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MariaDBのその後の動きをまとめてみる - 2024年4月版

日本でも数少ないMariaDB社の株価ウォッチャーとして以前の記事の続きを書いておく。

2023年5月には本当のPenny StockになったMariaDB社。ちなみにPenny StocksとはSEC(米国証券取引委員会)の定義では1株あたり$5未満で取引されるものを指すらしいが、MariaDB社ことMariaDB PLCの株価は長らく$1未満のままとなっている。NYSE上場廃止基準にあたりそうだけどそれでも上場し続けていられるのは不思議だけどそういうものなのでしょう。
Penny stock - Wikipedia

 

記事執筆時点での最新の動きは3月26日に、様々な製品を買収して拡大してきたプログレス・ソフトウェア社がMariaDB社の買収の計画を発表。1株あたり$0.60で総額約$40.6Mとのこと。現時点では買収は完了していない。

investors.progress.com

 

時系列を少し遡ると↓ざっくりこんな感じ。

 

さらなるドタバタの動きがあったのが2024年2月。
2月7日、1月は$0.20前後で取引されていたものが2倍以上の$0.47に急騰、取引量もそれまで10万にも満たなかった件数がこの日だけ3,700万件。IRの情報などは一切発表がないにもかかわらず株価としては不自然な動きに見えた。単なるマネーゲームなのか、なにかあったんでしょうかね。次に動きが出たのは約10日後。

 

2月16日、プライベートエクイティのK1 Investment Managementが$37.7Mのオファーを提案し非上場化の方向であることを発表。1株あたりは$0.55で2月5日の終値から189%のプレミアム。3月末までの完了を目指すとされていた。一瞬$0.40超の値を付けるも$0.30台に落ち着く。

www.theregister.com

2月23日、それまで出資していた北欧の投資会社RP Ventures社がこのK1社の発表に激おこ。K1社の発表により$0.55ドルが実質的に天井となってしまうことが不服だった模様。債務不履行通知を送付してMariaDB社の口座から現金を引き上げて貸し手としてのRP社の返済に充てるという"Sweep"と呼ばれる動きを起こすと警告される事態に。

www.theregister.com


この状況を静観していられなかったようで、元MySQL社でコミュニティチームを率い、MariaDB社の立ち上げにも参画していたMariaDB FoundationのCEOのKaj Arnöが声明を発表しダメージコントロールを図っていた。

 

3月26日、しばらくニュースも関連するIRの発表も音沙汰が無いままK1社の買収判断の期限となる3月29日が迫っていたところに、プログレス・ソフトウェア社が決算発表のタイミングでMariaDB社の買収の意向を発表。いつの間にか$0.20台に戻っていたMariaDB社の株価はニュースを受けて再び急騰して$0.50弱に到達しているところ。