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「TWS」潤して、吹き抜ける風はノスタルジーのカーテンを揺らす

 

ポカリスウェット!!というインパクトだった。

固有名詞を使っていいのか迷ってなお、炭酸…サイダー…いや違うポカリスウェットだと戻るくらいに。

爽やかさや清涼感にプラスされた、戻ることはしない青春の時間の中にいる彼らをここから見ている感覚。

 

TWS(トゥアス)』というボーイズグループ。

初めて見たのは、ダンスプラクティス動画だった気がする。

確認のために調べてみたら、M2というYouTubeチャンネルの[Performance37]の「plot twist」だった。

ブルーのシャツに、背景がピンクのコントラストにまず視覚的に引き寄せられたのだと思う。

そしてジャンプの高さと、それでいて着地がバタつかず、そっと舞い降りるように美しいことに見入った。

踊っている様子だけで、その時は音量を出さずに見ていて、音楽もわからないのに何か良い気がした。

なんとなくでしか見ていなかったので、グループ名も覚えずに、あれはどこのグループだったんだろうなーとゆるく思い出していた。

 

君か!となったのは、デビューした記念の歌番組出演をYouTubeで見た時だったと思う。

ダンスで弾けるジャンプの高さで思い出した。

plot twist(プロットツイスト)」というデビュー曲。

このプロデュースとパフォーマンスが本当に見事で、これは刺さるわけだと感心してしまった。

“新学期、初めて会う君に挨拶したいけど、初めましては難しくて。”というコンセプト。

挨拶するための練習をしている様子を曲にするという、音で聴く少女漫画のよう。

目に飛び込むポカリスウェット。フォーメーションの躍動感。メロディーと歌詞にぴたっと沿うメンバーの歌声。

 

YouTubeが年末になると親切にも教えてくれる、リピートの最も多かった曲のなかに「plot twist」もあった。

自分に驚くのは、YouTubeでのみ聴いていたのではなくて、歌番組ごとの衣装とセットの違いを楽しむためにYouTubeを再生して、音源のみでも購入してディズニーへ向かう道中、さらに帰りに1曲リピートで聴き続けたこと。

なかなか日本には来ないかーと思っていたら、ぽつぽつと歌番組に出てくれていて、いつかCDTVライブライブでのフルサイズ披露を期待している。

 

ミニアルバムのカップリングに「BFF」という曲もあって、これも良い。

“Best friends forever”ということだと解釈しているけど、どうなのだろう。

この2曲を並びで聴いて良いなと感じたのは、フレンドシップにポイントを置いているところ。「plot twist」も聴く人のシチュエーションによって、友情のことにもなれば恋にもなる。

 

そしてこれでどうだとばかりにトドメで射抜かれたのは、「If l'm S, Can You Be My N?

この辺り、Kpopで“磁石”が曲のキーワードになっていた時期だと思っていて、そのなかで次のブームだったのがそう、“MBTI”。

個人の傾向や特性を診断するもの。

過去に海外の学者さんが書いた本を持っていて、そこからパソコンで選択して診断したことがある。それの分かりやすい解説版なのかなという印象がある。

 

挨拶の次には聞かれる勢いだった、その“MBTI”を歌詞にするのもKpopは早くて、TWSも早かった。ILITの歌詞にも出てきたりする。

しかもTWSの「If l'm S, Can You Be My N?」で感銘を受けたのは、“MBTI”を知る人にはその意味合いを含めた歌詞、知らなくても磁石のS極N極の意味で共感できる歌詞になっているところ。

さらに、日本語訳には“NとS 僕らはカスタネット”のワードが出てきて、赤と青で磁石からの連想にもなり、二つがあって音が鳴る意味でも、反対同士かもしれないけど僕らペアでいようよというメッセージの可愛さが伝わる。

“MBTI”、“磁石”、“カスタネット

3つのアイテムで、1つのテーマを表現する。

共感できる作りがすごい。文化の変わる各国で聴かれる状況を考えたときに、韓国でのみ伝わるワードではなくて、どちらでも大丈夫なようにしてあるということがすごいと感じた。

 

メロディーと歌詞の魅力も間違いない。

とにかく可愛い。爽やか且つ可愛い。

自分が歳を重ねた変化だろうか。きゅんより可愛いねが先に来る。

メンバーそれぞれの魅せ方もプロ。

ひよこちゃんのように可愛らしさで魅せるプロがいるかと思えば、歌唱力とダンスのバネの強さが際立つメンバー、見るからにお兄さんな包容力が漂うメンバーがいると思いきや、

