「知らない世界を開いていきたい」——瑞稀ミキ、ミズタマリ、篠原ゆりの新ユニット、エムトピ活動開始!
2015年10月24日に〈みきちゅ〉としての活動を休止し、新たなスタートを切った瑞稀ミキと、いずこねこやプラニメ(現P.O.P)などのアイドル・ユニットで活躍してきたミズタマリ。そして、2014年にTAKENOKO▲を卒業し、2015年6月にアイドル活動を再始動させた篠原ゆり。この3人による新生ユニット、その名も〈エムトピ〉が突如誕生した。まだまだ謎の多いこのユニットを、デビュー曲の予告編(約30秒)と、瑞稀ミキ、ミズタマリへのインタヴューとともにご紹介。彼女らによる、希望に満ちた新ユニットの行く末を見逃すな!
エムトピの“始まり”が見える約30秒の予告編、フリー・ダウンロードはこちらから!
INTERVIEW : 瑞稀ミキ×ミズタマリ
スターが集まったからって、スーパースターな存在になれるわけではない。瑞稀ミキ、ミズタマリ、篠原ゆりの新ユニット、エムトピは、リアルかフェイクか!? それは、あなたの目と耳で確かめて欲しいのだ。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 角萌楓
写真 : 大橋祐希
エムトピ、スタートの夜
——エムトピって、何者なんですか?
瑞稀ミキ(以下、ミキ) : 私が、みきちゅをこれ以上続けていけないっていう決断をした時、未来が真っ暗になっちゃったんです。でもやっぱり、私の人生から音楽は切り離せなかった。私はずっと一人でやってきたから、それを複数でやってみたらどんな風になるのかな? っていうのはずっと前から思っていました。でも、ずっと一人でやってきたからこそ、グループでやるっていうのは、自分の中でも大きな挑戦であり、人生においての一大決心なんです。いろんな意見がぶつかったり、一人だとファンの人全員から愛してもらえるけど、グループだとそうはいかなかったり。じゃあ、誰と一緒だったら出来るだろうと考えた時に、マリちゃんしかいないなって。しかもちょうど、私がとあるライヴのあと泣きながら帰った日に、マリちゃんが泊まりに来ていたんですよ。
——マリちゃん… 最悪なパターンだね(笑)。
ミズタマリ : 泊まりに来るってずっと前から言っていて、もう着いているのに、なかなかみきちゅは帰って来なくって。
ミキ : 送ってもらった車の中で大泣きしながら、ああでもないこうでもないって…。
ミズタマリ : ベランダから、その車が見えたんですよ。だからカーテンの隙間からそっと覗いて「え?! まだ?!」っていうのを2時間ぐらいやってましたね(笑)。
ミキ : その日は、すごくいいライヴだったんですけど、だからこそどうやったらここにいるみんなをもっと幸せに出来るのかっていうことを、事務所の人とずっと話していたんです。そんな日にマリちゃんが来てくれていたので「実はみきちゅを辞めて、新しいことをしようと思うんだよね」って話したんです。そして「わたしと一緒にグループをやりませんか?」って誘ったら、すぐに「あぁ~いいよ~(ミズタマリの真似)」って言ってくれて。
ミズタマリ : そう言わざるを得ない状況だったし、「少し考える」っていうのさえ、言えない空気がそこにはあったからね… (笑)。私は今までのみきちゅの活動を1番見てきているし、みきちゅの不器用なところや「ここを見せたらいいのにな」っていう細かいところまで1番知っていると思うんです。だから、私がみきちゅのそばにいたら、今よりも私もみきちゅももっと頑張れるんじゃないかって思って即答しました。ただ、みきちゅが活動をエムトピだけに絞ってしまったら、今まで積み上げてきた実力が勿体ないし、私もエムトピだけではないので、それぞれのいろんな活動と並行して、一緒に面白いことをしようよっていうのをわたしは提案しました。
ミキ : 私は、ソロ活動のみきちゅを辞めるっていう決断が大きすぎて、エムトピだけを生涯やっていくつもりだったんですが、マリちゃんと話して、納得しました。みんなそれぞれいろんな活動をして、そこでは出来ないことをエムトピでやりたいなって思います。本当に、なんにもなくなったその夜、私に、マリちゃんは5個ぐらい持たせてくれたんです。もう、マリちゃんしかいないなって感じですね。
——エムトピではどんな音楽をやりたいですか?
