資生堂が「見るだけで美しくなる映像」を開発。1/22から一般公開
横浜・みなとみらい21地区に1月22日(水)にオープンした「Shiseido Beauty Park」は、化粧品メーカー大手の資生堂の研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター」の1・2階フロアをリニューアルしたといいます。同社が掲げる2030年のビジョン「Personal Beauty Wellness Company」の実現に向け、生涯を通じて自分らしい健康美を実現できる社会を目指すという取り組みの一環です。
そこには、世界最大級だという16K Crystal-LEDシステムを用いた「Beauty Retreat Theater」があり、「見るだけで美しくなる映像」を放映しています。鑑賞者に「AWE体験」をもたらすという映像ですが、一体どんなものなのでしょうか。
映像は、大自然の雄大な造形と人体の美の間にある不思議な類似性をモチーフとして制作されており、現在は「Hydrating Winter」と題した冬をテーマにした作品を公開中です。めぐる季節にあわせて、「Blooming Spring」「Summer Radiance」「Autumn Aging」と名付けた作品が順次公開されていくようです。
「AWE(畏敬の念)」とは、心と身体、社会にポジティブな影響を引き起こすと脳科学や心理学で着目されている概念です。「畏敬の念」が脳活動に変化を起こし、身体の炎症を抑え、利他の精神を高めるなど、心や身体、さらには社会へもポジティブな影響を及ぼすという研究が行われています。この映像をめぐっては、20~60代の男女51人を対象とした実証実験を行ったところ、88.2%が比較対象の自然風景映像よりも「畏敬の度合い」を高く評価したといいます。
さらに、同社の「AWE」研究者である岡﨑俊太郎さんは「美がもたらす影響は見た目の美しさを整える役割を超え、心身に働きかけ、自然との調和や他者・社会との協調を促すなどのポジティブな影響をもたらす可能性が示されつつある」と伝えています。
美しさを感じる基準は、主観によるものであり、時代的、文化的な背景も大きく影響を与えます。資生堂は、この映像による心と身体へのポジティブな影響を”美しさ”ととらえたうえで、この映像を「見るだけで美しくなる」としています。
また、同社の研究では、広告・製品外装デザインなどを通じてもAWEを引き起こすことがわかっているといいます。科学的な根拠を踏まえて、映像作品として自社の研究成果を結実させた資生堂。今後は、製品パッケージなどのデザイン領域、広告などのクリエイティブにおいても、さまざまな変化が起こることが期待されます。
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