シルクのようになめらかなフィードバック・ノイズにただ身を任せるのもいい。あまりに明け透けな感情の吐露に思わず耳をふさぐ人も当然いるだろう。歌声の向こうに自分の姿を重ねる人もいれば、かつての自分を思い出す人もいるのかもしれない。もちろん、真っ向から拒絶する人だって確実にいるはずだ。きのこ帝国の作り出す音楽とはそういうものだと思う。このバンドの歌はどうしたって聴き手の内面に触れてしまう。それが心地よいものか、ネガティヴな感情を引き起こすかは聴き手次第だが、どちらにしてもただ受け流すことを許さない力が彼らの歌にはあるようだ。
デビュー作『渦になる』から9か月で届いた、彼らにとっては初のフル・アルバム『eureka』。恐らくこの作品はきのこ帝国が国内音楽シーンのフロントラインに立つことを決定づけるだろう。少なくとも本作のリリースを機に、このバンドに向けられる賛否の声がますます大きく膨れ上がるのは間違いないと思う。そして、それを誰よりも確信しているのが、ヴォーカルの佐藤だ。このバンドに大きな野心を掲げながらも、ソングライターとしての追及を止められないという彼女は今、まっすぐにきのこ帝国の未来を見据えている。
インタビュー&文 : 渡辺裕也
満を持してのファースト・フル・アルバムが登場
きのこ帝国 / eureka
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mp3 単曲200円 / アルバム1,500円
イノセントな歌声の裏側に宿る強烈な意思。2010年代のシーンに圧倒的な存在感を放つ、強くしなやかなバンド・サウンド。ライヴ・バンドとして更なる成長と進化を続ける、きのこ帝国、待望のフル・アルバム!
デビュー作も要チェック!
きのこ帝国 / 渦になる
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mp3 単曲200円 / アルバム1,200円
きのこ帝国が結成されたのは、2007年。同じ大学に通っていた、佐藤(Gt,Vo)、あーちゃん(Gt)、谷口滋昭(Ba)、西村”コン”(Dr)の4人から成る。結成の翌年からライヴ活動を開始し、以降ライヴ・ハウス・シーンで特別な存在感を放ち続けている。これまで2枚の自主制作アルバムをリリースし、本作『渦になる』が初の全国流通盤となる。
>>>『渦になる』リリース時のインタビューはこちら
INTERVIEW : 佐藤
——前作『渦になる』のリリースは、きのこ帝国の状況をどのように変えましたか。
人に知ってもらういい機会にはなりました。それまで基本的にライヴだけで自分たちの音楽を伝えてきたのが、あのCDを出せたことで、今までよりもっと多くの人に聴いてもらえるようになったので。リスナーが徐々に増えてきてくれているのは実感しています。だから、今回は前作でやれなかったことをやろうと思ってつくりました。自分達にとっての持ち味だと思っている、ライヴでの一体感や昂揚感をうまく作品に収めて、それをシンプルにパッケージできたらと思って。
——つまり、『渦になる』はそういう作品には出来なかったということ?
前作は共同プロデュースだったのもあって、どちらかというと平面的な音の美しさを追求する作品になったと思っていて。
——みなさんのライヴとあの作品はちょっと乖離していたんですね。ソングライティングに関してはどうでしたか。
とにかく傑作をつくりたかった。前作をおいてけぼりにするような作品をつくらなきゃって。でも、曲を揃えていくうちに、果たしてこれで良いアルバムにできるのか、自分の中で確信がもてなくなって。そこからひたすら曲を書き足したり、構成を練り直したりして。自分の中でずっと緊張感が切れない状態のまま作っていました。
——なぜ確信が持てなかったんですか。
前作はベストに近いところがあって。単純にここ5〜6年で演奏してきた大事な曲ばかりがギュッと詰め込まれていたんです。で、今回はそれ以降に作った曲ばかりだから、ひとつひとつに時間がかかっていなくて、もちろん進歩した部分もあると思っているんだけど、やっぱり濃厚さが足りないような気がしてしまって。でも、そこで昔からライヴで演奏してきた「ミュージシャン」っていう曲をアルバムの心臓にして固めていくイメージで考えたら、徐々に納得して作れるようになっていきました。
——では、その「ミュージシャン」について教えてください。あの曲はどのようにして生まれたものなんですか。
3~4年前につくった曲なんですけど、その年は多くのミュージシャンの方々がお亡くなりになられて、ムード的にみんなが愕然としていた感じだったんです。それまでは私も、ミュージシャンって音源が残り続けるからか、ずっといなくならないようなイメージがなんとなくあったんですよね。でも、実際には死んじゃうこともある。そういう当たり前のことに驚いたというか。好きな音楽を奏でていた本人も、いつかはいなくなってしまうんだなって。そう思った時に一晩でアンサンブルまで作り上げた曲なんです。で、これをライヴで演奏しようとしていた時に、アベフトシさんが亡くなられて。それがけっこう堪えました。自分はこんな曲を作っているからだめなんだなと思って。
——なんでそう思ったの?
