横浜市鶴見区には、関東最大の沖縄タウンがある──という話を聞いて、京急線「京急鶴見駅」にやってきた。なんでも大正時代以降、沖縄からの出稼ぎ労働者が数万人規模で鶴見区へ移住し、厳しい環境に耐えながらも、故郷の伝統や文化を守り抜いてきたらしい。
そんな沖縄タウンの中心地となっているのが、駅から徒歩約20分の場所にある「おきなわ物産センター」とのこと。少しでも沖縄旅行気分が味わえたらラッキーってことで、現地へ足を運んでみたところ……なるほどなるほど、想像以上に沖縄でした。
・リトル沖縄
お目当ての「おきなわ物産センター」は、下町風情を残す通りの一角で、まるで “那覇の国際通り” 的な雰囲気をムンムンに漂わせていた。躍動感あふれる沖縄ソングとオリオンビールの提灯……見事なまでに沖縄。スルーできるわけがない。
物産センターは、沖縄土産、日常食材、民芸品など約1000種類の商品を扱っている。ポーク缶詰や泡盛、自社工場で作っている沖縄そば、などなど……観光客も移住者も満足できる充実のラインアップだ。もはや「沖縄以上に沖縄」と言っても過言ではないだろう。
そして、物産センター横には “飲むサロンパス” こと「ルートビア」や「ミキ」「さんぴん茶」などの沖縄系飲料を扱う自販機が設置されていた。もちろん物産センター内でも、沖縄ドリンクを購入することは可能だが、やはり自販機は便利だし、景観的にもグッドであります。
さて、腹が減ったので、物産センターすぐ隣の「てぃんがーら」なる沖縄そば店に入ってみることにした。こちら2020年10月にオープンしたばかりのお店で、「てぃんがーら」とは、沖縄の言葉で「天の川」を意味するらしい。ほほう。600円の沖縄そばを注文してから席へ。
・てぃんがーらの沖縄そば
あまり待つことなく登場したのは、直球ド真ん中の沖縄そば。三枚肉が乗っているものの、ビジュアル的な派手さは感じられない。どちらかと言えば、ふるさとを思い出すような、素朴を極めた堅実な沖縄そばである。沖縄出身者ではないが「おかえり」と言われているようだ。
見た目が直球なら味も直球。自家製麺は手打ち風で、軽くウェーブがかかっているのが特徴。透き通ったスープに甘辛い三枚肉、これぞ食べたかったザ・沖縄そばである。うまい。コーレーグースを足せば、赤瓦屋根と青い海……沖縄の景色が頭の中で見事によみがえったぞ。
・沖縄タウンでプチ旅行気分
食事を終えた後、ふたたび物産センターで特産品を物色してから帰路についた。ってなわけで、横浜市内でプチ旅行気分が味わえて満足である。
最後に、今回ご紹介した物産センターから離れた場所にも、沖縄料理店は区内各地に点在しているので、興味のある方はぜひ街歩きを楽しんでみてほしい。居酒屋も多いみたいだし、きっと夜も楽しいだろうな。よし、また来よう。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 てぃんがーら
住所 神奈川県横浜市鶴見区仲通3-74-14
時間 11:00~15:00(雑貨は17時まで)
休日 水曜日・木曜日
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼沖縄料理店が多い街
▼沖縄系飲料が揃っている自販機