、使ってもらったりしたい!
ドイツまでは流石にいけないよ!という方がほとんどだと思いますので、日本国内でまた展示会という形で行いたいとも思っています。
東京で会場など、心当たりがある方がいればぜひお声がけいただければ嬉しいです。
そして何より。
2/26(月)から、A4のルーツを実際に尋ねる文具店の旅は始まります。
旅はドイツのベルリンから、スイスのチューリッヒまで。
実は伊原教授の資料を拝見すると、ドイツより前にスイスでもその「規格化」の流れは起きていたとのことだったので、ドイツ以前のルーツまで探るような形で旅をしていきたいと考えています。
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最後に、ここまで御覧頂いた皆様!
改めてありがとうございました!
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