Bundlerで複数のGemfileを使う方法

通常、bundle execでgemを利用する時にはGemfileに必要なgemを列挙して利用するが、まれに複数のGemfileに分けたい場合もある。

ここでは例として、既存のRailsプロジェクトのGemfileに加えて別のgemを追加で読み込みたい場合を考える。
既存のGemfileは編集せずにそのままにしておいて、追加で必要なgemは別のGemfileで指定する。

方法

GemfileはRubyの内部DSLなので、Gemfileの中からもう一方のGemfileをevalすればよい。

追加で必要なgemは、別のディレクトリ(additional)に配置したGemfileに記載する。
ファイル構成は以下のとおりとなる。

project/
  |- Gemfile     # 既存のgemfile
  |- 他のファイル
  |- ...
additional/
  |- Gemfile

additionalの中にあるGemfileを以下のように編集する。

eval_gemfile File.join( File.dirname(__FILE__), "../project/Gemfile")

gem "additional_gem"   # 追加のgem

eval_gemfileメソッドは、中のファイルを読んでinstance_evalしているだけ。
参考 : http://www.rubydoc.info/github/carlhuda/bundler/Bundler/Dsl:eval_gemfile

以降、additionalの中で bundle install して、bundle execで実行すれば両方のgemが使えるようになる。

（追記） Gemfile.lockを使いたい場合は？

既存のプロジェクトがGemfile.lockを使ってバージョンを固定していたとする。
そのGemfile.lockに記載されたgemを使いたい場合、上記の方法ではうまくいかない。

上記の方法を利用するためには、Gemfile.lockからGemfileを構築するとできる。

require 'bundler'

lockfile = Bundler::LockfileParser.new(Bundler.read_file("Gemfile.lock"))

puts "source 'https://rubygems.org'"
lockfile.specs.each do |s|
  puts "gem '#{s.name}', '#{s.version}'"
end

以下のスクリプトを既存のプロジェクトのGemfile,Gemfile.lockがあるディレクトリで実行する。
標準出力に、Gemfile.lockで指定されたバージョンに固定したGemfileができる。

このGemfileを上記の方法でevalすれば、既存のプロジェクトのgemを使うことができる。

参考情報

http://stackoverflow.com/questions/12237055/how-to-use-gems-not-in-a-gemfile-when-working-with-bundler
http://stackoverflow.com/questions/7962743/bundler-load-multiple-gemfiles