最年長は静かに佇みつつもズートピアのニックのごとくかっこいい。“Wait Wait”の歌詞の後で咳き込む動作ひとつで心の全てを持っていくメンバーに、パッとカメラに映って目が合えばもうそらせない圧倒的な求心力を持ったサイダーのようなメンバーがいる。

まだ名前で記憶できていないのが申し訳ないけれど、あえて初めましての印象のままに並べさせてもらいたかった。

 

今度、日本でファンミーティングがあるらしい。

ファンクラブに入れば間に合ったのだけど、迷ってしまった。一縷の望みで、一般チケットが出ないだろうか。

どの曲のイントロが鳴っても、心高鳴るのだろうと思う。

阿部真央「ここから歩き出そう」「どうしますか、あなたなら」 - あの時くれた、陽だまりと絆創膏

 

あさイチ」で歌う阿部真央さんの声を聴いて、

「ここから歩き出そう」にどれほど背中をさすってもらっていたかを思い起こした。

何曲か聴けたことも嬉しくて、そのなかに聴きたいなと思った曲が2つとも入っていたのはサプライズだった。

 

阿部真央ここから歩き出そう

作詞:阿部真央さん

作曲:阿部真央さん

編曲:小森雄壱さん

 

あの後、iPodに入れていたはずと探して、見つけて嬉しくなって、再生を押した。

イントロは陽だまりみたいで、ドラムが鳴りだすと足取りが前に軽くなっていくような感覚がする。

よりどころにしていた温かさと、あの頃のやるせなさを思い出す。

そう言ってほしかったし、そう言いたかったのだと思う。

 

今までの事思い返すと 涙滲むのはどうして?

歌声はヒリヒリと、メロディーにはぬくもりがあって、矛盾とも思われかねない感情が存在しうることを表してくれている感じがして、

そういう感情もあっていいんだと思えた。

喜怒哀楽で割るなら、まあどれも表には出すのが不得意だけど、特に怒のヘルツが弱くて、哀もこぼれない限り人前で見せない。

だから、当時の阿部真央さんの歌声からどこか怒を感じたのが私には心地良くて、そして今の歌声からは、思いの強さは保ちつつしなやかさが増したように感じて、聴いていて居心地が良かった。

思い出が温かいものでなくても、つらいままだとしても、突き抜ける歌声でパアーンと歌ってもらえると、それはそれで受け止められる気がした。

だから当時、何度も何度も聴いた。

キレイだと振り返れる思い出ばかりと言えたらどんなに良かったかと考えながら聴いていた。

今聴くと、遠くになど置いて来られないと思った記憶も、たまにどうしようもなく痛むことはあっても、今は違う場所に立てている自覚がある。

 

なんでああ出来なかったのだろう。

なんでああ言えなかったのだろう。

一番簡単だからと矛先を自分にひたすら向けようとするとき、

「あなたが笑ってられる、幸せである それが私の幸せだから

自分ばかりを責めないで

私は勝手に幸せになるから あなたは前向いて」

その歌詞に幾度となく絆創膏を貼ってもらった。

前に進んでいい。歩き出していい。そう言い聞かせた。

 

SUPER EIGHTの「象」とも自分のなかで繋がる。

鎖はもう無いことに気づく必要があった。

 

「ここから歩き出そう」は、映画「小野寺の弟・小野寺の姉」の主題歌にもなって、映画館でもこの歌を聴いた。

エンドロールで感じた、自分の気持ちは忘れない。

 

あさイチ」で歌ってくれたもう1曲は、「どうしますか、あなたなら」

阿部真央どうしますか、あなたなら

作詞:阿部真央さん

作曲:阿部真央さん

編曲:akkinさん

かつての解せない職場に向かう道で繰り返し聴いて、時にその問いに悔しくなったり、背中を押されて日々歩いた。

時には自分に向けてではなくて、上司に問いたい気持ちを、曲を聴いている間だけ強まる足元に込めていた。

 

完璧な自分を諦める勇気を

ダメな自分も愛せる生き方を

“綺麗な丸”をもらえたら、やっぱり嬉しくなるけれど、“間違えられな”いと考えすぎるのはやめたくなった。

あの時の自分には、特にそれが必要だった。

 

道はすでに開いてる

時は来た さぁ今

踏み出さねば分からないよ

どうしますか、あなたなら

阿部真央さんの歌声で響くから、受け取れるニュアンスがあると思いながら聴いていた。

あっけらかんとする強さもありながら、突き放してはいないエールだと感じた。

 