ミキ : 私は、自分の想いをストレートに、ひたむきに伝えることに重きを置きすぎて遊び心を忘れていたので、そこで出来なかった「こんな音楽やってみたい!」っていうのを、エムトピ3人で力を合わせてやっていきたいですね。本当は、作曲すら止めようと思っていたんです。みきちゅとして4年間、弾き語りも含めて6年間、自分の曲だけでやってきたけど自分の曲じゃないほうがいいのかなって思って。マリちゃんに相談したら「みきちゅは作曲をしないとダメだよ」って言ってくれて、自分でなくなりそうだった私を引き戻してくれたんです。自分のやりたいことや評価してもらっていた自分の良さは残しつつ、新しい音楽を表現できたらいいなと思っています。
ミズタマリ : だって作曲していなかったらみきちゅ何してんのってなりません!? みきちゅは作曲あってのみきちゅだし、みきちゅの良さってやっぱり歌詞だったり、音だったりに出ていると思うから「みきちゅがやりなさい」って言いましたね。多分みきちゅに、ガチトーンで、思ったことを言えるのって私ぐらいじゃないかなってぐらい、すごい言うんです。みきちゅにだけは(笑)。
ミキ : 私にだけなの!? 本当にマリちゃん以外、誰も言ってくれない。私は全く今の自分に満足していないから、いつでも外からの評価を求めているし、変わりたいって思っているんです。
ミズタマリ : ちょっとミスしたって、普段あんまり言わないじゃないですか。でも、みきちゅは本当に下手くそなんですよ。なんかすーごいへたくそで(笑)。みきちゅには、頑張ってほしいしもっと出来るって分かっているから、たくさん言います。泣くんじゃないかっていうぐらい。なのに嬉しがるんですよ!
——ものすごいマゾなんですね。
ミズタマリ : すごいですよ。落ち込んで帰ってきて、私からボロクソに言われて、なのにすっごい笑顔で、テンション上がって「お腹空いた~」とか言っているぐらい、本当にちょっとおかしいんですよ。だからこそ、シゴキがいがあるなと思って。これで一緒にやったらみきちゅ絶対すごいことになりますよ。
——マリさんはマリさんで、僕らの知らないことがたくさんあると思うんですよ。なぜプラニメを辞めたんですか?
ミズタマリ : やっぱり、東京・大阪間で壁ができちゃったんです。私は夜行バスで東京に通っていたけど、東京に着いたとき、温度差を感じましたね。あと、プラニメをもっとよくしていきたいし、プラニメをもっと面白くしていきたいと思っているのにうまく出来ないっていう狭間ですごく悩みましたね。また、(カミヤ)サキちゃんと自分の考えているやりたいことが違っているっていうのも理由としては大きいですね。
——エムトピをやろうって思った理由は?
ミズタマリ : エムトピには「みんなの才能を一つに!」っていう想いがあります。みきちゅは作曲、私はそのサポートをしていきたいですね。みきちゅの楽曲とか、熱い想いとか、すごく好きだから、わたしも一緒にステージでその想いを体感したいし、それに、私もそれに乗っかってもっと熱くなれるんじゃないかと思います。
病んでないっていうのは大事なんですよ
——篠原ゆりさんはどのような流れで入ったんですか?
(インタビュー当日、篠原ゆりさんはスケジュール合わず不参加)
ミキ : マリちゃんが泊まりに来ていた時、寝る前にお布団に入って「何人組がいいかな?」って話をしていたんですよ。
ミズタマリ : せっまいんですよ(笑)! しかも寝ようとしている時に、みきちゅが頻繁に話しかけてくるんですよ。
ミキ : マリちゃんも「まだ私の知らない面白い話して」とか言ったじゃん!