なんか不謹慎なことをやっている感じがしたんです。でも、別に気持ちを偽ってつくった曲じゃないから、とりあえず歌ってみようと思って。それで歌い続けていくうちに、うちのメンバーが「これは近親の人や恋人にも当てはまる歌詞なんじゃない?」と言ってくれて。それからは気張らず歌えるようになって。もっと広い意味で捉えられるんだと思えたら、すごく大切な曲になりました。
——曲との付き合い方が徐々に変化していったんですね。そうなると、たとえば自分の音楽を録音するときにも特別な感情が芽生えたりはしませんか。
宅録は高校の頃からやっていました。で、さっき今回のアルバムではライヴ感を閉じ込めたかったと言いましたけど、それはあくまでも聴き手にスッと入ってくるような聴こえ方じゃないといけないとも思っていて。で、それってもしかしたら、自分のためというより、後々その音源を聴いてくれる人のためなのかなって、いま思いました(笑)。
——自分の音楽を残しておきたいっていう願望は、佐藤さんにも強くあるんですか。
そこなんですけど、実はあんまりなくて(笑)。
——あ、そうなんだ(笑)。
どちらかというと、自分が亡くなったら、その瞬間にスイッチを押されたみたいにみんなの頭の中から消えたい (笑)。音楽にしてもそうで、残ってほしいとそこまで深く思ったことはないんです。たとえば、美空ひばりさんの歌みたいに音楽が残っていくことってホントに素晴らしいと思うんですけど、それを自分に当てはめて考えてみたことはまだなくて。曲が残っていくと、自分の存在も忘れられずにいることになるじゃないですか。そこは、できれば忘れてほしいんです(笑)。
——(笑)。なんでだろう。
ただの自意識過剰なんだと思います(笑)。想像されたくないんですよね。「あの人、生きているときはきっとこんな感じだったんだろうなぁ」とか。
——でも、生きている今は、自分の音楽でなにかしらの爪痕を残したいっていう気持ちもあるでしょ?
でも、それはけっこう刹那的なものかもしれない。たとえば、私の音楽でグワーッと持っていかれるような感覚を感じた人がいたとして、その人に「あの時のライヴ、すごかったなぁ」みたいに思い出してほしくはないんです(笑)。たとえ記憶からは失われても、その一瞬の感覚だけは、その人を形作るものの隅っこに残るんじゃないかと思うんですよ。そうなれば面白いなって。
人に聴かれたいっていう気持ちが強い
——じゃあ、ちょっと訊き方を変えてみましょう。音楽を届けるにあたって、自分のパーソナリティは邪魔なものだと思いますか。
無機質になりたいと思っていた時期はありました。でも、最近は人間的な方がいいなって、少しずつ思うようになってきていて。自分自身を持て余している部分は今でもあるんですよ(笑)。でも、だからこそ自分の音楽を聴いてくれている人がいるっていうこともだんだんわかってきたので。
——実際に今、きのこ帝国の音楽に惹かれている方はそういう人がかなり多いんじゃないかと思います。つまり、歌のなかに佐藤さんの姿を見ていたり、その佐藤さんに自分の姿を重ねている人。しかもその数は確実に増えてきている。そこにプレッシャーを感じることはありませんか。
けっこう自分勝手な人間なので、昔から責任とかを果たすつもりはあまりないんです(笑)。歩み寄りって大事だと思うんですけど、自分は好きなようにやっていきたいので、誰かの抱くイメージ通りになろうとは思わない。まあ、そうなろうと思う人なんて誰もいないか(笑)。だから、プレッシャーは今のところあまり感じていないですね。これから先はわからないけど。きっといろんなことを言われるようになるんだろうし。
——佐藤さんはきのこ帝国の他にも、クガツハズカムという名義で弾き語りもされていますね。それもいま話したような、自分の好きにやりたいっていう気持ちが強いからこそやっていること?
きのこ帝国ではバンドのトータルを意識していて、そこに歌が混在しているんです。で、その歌をちゃんと聴いてもらうためには、弾き語りもいいんじゃないかなって。それで実際に始めてみたら、フジロックとかにも出ることができて、反響もあって、自信になった部分はありました。でも、やっぱりバンドが進歩していくと、ソロでは物足りなくなる部分も出てきましたね。今はバンドが一番楽しくなっている時期かもしれないです。
——そうじゃない時期もあったんだ?
弾き語りの方が失敗も少ないし、ラフな気持ちで臨めていた時期もありました。でも、バンドの恍惚感がわかってしまうと、やっぱりバンドがよくて。
——じゃあ、バンドと佐藤さんの付き合い方も変わってきているんだ。
でも、そこはあんまり変わってないな(笑)。昔から、スパルタとは言わないけど、曲づくりに関してはガツガツやりたくなっちゃう人なので。セッションになるとメンバーに任せるんですけど、そのどの部分をチョイスするのかを決めるのは自分なんです。楽曲制作に関しては、つい主張を貫いてしまいますね。
——楽曲のベーシックをつくった段階で、佐藤さんにはある程度の全体像がイメージできているってこと?
曲によってはかなりそうですね。ベースなんかもなんとか口頭でイメージを伝えて。逆に自分の中で音像が把握できていない時は、とにかくみんなと何度もセッションをやらせてもらって、それを録音して家で聴いてみるっていう作業を続けるんです。
——では、メンバーのみなさんがきのこ帝国のなかで担っている役割を教えてください。演奏パートじゃなくて、人間関係的な意味ですね。
そうだなぁ(笑)。3人とも私よりずっと和やかな人たちです。あーちゃんはすごく自由。それこそギターも自由に弾いてほしくて。なにかに左右されることなく我が道を行ってほしい。だから、ムード・メイカー的な感じですね。スタジオが終わったあとも、あーちゃんはずっと「ねえ!最近ね!」っていう感じで、あーちゃんの日常をみんなで聞きながら話を広げているんです。もしあーちゃんがいなかったら、他の3人は音楽の話しかできなくなっちゃうと思う(笑)。
——彼女はたたずまいにもそれがよく出ていますね。
ライヴでも均衡を担ってくれていると思います。暗くなり過ぎないというか(笑)。で、ドラムは大学の先輩なんですけど、サークルで部長をやっていたらしくて、怒ったことを見たことがないくらいに穏やかな人ですね。でも、ちゃんと仕切れて、いつでも受け皿になってくれる人。で、ちょっと天然の気があるんですけど、ベースはそこがもっとすごくて(笑)。メンバーが「??」となるようなことをよくするんです。でも、アレンジ作業ではみんなの一歩前に立って全体を把握していてくれるので、バンドの軸になってくれていると思う。あ! あと、あーちゃんは怒ると怖いんですよ。その起伏の激しさがギターに表れるときもあって(笑)。だから、情緒不安定な女性陣を男性陣がサポートしているような形なのかな(笑)。
——なるほど(笑)。メンバーのキャラクターが佐藤さんの楽曲制作に影響を与えている部分はありますか。
あーちゃんは歌詞をすごく集中して読んでくれるので、感情移入してくれているのをすごく感じます。そこに寄り添ってもらえると、私も安心してやれるので、そこは嬉しくて。
——たしかにきのこ帝国の楽曲は、佐藤さんの綴るリリックが大きなウェイトを占めていると思います。そこに関して佐藤さん自身はどう考えていますか。
人の意識のなかに入り込んでいくような言葉であってほしいなと思っています。わかりやすいほうがいいとも思っている。私の詞が一般的にわかりやすいものかどうかは、わからないんですけど。やっぱり人に聴かれたいっていう気持ちが強いので。あとは、かっこいいかどうかってことですね。
——かっこよさかぁ。
(笑)。でも、そこが一番重要なんですよ。
——これまでに佐藤さんが音楽以外の表現に向かう可能性はなにかありませんでしたか。
一時は小説を書きたいと思っていたことがあったな(笑)。で、実際に書いたこともあるんですけど、やっぱり向いてなかったんじゃないかな。
——最後まで書き上げたものがあるんですか。
短編でいくつかは(笑)。
——へえ! それ、たぶん向いてなくはないですよ。普通は書いている途中で諦めるから(笑)。