主題歌になった、NHKドラマ「これは経費で落ちません!」

ドラマのラストに流れてくるたびグッときて、ドラマバージョンのみ“どうしますか、森若さん”と歌っている貴重さも好きだった。

真面目にお仕事、それでいいじゃん!と思わせてくれるドラマで、どうしますか、森若さん!と問われる度に、自分にも問い掛けられてるようで、こんな時。私なら…と考えた。

 

通勤前の選曲は、仕事のモチベーションと働いている間の脳内BGMになるから、とても大事。

そのなかで、「どうしますか、あなたなら」も自分のセットリストのなかにあってくれたおかげで働き続けることができた。

 

あさイチ」で今の阿部真央さんの歌声を聴けたから、あの時は日々に懸命すぎて書く余裕がなかった大切な歌を、あらためて向き合って好きを言語化できて良かった。

最初に歌っていた「I wanna see you」も一緒に、今また聴きたいセットリストに入った。

 

宝石のようなイチゴケーキ

 

キラッキラしていた。

ショーケースにたった一つ並ぶそのケーキを見たら、ほかは考えられなくなってしまった。

 

いつもなら必要な予定をこなし、無事に終えられた安堵を噛みしめて帰るこの日がちょっと特別になったのは、

もう一歩足を伸ばして、一日をあとちょっと長めにしてみたおかげ。

来て良かった。来なければ、目の前に宝石のようなイチゴケーキを見ることはできなかった。

 

気づけばオーダーしていた。

価格に躊躇わなかったわけではないけれど、それだけのワクワクと美味しさと至福の時間が保証されていると思えて、

ホットカフェラテと一緒に店内で食べることにした。

 

規則正しく並べられたイチゴは、扇状になっていて、種さえもキラキラの一部。

こんなに綺麗なものを食していいのか。ケーキだもんね、いいのか。そっか。

大切なものを扱うのと同じようにそっとフォークを差し入れる。

おおいしい。イチゴの甘み、間にほんのり塗られたホワイトクリームのまろやかさ、生地のほんのりとした甘さと香ばしさ。噛み締めると後からキュッとくるイチゴの酸味。

キラキラは見た目だけではなかった。食べていて楽しい。

たまにある、コーティングのためだけに塗られる何かにはテンションが下がるけど、このケーキは違う。

味の邪魔をしないだけでなく、口当たりを滑らかにしてくれている。

 

一口ずつ大切に食べるけど、鮮度のあるうちに食べておきたいという気持ちさえ芽生える。

もったいぶってカピカピにしてしまっては元も子もない。

美味しいホットカフェラテは口当たりのいい丸みのフチのカップに入っていて、ケーキとのバランスをみながら味わう。

最後の一口はイチゴケーキで終わりたくて、ホットカフェラテを飲み終えてから、襟を正し、いざいただく。

美味しかった。最後まで美味しかった。

このケーキ時間は、お値段を払う価値がしっかりとあった。誰かから良い知らせを聞いたとか、表彰されたとかでもない、いつも通りの平穏な日が、今年の年末にも思い出せそうな嬉しい日になった。

 

朝から活動して、疲労も眠気もそれなりにあるものの、どうしてケーキ屋さんに来てこんなにキラキラのケーキを、少し背筋を伸ばしつつも余裕をもっていただけているのだろうと考えたら、

昨晩もよく眠れて、めずらしく目覚めのいいシーズンが今で、そのおかげで特別がんばってはこなかったベースメイクもちょっと時間を分けて試してみようかという気になって、その出来がなかなかよいものになったからだった。

 

メイクの楽しさとはこういう感じか。

下地を塗る工程が入るとこんなに時間がかかるかと気後れもあったけど、特に時間にゆとりのあった今日は、そういえばサンプルでもらっていたポール&ジョーのファンデーションを使ってみた。

開けるとコーヒーのポーションみたいな容器の中に染み込んだスポンジがあって、しかも別で人差し指サイズのパフまでついていた。肌あたりが良い。

丁寧…!と感動しながら、ファンデはもういいと思った苦い記憶のガビガビ状態は避けるべく、うすーくうすーくトントントントンした。

多分、肌の息苦しさはなく、それなりに出来たと思う。まだ改善の余地あり。

 

出掛けからるんるんだったから、気力が保って、ケーキを楽しむこともできたのか。

たまにはいいかもしれない。

ケーキからメイクの話になってしまった。でも私にとっては地続きな一日の話。

宝石のようなイチゴケーキを食べた。綺麗で美味しくて、嬉しかった。