ミズタマリ : そんな感じで話していたんですけど、私は少人数がいいし、3人か4人くらいだねって話して。そこで、2人で条件をバーっと出したんです。ちゃんと個性があって、自分に何が出来るかわかっていて、キャラが立っている子。自分たちに無いものを持っている子。病んでない、かわいい、センスある…。
ミキ : 病んでない大事だよね。
ミズタマリ : 病んでないっていうのは大事なんですよ。私たちが病まないから、病まれると困るんです。ポジティブな子じゃないとダメってなった時に、「ゆり丸だ! ゆり丸しかいない!!」って思って。
ミキ : 私はゆり丸の「ビッグになりたい!」みたいな想いがすごく好きで、すぐにゆり丸いいなって思いましたね。
ミズタマリ : ゆり丸といえば、TAKENOKO▲ですが、アイドル戦国時代のラストにガツン! と現れて一瞬で消えて、もう伝説ですよね。でもそのあともずっとゆり丸はTwitterを動かしているんです。自分を失うことなく、ずっとゆり丸はゆり丸なんですよ。長文キラキラ絵文字ばーん! みたいな。ゆり丸すげーなって思っていて。そのあとソロを始める時、フリーでやるって聞いて驚きました。もともとガツン! といったアイドルがのちにフリーになるって、すごい決断じゃないですか。エムトピを一緒にやるなら、私たちが熱すぎるし、フリーを経験している子で、ついて来られる子。かつ、すごくポジティブで、自分を持っていて、バカできて、センスがある子。ってなると、ゆり丸しかいないんですよね。ゆり丸がダメだったら、この話も一度無しにしようってぐらい、ゆり丸しかいなかったんです。
——お二人にとってアイドル戦国時代ってどういう時代でしたか?
ミズタマリ : バンバン新しい人たちが現れた時期で、お客さんも「今日はこれを発見してやったぜ!」ってワクワクしていたと思うし、私たちも「新しいことをしてやろう!」っていう意欲がすごくあったし、すごい年だったなって思いますね。
——若い子たちはいまもたくさん出てきていますが、それはアイドル戦国時代ほど多くないんですか?
ミキ : 逆に多すぎますね。王道じゃない人たちが増えた気がします。だからこそ、その王道の枠が空いているっていうか。一周回って、みたいなね。
ミズタマリ : アイドル戦国時代といえばやっぱりBiSさんですけど、その枠を狙っている子がいまは多いですよね。当時、BiSさん、でんぱ組.incさんと共演していた頃はすごく勉強になりました。じりじりと売れていく感じは、わかりやすい目標だったし、だからこそ戦えるし、頑張ろうって思えた。そこに、立ち向かって頑張っていた3人だからこそ、当時の面白さが出せるんじゃないかなと思っています。でもやっぱり、当時話題になったからこそ、当時以上のことをどんどんしていかなければならないっていうプレッシャーはありますね。当時は、やっぱり新しいものを生み出す発想が大事だったんです。アイディアが出切った後に、もう一個何か出せないかって常に隙間を狙って考えていました。みんなが好きって思える、ミーハーな部分も入れつつ、その中でまた新しいことがエムトピで出来たらいいなと思います。
やっぱり1番面白いのはアイドルかなって
——エムトピはアイドルって考えていいんですよね?
ミキ : ガールズ・パフォーマー・ユニットって言いたい…。でも見た人がアイドルって思ってくれたならアイドルでいいし、アイドルが好きじゃない人にも、アイドルっていうフィルターをかけずに見てもらいたいなって思います。
ミズタマリ : 結果アイドルなんですよ! アイドルがやってんだから! アイドルじゃないですって言ったら、一瞬で冷めるんですよ。だってアイドルだもん!
ミキ : じゃないです! とは言わないけれど…。
ミズタマリ : 正直、みんな「アイドルです!」なんて言ってないし、結局、ジャンルはアイドルでしかない。でも、アイドルの枠に収まりきらないアイドルが上に行けるから、そういう存在になれたらいいねってわたしは言っているんですけど、みきちゅが「アイドルって言いたくない」って言い張るから(笑)。
ミキ : わたしは、みきちゅやってきたから、「一回アイドルから離れないと」って思い過ぎちゃってて。でも、だんだん冷静になってきて、やっぱり1番面白いのはアイドルかなって。そこで天下を取りたいですね。
——天下獲りたいんですか? 天下ってなんですか?
