浜松の有名なお菓子「あげ潮」。まるたや洋菓子店の銘菓で、地元の人から愛されています。クッキーのようなそうでないような不思議な食感で、レーズンやナッツが入っています。買える場所はまるたやのオンラインショップのほか、楽天市場、都内のアンテナショップ、後述するサービスエリアでも手に入るようです。
こんにちは! 私たちは「デイリーポータルZ」というウェブメディアからやってきた4人組です。日頃は読んで愉快な気分になる読み物を信条に、身近な興奮をもとに素直な記事を作っています。
左から 安藤、小堺、井上、古賀
デイリーポータルZには「推す飯」という人気コーナーがありまして、これはライターが推している食べ物を、てらいない気持ちで参加者にすすめ合う対談企画です。
とくべつその食べ物に詳しくなくても、ただ「これおいしいから食べてみて!」と熱い気持ちを持ち寄ってみんなで一緒に食べては「おいしいね~」と言い合ってます。
今回はそんな「推す飯」がソレドコへ出張! 魅惑の楽天お取り寄せグルメを推し合いました。
デイリーポータルZ 推す飯(楽天お取り寄せグルメ編)
- 第1回:宮城県 金華さばの炙りしめさば
- 第2回:愛媛県 宇和島の鯛めし
- 第3回:大分県 吉野鶏めし
- 第4回:福島県 みそしそ巻
- 第5回:福島県 クリームボックス
- 第6回:静岡県 あげ潮(この記事です)
- 第7回:宮城県 喜久水庵の生クリーム大福
- 第8回:熊本県 いきなり団子
全8回でお送りする、その第6回目はこちら!
デイリーポータルZ 推す飯 楽天お取り寄せグルメ編 登場人物
井上マサキ
生まれも育ちも宮城県。地元で無意識のうちに自動的においしい魚介類やお米を食べていた民。
小堺丸子
生まれも育ちも東京都葛飾区。知らない人と仲良くなるのがめちゃくちゃに得意という特殊能力を生かし、各地でおいしいものにありついてきた旅人。
安藤昌教
愛知県出身。愛知の誇るおやつ「鬼まん」をこよなく愛す。素朴な食べ物を見ると自動的に涙が出る。
古賀及子
東京都出身、神奈川県、埼玉県育ち。各地の郷土料理の大ファン。土地に根付いた食べ物にめっぽう弱い。
「浜松のおじさん」がすすめてくれた
あげ潮、食べたことあります! これはうまいぞ。
お、これ知らないです。
これがあげ潮
はい! 浜松のあげ潮、推したのは私です……が、実は私も食べたことはなくて。だから安藤さんがいてくれてよかった。
任せてくれ。東名高速の浜名湖のサービスエリアに売ってるんですよ。実家の愛知に帰るとき通るからよく買うんです。
推した理由として、エピソードがありまして。浜松旅行で出会った、地元商店街の有名人みたいなおじさんがいるんです。ご縁があって東京に帰ってからも連絡を取りあって、浜松と東京を行き来して会う仲になって。
そんなことあるの……小堺さんは人とつながる力を持ってるんだよな~。
その方が、浜松のお土産ってうなぎパイが有名ですけど、そうじゃなくて自分はこのあげ潮を選ぶんだって言っていたんです。
あのうなぎパイをしのぐ味と。
おじさん、今年の夏に亡くなっちゃって。もう70歳そこそこで引退はしてたんですけど、アパレル関係の仕事の方だったんですよね。これはその人が染めた柿渋染のジャケット。今日着てきました。
70歳くらいなんて、まだお若いのに。ジャケットかっこいい!
今日はやっとあげ潮が食べられてうれしいです! 楽しみ! 安藤さん泣かないでくださいね!
もう泣いてるよ……。
そもそも、これ何だと思います?
(涙をふいて)じゃあ食べたことあるから仕切りますよ。僕はこれずっと大好物ですから。見た目どう思います? 何に見えます? そういう、意外なお菓子なんだよな。
何に見えます?
まず「あげ潮」って名前で、せんべいだと思ったんだけど……違いますね……。
パッケージのデザインがせんべいなんですよね。
商品名とパッケージからすると、しょっぱい味を連想する
古賀さんも、これが何かはまだ知らないんですね。
存在だけは知ってたんです。ずっとおせんべいだと思い込んでた。
「あげ潮」だもんね。「あげ」って言ってるから。でもこれクッキーなんですよね! 私は正体は知ってました。
「果実、木の実のサクサククッキー」と、よく見ればちゃんと書いてある……!
