グラビアアイドルから俳優へ 酒井若菜のマルチな才能と朝ドラ『おむすび』での活躍

グラビアから転身、酒井若菜の朝ドラでの活躍

 昨今、グラビアアイドルを経て芝居の道に進んだ俳優の活躍が目覚ましい。MEGUMIや小池栄子、そして現在NHK連続テレビ小説『おむすび』に出演している酒井若菜もその一人だ。

小池栄子&MEGUMI、グラビアアイドルから代えのきかない女優へ 共通項は“バランス感覚”

グラビア出身の現在40代、バラエティでも活躍する対応力、同性からの厚い支持。多くの共通点を持つ、MEGUMIと小池栄子。バラエテ…

 今でこそ、俳優としてのイメージが強い酒井だが、芸能界で注目を集めるきっかけは1997年の「第8回ヤングジャンプ全国女子高生制服コレクション」で準グランプリを受賞したこと、そして1999年に日本テレビのイメージガールプロジェクトである「日テレジェニック」のメンバーに選ばれたことだ。『ヤンジャン』、「日テレジェニック」といえばグラビアアイドルや俳優の登竜門。これをきっかけに酒井は知名度を上げ、活躍の場を広げていく。

 グラビアアイドルとして理想的なスタートを切った酒井だが、本人は俳優志望であった。グラビアの仕事をやりながらも、芝居と向き合い続け、徐々に俳優としての知名度がグラビアの活動を上回るようになる。特に印象的な役柄は『木更津キャッツアイ』(TBS系)のモー子役だろう。後に、櫻井翔演じるバンビの彼女となるが、実はぶっさん(岡田准一)のことが好きという一癖も二癖もある役である。酒井本人もモー子を演じるについて、「ただ、いるだけのヒロインにはなりたくない」と決めていたことを公式YouTube「酒井若芽チャンネル」で明かしているが、この作品で酒井がモー子というキャラクターに真摯に向き合ったことが後のキャリアを広げる大きなきっかけとなったように思う。

長瀬智也×宮藤官九郎が切り取った“池袋”と“2000年” 『池袋ウエストゲートパーク』が生み出した熱狂

世の中がミレニアムに浮かれた2000年、まさに時代を映すドラマがO.A.された。現在、ParaviとTVerで配信中の『池袋ウエ…

 その後も『きみはペット』(TBS系)、『マンハッタンラブストーリー』(TBS系)、『ホームドラマ!』(TBS系)などコンスタントに連続ドラマに出演し、着実に俳優としてのキャリアを積んでいく。その頃には、酒井がグラビアからキャリアをスタートさせたことを知らない視聴者層も増えていた。そして近年、『シジュウカラ』(テレビ東京系)で息子(板垣李光人)に歪んだ依存の感情を向ける母親役など、かつてのモー子とはまた違った年相応の迫力ある芝居で魅せる酒井の姿には、さすがのキャリアと唸るばかり。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる