タレント・中居正広氏の女性トラブルをめぐり、フジテレビが揺れている。なぜ女性アナウンサーの会食接待に関するトラブルはなくならないのか。元テレビ朝日プロデューサー鎮目博道さんは「テレビ業界は依然として男社会だ。それに加えて日本特有の『女子アナ』という局員のあり方がこの問題の背景にある」という――。

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記者会見するフジテレビの港浩一社長=17日午後、東京都港区のフジテレビ

生配信、生中継すら認めない"異例の社長会見"

タレントの中居正広氏の女性トラブルに、フジテレビの社員が関与したのではないかと『週刊文春』が報じた問題を受け、17日午後にフジテレビの港浩一社長が会見した。

記者クラブに加盟する新聞社やテレビ・ラジオ局のみに参加を認め、生中継や生配信も認めない、かなり制限のかかった記者会見だった。港社長は第三者の弁護士などを中心とする調査委員会の設置を表明し、その調査の結果を待ちたいとして、社員の関与など事案の詳細については突っ込んだ言及はなかったようだ。

16日発売の『週刊文春』では、中居氏の女性トラブルに関連し、フジテレビの女性アナウンサーが、幹部局員が設定した中居氏との会食に参加させられたことがあると告発する記事を掲載。毎日新聞によると、こうした点について記者から問われた港社長は「私はなかったと信じたいと思うが、それも含めて(今後、第三者の弁護士を中心として設置する)調査委員会の調査に委ねたい」などと答えたという。今回の社長会見では問題の真相は結局はっきりしなかったということだ。調査委員会による解明が待たれる。

しかし、一般論として言うと、実は女性アナウンサーが同席して、有名タレントを接待することはテレビ局にとって決して珍しいことではない。むしろ、テレビ局にとってみればそれは「常套手段」と言って差し支えないほどよくある話である。

その理由は簡単にいうと、非常に効率的でしかも負担が少なくて済むからだ。しかも通常「関係者の誰も損をしない」接待の方法なのだ。

テレビ業界に残る悪しき慣行

テレビ業界や芸能界には現在でも昭和的な古い慣習がいまだに多く残っている。番組プロデューサーや制作部門の責任者たちは、言ってみればメインの仕事がいまだに「大物タレントや事務所関係を接待して、その関係を良好に保つこと」と言って良いような状況だ。ということで、大物タレントが出演する番組では、常に「現場との懇親を深める食事会などの場を設ける」というのが常識のようになっている。