ミキ : 私はね、ピューロランド! あとは池袋の噴水広場とかでやりたいです。初めて見たちっちゃい子とかも、2階からめっちゃ見るみたいな。そういう光景が作りたいですね。
ミズタマリ : このグループは、キャラクターみたいなものなんですよ。ゆるキャラみたいな。子供が見て、キャッキャってできるものをイメージしているから、なんていうか遊園地系ですね(笑)。
ミキ : そういうところから、ちょっとずつ、アイドル知らない人にも広まっていけばいいなって思います。人を楽しませることをやりたいね。
ミズタマリ : あとは誰もやらないようなバカなことをやりたいですね。
ミキ : 私は「アイドルはこうあるべき!」っていうのがたくさんあって結構真面目になっちゃうので、そういうのを二人がどんどんぶっ壊してくれればいいなって思いますし、自分でも自分の知らない世界を開いていきたいです!
LIVE INFORMATION
エムトピ
お披露目ライヴ「エムトピ! お目見え! 〜エムトピ号へご案内します〜」
2015年12月5日(土)@新宿MARZ
エムトピ定期公演Vol.1 「エムトピX'mas Party」
2015年12月13日(日)新宿MARZ
X'mas フェス
2015年12月23日(水)@会場未定
ミズタマリ
第2回鶴亀デスコ
2015年11月6日(金)@京都VOXhall
篠原ゆり
篠原ゆり定期公演
2015年11月20日(金)@下北沢ERA
2015年12月2日(水)@渋谷eggman
RECOMMEND
瑞稀ミキ(ex.みきちゅ)過去作
2015年10月24日活動休止となる仙台出身のアイドル・シンガー・ソングライター"みきちゅ”のベスト・アルバム。理想のアイドル像を追い求めながらソロ活動に邁進したアイドル人生の集大成となる王道アイドル曲~ロック・ナンバーまでバラエティに富んだ全16曲フル・アルバム。
アイドルとしてシンガー・ソングライターとしての要素をたっぷりと詰め込んだボリュームになっており必聴。とある1枚のファンレターに書かれていた「みきちゅの十字架を少しでも背負えたら楽になるかな?」という一言がキッカケになり曲が出来上がった。編曲はひめキュンフルーツ缶やnanocuneを手がけている山下智輝。
littleAct / スポットライト(24bit/48kHz)
みきちゅの会場限定盤のみに収録されていたコラボ楽曲「スポットライト」がこの度、正式音源化。ステージから観える風景を歌ったこの楽曲は、まるで先日、衝撃の活動休止を発表した彼女の心境を吐露しているようでもあり、涙なしに聴くことが出来ない。みきちゅの伸びやかな歌声、奏でる美しいピアノの旋律に、GOMESSのリリカルな言葉の数々が乗ることで、規定のジャンルにはない新しい風景を作り上げている。
ミズタマリ
POP(プラニメ) / P.O.P
元BiSのカミヤサキとミズタマリ(いずこねこ)からなるユニット、プラニメから5月31日をもってミズタマリが脱退し、6月1日からオーディションで加入したイヌカイマアヤ、ヤママチミキ、シグサワアオ、ユメノユアの4人が加わり、総勢5人のユニット。プラニメから改名しPeriod Of Plastic 2 Mercyの頭文字をとって「POP」となってからの、ファースト・フル・アルバム。
POP(プラニメ)、2人時代のシングル。作詞はプラニメ自身、作曲は前作同様に松隈ケンタが、カップリングの「盗られそう」はカミヤサキが作詞を担当している。
PROFILE
エムトピ
瑞稀ミキ(ex.みきちゅ)、ミズタマリ(ex.プラニメ、ex.いずこねこ)、篠原ゆり(ex.TAKENOKO▲)の三人からなるガールズ・パフォーマー・ユニット。それぞれがアイドル戦国時代を生き抜き、それぞれの形で一度挫折を味わい、そんな3人が手を取り合い、1人では成し得なかった夢の舞台を作り上げるユニット。
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