うーん、でもなあ。確かに洋菓子屋の作ってるクッキーということにはなってるんですよ。でもね、食べると食べたことがない食べ物なんだよ。これクッキーじゃない! って最初本当にびっくりした。
せんべいでもクッキーでもない、あげ潮としか言えないもの……。
ちゃんと味を想像してから食べてください
食べていいですか?
いや……ちょっと待って! 不思議な感じを味わってもらいたいからもうちょっと事前にしっかり味を想像してほしい。もっとよく見て。
初体験をめちゃくちゃ演出してくるな……。
近づいてみましょう
ええと……表面はクッキーよりもざらついてる感じがしますね。ザクザクするんじゃないかな。
黒いところがあるじゃん。これ何だと思います?
え、チョコチップじゃないの。
違うんですよ。レーズンなんですよ。
「果実、木の実のサクサククッキー」ってパッケージに書いてありますもんね。木の実というのはくるみか。
これを作ってる「まるたや洋菓子店」というお店自体が有名で、チーズケーキもめちゃめちゃおいしいって。二層になっているらしいです。
食べたさの上に別の食べたさが乗っかってきた!
もういきましょうよ、想像しました、しましたよ。
「クッキーと思うなかれ」ということだけ覚えといてください。では、どうぞ。
「あげ潮です」としか言えない味
(食べる)……あれ? ほんとだ。……なんだ?
ちょっとクッキーとは違いませんか?
ほどけますね。
うん。口の中で分解する。
さらに寄った写真をどうぞ
風味がバターじゃないでしょ。いわゆる洋風のクッキーとは、ちょっと違うんですよね。
ガリガリするけど、レーズンのクニュっとした食感がたまに入ってくる。
しっかりしてるのに不思議と軽いですね。これは進むなあ。ずっと食っちゃうやつだ。
食べたことないでしょ。何だって言われるとあげ潮なんですよ。
これがあげ潮か……。
甘いだけじゃないですね。オレンジピールも入ってる。さわやかな苦味。
そうそう、いろんな味が入ってるのが良いんですよ。
手作り感がすごい。
クッキーじゃない、サブレでもない。
あげ潮なんです。
お菓子の分類の、どこにいるかと言ったらまあクッキーゾーンにはいるんだけど、メインストリームではない。
あげ潮なんですよ。
名前とのギャップ感じますね。
なんであげ潮なんだろう。
あげ潮って名前のお菓子作ったときに普通オレンジピール入れないよね。
レーズンも入れないと思う。山の幸なのに。
あげ潮って満潮のことですもんね。
完全に海属性の名前ですよね。海老せんでもおかしくない。
パッケージの裏に名前の由来書いてありましたよ。「浜松銘菓まるたやの『あげ潮』は、浜名湖に潮が満ちるように、召し上がっていただいた方々の運気が上がることを願って命名いたしました」。
由来、ちゃんと書いてあった!
味とか関係ない。願い。
商品の状態についてじゃなくて、スピリチュアルな意味だったんだ!
「必ず大袋で買ってください」という張り紙
しっかしこれ、おいしい。おいしいですよね。
うん。おいしいおいしい。名前の謎が解明されて一気に味に集中できるようになりましたね。
これは確かに人に勧めたくなるな。食べたことがない。今度浜松行ったら買おう。
秋葉原のガード下にも売ってたんですよ。「必ず大袋で買ってください」って書いてありました。小さい袋だと足りないからって。店もよくわかってるんですよ。
これだったんだ。これを愛したんですね。あのおじさんは。
感慨深いですよね。
この味だったか~。
思い出の味、これからまたいつでも食べられますよ。
おじさんのおかげで私たちも食べられました。今日食べなかったらきっと一生せんべいだと思ってた。
このパッケージで人気の洋菓子店に並んでると思うと意外ですよね。
まるたや行ってみたいですねえ。
ね! 次はお店に行きたいって夢ができました。
はじめて食べたけど、思い出の味
小堺さんに思い出のおすそわけをしてもらった、あげ潮体験でした。さて! デイリーポータルZ 推す飯 楽天お取り寄せグルメ編はまだまだ続きます。次回は宮城県から「喜久水庵 生クリーム大福」をお取り寄せします。
宮城県はスイーツ激戦の地。地元で生まれ育った井上さんがここぞと推す生クリーム大福とは。ご期待ください!
著者:デイリーポータルZ
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デイリーポータルZ 推す飯(楽天お取り寄せグルメ編)
- 第1回:宮城県 金華さばの炙りしめさば
- 第2回:愛媛県 宇和島の鯛めし
- 第3回:大分県 吉野鶏めし
- 第4回:福島県 みそしそ巻
- 第5回:福島県 クリームボックス
- 第6回:静岡県 あげ潮(この記事です)
- 第7回:宮城県 喜久水庵の生クリーム大福
- 第8回:熊本県 いきなり団子
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