(笑)。でも、私はコツコツやることが苦手だから、仮に職業にできたとしても続けられないなって。それに、作家さんは実演する場がないですよね。音楽は作品をつくる他にも、実演が入ってくる。そこで聴いている人と感覚を共有できるのは、すごいことだなと思って。これ、いま思ったことなんですけどね(笑)。それが音楽の醍醐味なのかもしれない。
——じゃあ、ここからはもっと新しいアルバムの話を。「春と修羅」という曲に「2009年春」いうラインがでてきますよね。続く「国道スロープ」のリリックでも、おそらくそれと同時期の舞台が歌われている。佐藤さんがなぜこの時期のことを何度も歌にしているのか、話せる範囲で教えてもらえますか。
けっこう大変というか、大荒れな時期で。私個人も崩壊していたんですけど、バンドも、もう続けられないんじゃないかっていうくらいの時期でした。でも、そういう状況の中でもみんなの気持ちはバンドにあったから、なにか他の力でそれがやれなくなるのはいやだったんです。そこをなんとか4人で乗り越えて今があるっていうのは、すごく大きくて。だから、あの時期があってよかったと今では思っているし、その頃に書いた曲を今でも大事にしているんです。すごくいやな年でしたけどね(笑)。それこそ「あいつをどうやって殺してやろうか」と歌うところまで考えが及ぶくらいなので(笑)。
——そのときの気持ちを綴った歌を今になって唄うと、どんな感情が巻き起こりますか。
やっぱりひと段落ついたとは言っても、まだ解決していないことがいくらかはあって。それでちょっとナーバスになったりすることもあるんです。でも、ちょっとだけ距離が置けるようになったからこそ、吐き捨てられることができたっていうのはあって。変に真面目に溜めこんでいたものを、今なら吐き出すことができるから。
いい意味で聴き流せるアルバムでもあってほしい
——佐藤さんが曲を生み出すときのモチヴェーションって、その当時と今ではまた違うのかな。
実際にその2009年にひっぱられて曲を作っていた時期はけっこう長かった。でも、自分の一生を俯瞰してみると、その時期だけを歌っていてもしょうがないよなって最近は思ってます(笑)。完全にベクトルを変えるのは難しいけど、もっといろんなところに目を向けていこうと思って、今は曲を書こうとしているところですね。でも、いまアレンジしている新曲はやっぱりものすごくきのこ帝国っぽいんですよね(笑)。そういう感情的なものが自分でも好きなんでしょうね。
——作り手としての自分は満ち足りてはいけないっていう気持ちがどこかであるのかな。
いろんなことが充実してくると、つい(曲が)書けなくなるのかなって思うことが確かにありますね。でも、間違いなく徐々に満たされてきているから、もうこれは手遅れかもしれません(笑)。かといって、曲は素直に書いてきただけだし、現状の私にはそれしかできないから、それ以上のことは考えないようにしていますね。
——では、佐藤さんの最も大きな音楽的バックボーンって何になるんですか。
いろいろ聴きますけど、やっぱりシンガー・ソングライターからの影響が大きいのかな。最初に歌を意識し始めた頃は、曲をつくるということが自分にはイメージできなかったんですけど、自分が好んで聴いている音楽って、ことごとく自分で作詞作曲している人の音楽だったんですよね。そこで自分も作り始めたんです。でも、たとえば人の書いた曲を歌うのも、それはそれでプロフェッショナルなものなんですよね。その歌が自分のなかにはないものでも、それをうまく消化して歌わなければいけないんだから。だから、アイドルとかってすごいなと思うこともあって。やっぱり自分の中には融通の利かない部分があるから(笑)。曲も詞も、自分で書いたものを歌うのがやっぱりしっくりくるんですよね。
——佐藤さんの歌って、どこか自分の身を切っているようにも聴こえるんです。歌っていて苦しくなったり、辛くなることはないんですか。
辛くないですよ。どちらかというと、安堵や高揚の方が大きいです。たとえば後悔や悲しみって、反復しすぎるとまったく違う感情になっていくところがあって。そういう感じと近いのかもしれない。
——「傑作をつくりたかった」と先ほどおっしゃっていましたね。佐藤さんにとっての傑作とはどういう作品を指しているんでしょうか。
