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Apple、GPUを1チップに統合して驚異的な性能を発揮する「M1 Pro」、「M1 Max」

最大構成のM1 Max。32コアのGPUや64GBのメモリを統合し、コア部分は570億トランジスタを集積

 米Appleは18日(現地時間)、イベントを開催し、新しい14インチおよび16インチの「MacBook Pro」を発表。この中で、新たに開発したSoC「M1 Pro」と「M1 Max」の詳細について明らかにした。

 M1 ProとM1 Maxはその名の通り、M1をベースとして設計されたチップ。CPUとGPUを1つに統合するというSoC(System on a Chip)設計をそのままに、GPUやメモリ周りを強化し、ノートPC向けプロセッサとしては最高性能を実現した。製造プロセスは5nmを採用している。

 M1 ProはM1の2倍以上となる337億トランジスタを集積。CPUは8基の高性能コアと2基の省電力コアで構成される。GPUはM1の2倍となる16コアとなるほか、32GBのメモリをサブストレート上に集積し、最大200GB/sのメモリバンド幅を実現した。

M1 Proは16コアGPUと32GBのメモリを統合。コア部分は337億トランジスタにおよぶ

 一方でM1 Maxは570億トランジスタにのぼり、GPUはM1 Proのさらに2倍となる32コアを搭載。メモリも64GBとなり、最大400GB/sのメモリバンド幅を達成した。

 M1 ProもM1 Maxも特徴としては「GPUをあえて1チップに統合」し、「圧倒的なメモリバンド幅」を実現している点。説明会では、既存の高性能ノートPCはCPUとGPUが別々になっているがゆえに、お互いを結びつけるバス(PCI Express)が狭く、その間のデータ転送に余分な電力を消費しているほか、各々が独立したメモリを持っているがために、電力効率が悪くなっていることを指摘。M1 ProとM1 Maxは独自のファブリックでCPUとGPUを統合し、統合したメモリを利用することでこの問題に対処できるとした。

既存の高性能ノート構成では、CPU/GPU間の通信に余分な電力を消費するほか、独立したメモリを持つため消費電力増大につながる

 その結果、M1 ProとM1 Maxは現存の65Wクラスのラップトップ向けCPUと比較して、70%も少ない消費電力で同等の性能を発揮。最大性能は1.7倍に達するという。GPUに関しても、M1 Maxは100W超のディスクリートGPUより40%少ない消費電力で同等以上の性能を発揮できるとしている。

他社のCPUとの性能/電力比較。M1 ProおよびM1 Maxは圧倒的だ
100W超のディスクリートGPUと同等以上の性能を40%少ない消費電力で実現するという
170WクラスのハイエンドラップトップGPUと比較すると、100W少ない消費電力だという

 加えて、メモリがユニファイドになったということは、GPUも32GBまたは64GBという広大なメモリにアクセスできることを示しており、巨大なデータサブセットをメモリ上に置いてGPUに処理させるといったことが可能になったとしている。

 M1 ProやM1 MaxのTDP自体は明らかにしていないが、グラフを見る限り60W台に留まるように見える。一般的な高性能ディスクリートGPU搭載ノートは、バッテリ駆動時にはバッテリ出力の制限から性能が大幅にダウンするが、M1 ProおよびM1 Maxは同等の性能を維持できるため、バッテリで作業する際にも、ACアダプタ接続時と同等の性能を発揮できるとしている。

M1 Maxの構成
M1 MaxやM1 Proの特徴
MacBook Pro