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【インタビュー】通り魔系に結婚詐欺師系J-POP?! DJミッツィー申し訳×DJフクタケの爆笑J-POP DJ対談!

Interview | 2014.02.20 Thu

や音楽フェスを筆頭に、ライブハウスやクラブでもDJがJ-POPをセレクトすることは珍しくない。思春期の頃に愛聴していたヒット曲がなぜか笑える曲に聴こえたり、逆に当時よりもスタイリッシュに響いたり。DJという表現者たちは曲の繋ぎ方、すなわちミックス次第で僕らが慣れ親しんだJ-POPに新しい聴き方を示してくれる。そんな新発見が凝縮されたアイテムがミックスCDだ。ミックスCDといえば、洋楽のクラブミュージックやヒップホップを連想しやすいが、今回はオール邦楽で構成された2つのミックスCDを紹介したい。

昨年、16年の歴史に幕を閉じたJ-POPイベントの代表格<申し訳ないと>の主催者・DJミッツィー申し訳 a.k.a DJ Michelle Sorry(以下、ミッツィー)は、「オフィスソウル」をテーマに掲げた『The 男子音楽厨房〜TOKYO PREMIUM J-POP DJ MIX』をリリース。働く女性を癒すために味付けされたワンプレートには、女性心をくすぐる男性ヴォーカル曲が盛り沢山だ。また、ミッツィーとアナログ専門ユニット・B2B(Back to Back)を組むDJフクタケがリリースするのは『ヤバ歌謡』。自身が所有する秘蔵の7インチレコードをミックスに使用し、グループサウンズ、和製ディスコ、テクノ歌謡など、昭和のヤバいグルーヴを次々と浮き彫りにしている。どちらの作品もミックスCDの前例にないコンセプトと選曲がお見事。J-POPの新たな鉱脈を掘り起こしている。

今回Qeticでは、2月19日(水)に同時リリースする両者の対談を行なった。なお、対談の端々にはフィクションが盛り込まれている。創話か否か想像を膨らませながら読んでほしい。本人たちは「これ、まとめるの大変ですねぇ」と漏らしていたが、案の定、筆者が編集に骨を折ったのはここだけの話。

Interview:DJミッツィー申し訳×DJフクタケ

――お2人のミックスCDは、奇しくも同じ2月19日リリースということで。

DJミッツィー申し訳(以下、ミッツィー) 同じレコード会社じゃなかったら喧嘩になってましたよ。

――それぞれタイプの異なるミックスCDをリリースするわけですが、まずはどんな背景があって実現した企画なのかを聞かせてください。ミッツィーさんは、ミッツィー申し訳名義で何枚かミックスCDを出していますよね。

ミッツィー 僕は、人気はないけどプレゼンが上手なんですよ(笑)。〈EMIミュージック・ジャパン〉と〈ユニバーサル・ミュージック〉が統合したと聞いて、「統合!? これは2社の音源が使えるぞ!」とピンと来てですね。昔と今の色んな音源をリユースできるということで、「僕は器用貧乏で何でも出来るから、御社の音源だけでミックスCDを作ったら売れるかもしれませんよ」というプレゼンをして。そこから〈ユニバーサル〉の人の顔を見る度に「あの話、どうなってるんですか?」と突つき、最終的には精神的に病ませて判を押させるという。

――続けてください(笑)。

ミッツィー それから、制作の担当者をご紹介いただいて、そのときにはまだ漠然とミックスCDを出すということしか決まっていなかったんですけども、いざ会うというときに閃いてですね。アイドルとかの楽曲がミックスCDに入っているのが当たり前だけれども、男性ヴォーカルのみという切り口はどこにもなかったので、「それは企画会議に上げるときに非常に武器になるのではないですか?」と提案したんです。前例にないというのは社内的に通りやすいはずですから。

――たしかに稟議が通りやすそうですね。

ミッツィー そこを担当が突破したので、後はしめたもんですよね。でも、僕は結果を出さなくてはいけないっていう(笑)。

【インタビュー】通り魔系に結婚詐欺師系J-POP?! DJミッツィー申し訳×DJフクタケの爆笑J-POP DJ対談! interview140220_jpop_0076-1
DJミッツィー申し訳 a.k.a DJ Michelle Sorry

――重要なことですよね。フクタケさんも同時進行だったんですか。

DJフクタケ(以下、フクタケ) そうですね。ミッツィーさんと近いタイミングでお話をいただいて、僕は『テクノ歌謡』というコンピレーションCDとかに関わって、そのジャンルの概念を提唱していたので、自分で掘り下げて80年代のテクノ歌謡曲を中心にDJをやっていたんですね。それからミッツィーさんとのご縁もあり、TBSラジオの「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」という番組でもDJをさせていただいて。7インチのシングル盤中心でしかやらないというスタイルでずっとやっていて、それを聴いていた〈ユニバーサル〉の方からある日突然呼び出されたんです。そしたら密室で軟禁状態にさせられて。

ミッツィー あの時は本当に水さえもらってなかったよね。

フクタケ 意識が朦朧としている間に判を押されていたと。なかなかグローバル企業はやることが違う。これがメジャーなのかと思いましたね。

ミッツィー 〈ユニバーサル〉はやり方がえげつないと思うことがありましたね。タイトルも既に決まっていたんですよ。

フクタケ 『アゲ歌謡』というタイトルが付いていて、「もっとすごいタイトルの方が良くないですか」ということで、『ヤバ歌謡』になりました。実際にすごく魅力的だったのは、〈ユニバーサル〉が所有している音源が豊富で、〈東芝〉、〈ポリドール〉、〈キティ〉といった60年代から80年代にかけていろんな名曲を出しているレーベルの作品を使わせていただけるということでした。30年ぐらいの幅の中で色んなジャンルの曲を使って面白いことが出来ますし、〈ユニバーサル〉のオーダーも幅広く選曲してほしいということだったので、僕が思うヤバい歌謡曲を1つの流れでミックスしてみようと。

ミッツィー ミックスはコンピレーションで並べるのとは違って、DJミックスという流れで聞いてもらうことで曲の違った魅力を引き出そうとするんです。すごく耳馴染んでいる曲を違う流れで聴いてみると、「あれ、すごくグルーヴィーな曲なんだな」とか、そういう発見があるんですね。

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