1回で終わる根管治療22(α-TCP+3MIXによる根管充填、外傷性歯髄炎の具体例)
60代女性、左上6、咬合性外傷性による歯髄炎、自発痛++、歯ぎしり、動揺度2.5痛いし、熱いものも冷たいものも、めっちゃ沁みる! どうにかしてーー、、!!ということで、歯髄は死にかけているな。。と思って天蓋を除去してみた。外傷性に根尖付近の血管が損傷して血栓等が歯髄内の毛細血管に詰まって歯髄炎を起こすことはよくある。一種の塞栓症で僕は歯髄梗塞と呼んでいる。しかし、上行性の歯髄炎とかアホなことを言っていうのが歯科医学だ。上行性というのは歯周ポケット内から細菌が根尖から侵入し歯髄炎を起こすということらしいが、まず歯根の歯髄が壊死するはずだが、それを見ることは無い。逆に冠部歯髄は壊死しているが、根管の歯髄は生きていることの方が多い。天蓋を穿通した。少し出血している。死にかかっている歯に麻酔は要らない。麻酔とは健全な痛みを感じる歯を削る時に必要なだけだ。麻酔が必要な歯を削るということは僕に言わせれば、過剰診療と言っても良い。上顎6の根管は3つあるはずだ。探している口蓋根の出血は少ない。ほとんど失活している口蓋根は超音波スケーラーのエンドチップで洗浄した。壊死しかかったピンク色の歯髄は見えたが、除去できたどうかはよくわからなかった。こんなものでも十分なのだ。通法では根管内壁の有機物をファイリングして除去するというのがセオリーなのだが、実はなんの根拠もない嘘だ。無菌的処置(根管治療後の辺縁封鎖を含めて)ができればそんなことをする必要は無い。ボスミン液で止血した後は3MIX+α-TCPで根管充填というか直接覆髄というのか、露出している歯髄と根管内を覆うというか注入すればよい。それも緊密充填である必要もない。人間の歯髄というものは非常に丈夫なので炎症があれば全部取る必要があるというのは、これも嘘だ。ではなぜ世界中の歯医者は神経を取って冠を被せたがるのか?とりあえず神経を取っておけは後で痛くなることは無いので、下手クソとかヤブとか思われないで良いというその場限りの保身と、冠を売りつけて儲けたいだけと言っても良い。こんなことを200年近くやっていると、それ以外のことは考えることもできなくなるということだ。未だに虫歯の原因さえ不明な中、的外れなことをやり続けているのが歯科業界だ。虫歯とは金属の錆と同じ電気化学的な歯の腐食のことだが、業界はこぞって気が付かないフリをし続けている。患者側から突き上げなくては業界は変わらない。α-TCPで充填CRで漏洩しないようにカバーして終わり。これで痛みや強烈な沁みは消失する。こんな簡単なことで歯髄炎が治るとか信じられないかもしれないが、これが事実だ。冠を被せるまで何度も患者を通わせるなどという患者を苦しめる必要はない