聴いていてドキドキハラハラ感がありながらも、どこかで甘さがあるものがいいかな。だから、甘辛ミックスですね(笑)。とにかく自分たちができる最大級のことをシンプルな形で残せたら、傑作になると思っていました。聴き終えたあとに何かしらの温度が残るといいなって。いい意味で聴き流せるアルバムでもあってほしいかな。
——いや、このアルバムは聴き流しできないですよ。どうしても向かい合って聴くことになるアルバムというか。
そうですか(笑)。でも、向き合ってくれるなら、それが一番うれしいかな。
——『eureka』できのこ帝国はさらに飛躍するだろうし、きっとそれを佐藤さんも確信しているんじゃないかと思いました。現時点で佐藤さんはこのバンドの未来をどこまで見据えていますか。
ちょっと大きな声で言うには恥ずかしいくらいのところまで、実は考えています(笑)。でも、今のきのこ帝国には2択あると思っていて、どっちに進むかですね。とにかくやってみなければいけない時期には来ている。でも、自分が目指したいゴールがあれば、進みたい道も自ずと明確になるはずで。で、それはたぶん、多くの人に聴いてもらえる方向だと思っています。つまり、一部のコアなリスナーに届ける方向ではない。今はまだ友達やおじいちゃんおばあちゃんに聴いてもらえるような曲じゃないなって思うんですけど(笑)。いつかもうちょっと成長したら、そういう人たちにも自然と受け入れてもらえるような曲が書きたいなって。でも、そう思いながらも、実は新しいことをやりたいっていうジレンマも生まれてきていて(笑)。
——できる限りたくさんの人と自分の音楽をシェアしたいと思う一方で、もっと音楽的な挑戦もしたいっていう欲求があるんだ。今はどういうサウンドに関心があるんですか。
たとえば、アーティストで言うと65daysofstaticとか。あとはPortishead、Bibio、Girls、The Radio Deptとか、すごく好きなんですよね。そういうものに感化されて曲を書いていきたいと思いつつ、果たしてそれは多くの人とシェアできるものなのかなっていう(笑)。音響やエレクトロ、あるいはもうちょっとポスト・ロック的な音にはずっと引かれていますね。
——それはぜひ臨んでみてほしいですね。
だから、「ユーリカ」をリード・トラックに選んだのはそれなりに勇気のいる行為だったんです(笑)。「あれで大丈夫なの?」っていう意見もやっぱりあって。でも、あれをしっかりと受け止めてくれた人が思っていた以上にたくさんいたんです。
——それは自信になりましたよね。
なりましたね(笑)。きのこ帝国がかっこいいと思ってつくったものを、みんなもそう思ってくれるんだって。あれはすごくうれしい展開だったな。
1st フル・アルバム『eureka』 release tour「すべてを夜へ」
2013年3月13日(水)@金沢 vanvanV4
2013年3月15日(金)@福岡 graf
2013年3月27日(水)@仙台 PARK SQUARE
2013年3月30日(土)@千葉 LOOK
2013年4月06日(土)@横浜 F.A.D
2013年4月19日(金)@大阪 club vijon
2013年4月20日(土)@名古屋 club Rock’n Roll
2013年5月06日(月 / 祝)@ 代官山 UNIT(ワンマン)
PROFILE
きのこ帝国
Gt,Vo 佐藤 / Gt あーちゃん / Ba 谷口滋昭 / Dr 西村“コン”
2007年結成。ポスト ・ロック、シューゲイザーに影響を受けたサウンドで下北沢、渋谷を中心にライヴ活動を展開。2012年5月DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECTよりDebut Album『渦になる』を発売。TOWER RECORDS「タワレコメン」やHMV「HOT PICKS」といったCDショップのレコメンド・アイテムに選出。ラジオ局のパワー・プレイや多くの雑誌で取り上げられる。ライヴ・イベント「COUNTDOWN JAPAN 12/13」に出演するなど圧倒的な存在感を放つライヴ・バンドとして話題沸騰中。そして2013年2月6日、待望のファースト・フル・アルバム『eureka』をリリース!