レッドブルは世界中で愛されているエナジードリンクだ。今回はなんと、中国にて製造されているレッドブルを発見したので試飲をしてみたぞ!
ぶっちゃけ商品名が同じなんだから味もほとんど一緒だろうと高をくくっていたところ……こんなに違うの!?!? なんてビックリしちゃうぐらいに日本のレッドブルとの違いがあったぞ!
っていうか、これでシャキッとやる気は出るのか!? 中国の方、教えて欲しい~!!
・缶の雰囲気はそっくり
用意したのは 左:日本のレッドブル と 右:中国のレッドブル。
実は中国には2種類のレッドブルが流通しているそうで、ひとつは北京で製造されている金色の缶、以前ご紹介した元祖レッドブルとも言えるタイ発祥の栄養ドリンクメーカー『KRATING DAENG』に近いものと思われる。
そしてもう一方が今回試飲する湖北省にて製造されている銀色の缶のレッドブル。購入した店舗では350円(税込)であった。
銀色の缶はブルーを基調としており、日本で販売されているレッドブルとデザインが似ていてほとんど違和感がない。いつものやつ! といった雰囲気だ。
・成分が生ぬるいのだ
ということでまずは有効成分を見てみよう。表記は全て中国語だったため、Google翻訳の力を借りながら読んでいくぞ。
中国のレッドブルに含まれる有効成分は100mlあたり、まずはカフェイン13㎎……
えっ!? カフェイン13㎎!?!?
思わず何度も見直したが、間違いなく「100mlあたり13㎎」と書いてある。
ちなみに日本のレッドブルは32㎎だ。
以前エナジーマンがご紹介したように、アメリカのレッドブルなんて80㎎もカフェインを含有している。そのことからも日本のレッドブルのカフェイン含有量は諸外国と比較して少ないものだとばかり思っていたため、中国が半分以下であることはかなり意外であった。
ということでさっそく飲んでみようと思ってタブを開けようとしたところ、
なるほど。先日飲んだ中国のココナッツドリンクと同様にタブが完全に取り外せるプルタブ式。もしかすると中国ではステイオンタブよりもプルタブの方が一般的なのかもしれない。
こういった異国の様子を想像できるのも飲み比べの面白さなんだよな。
そしてタブの周りをよく見ると、
RED BULL VITAMIN DRINK CO., LTD
レッドブルビタミンドリンクって書いてあるのだ。
あれ? もしかして中国のレッドブルってエナジードリンクっていうよりもビタミンドリンクっていう扱いなんだろうか?
疑問に思って有効成分の中のビタミン類をチェックしてみたところ、ビタミンB6 0.37㎎、ビタミンB12 0.94μgであった。対して日本のレッドブルの方は、ビタミンB6 2.0㎎、ビタミンB2 0.009㎎、ビタミンB12 2.0μg とな。
……。
あれ? 日本の方が多くない?
読めば読むほどに立ち位置がわからなくなってしまったのは気のせいではないだろう……。
・シロップ系の味
タブを開けると、驚くべきことに無音。「プシュッ」という音がしないのだ。
注いでもまったくシュワっとする様子がない。まさかの無炭酸である!
日本のレッドブルと並べて比べるとこの通り。
中国の方が蛍光色っぽい黄色をしていて、なるほどビタミンドリンクっぽいカラーが出ているのではないだろうか。意外と色まで違うもんなんだな。
もちろん日本のレッドブルは炭酸。筆者個人としては、エナジードリンクは炭酸でキリっと締めてこそっていうイメージがあるが、聞くところによるとどうも中国の人は炭酸が得意ではないのだそうだ。
味はと言えば、とにかく甘くてまるでシロップのよう。ジュースのようで美味しいのだがエナジー感は一切感じない。オーストリアのレッドブルよりもタイのKRATING DAENGに近い味と言って良いだろう。
もちろん美味しい。とても美味しいのだが、こんなジュースで元気を出せるのか? 踏ん張れるのか?? と、レッドブル中国法人を問い詰めたい気持ちになったのはきっと筆者だけではないはずだ。
中国ではエナジーが必要とされていないのか、それともひょっとして中国の人々は極端にカフェインに弱かったりするのか。理由はわからないのだが、日本で言うエナジードリンクとはまったくの別物として楽しんだ方が良いのは確実である。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.