B2BにおけるABM施策の最適化と活用

企業間取引(B2B)においては、商品の販売プロセスが非常に複雑で顧客ニーズも多様化してきています。その中で注目を集めているのがABM(アカウント・ベースド・マーケティング)という手法です。

本記事では、B2BビジネスにおけるABM施策をどのように最適化し、活用していくかについて詳しく解説します。具体的なステップや注意点、実践方法をご紹介させていただきます。

ビジネス書としては異例の30万部突破!
書籍『リーダーの仮面』の図説資料
をプレゼント!
リーダーの仮面図解

株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大の執筆した書籍「リーダーの仮面」は、結果の出せるリーダーになるために必要なテクニックをまとめたリーダーシップ本の決定版!

優れたマネージャーに、才能・人間力・経歴は一切必要ありません!

誰でも実践できるマネジメントの原理原則PDF17ページにググっと凝縮!

ぜひ、DL頂き、皆さまの日々のマネジメントに生かしてください!

ABMとは?

ABMとはAccount Baased Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)の略で特定の企業(アカウント)に対して、ターゲットを絞り込んだアプローチを行うマーケティング手法です  。

従来のマーケティング手法が広範囲にわたる見込み客(リード)を対象にするのに対して、ABMは「絞り込んだ企業に対して特化した施策」を実行します。

ABMには以下のような特徴があります。

①:ターゲット企業に特化したアプローチ

ABMは特定の企業や意思決定者に焦点を当て、これらに対して個別化されたマーケティング活動を行います。

たとえば、同じ業界であっても、企業ごとに抱えている課題やニーズは異なるため、アプローチの方法も異なります。

➁:営業とマーケティングの強力な連携

ABMは営業とマーケティングが一体となって戦略を進める必要があります。

営業がターゲット企業に対して深い理解を持ち、マーケティングはそれをサポートする形でパーソナライズ(個別最適化)されたコンテンツを提供します。これにより、営業とマーケティングが一貫したメッセージを提供でき、成果が出やすくなります。

③:ROIの最大化

リソースを少数のターゲット企業に集中するため、ROI(投資対効果)の最大化が可能です。特に高単価の商品やサービスを扱う企業にとっては、少数の顧客を深く理解し、継続的に関係を築いていくことが非常に重要です。

ABMを導入することによって、企業は「量より質」のアプローチを取ることができ、効率的に成果を上げられるようになります。たとえば、特定の企業の経営層に対してカスタマイズされたコンテンツを訴求することで、ROIの最大化を目指します。

ABMが適している企業とその理由

ABMはどんな企業でも適用できるわけではなく、特に以下のような企業に向いています。

①:高単価商材を扱う企業

ABMは、商材が高単価である場合や単価が高い場合に効果的です。

なぜなら、高単価の商品やサービスは、通常、購入の決定に時間がかかり、複数の意思決定者が関与するからです。たとえば、ITシステムや企業向けソフトウェア、製造機器などでは、複数の部門がその購入を決定します。

これに対して、ABMを使うことで、ターゲット企業の意思決定者に直接アプローチし、深い関係を築くことができます。

➁:営業リソースが限られてる企業

営業リソースが限られている中で多くの見込み客を追いかけるのは非常に効率が悪くなります。ABMではリソースを特定のターゲット企業に集中させるため、効率よく成果を得られます。

③:複雑な購買プロセスを持つ企業

B2Bでは、顧客が購買決定を行う際に複数の部門や担当者が関与することが一般的です。

ABMでは、ターゲットとなる企業の意思決定者を明確にし、そのニーズに合ったアプローチを取ることが可能です。これにより、購入プロセスを円滑に進めることができます。

ABM戦略の進め方

ABM戦略を成功させるためには、計画的にステップを進めていくことが重要です。以下のステップに従って、ABMを実施していきましょう。

ステップ1. ターゲットアカウントの選定

最初のステップは、どの企業をターゲットにするかを決定することです。ターゲット企業の選定には以下の要素を考慮します。

・企業規模:大企業に特化するのか、高収益の中小企業に特化するのか

・業界:自社の製品・サービスがどの業界で最も効果的か

・過去の取引履歴:既存顧客にフォーカスする場合、その顧客が再度取引をする可能性が高いかを見極めます。

ターゲット企業を選定する際は、アカウントスコアリングを用いて優先度をつけて、リソースを集中させます。

ステップ2. カスタマージャーニーの作成

顧客がどのようなプロセスを経て製品やサービスを購入するのかを理解することが重要です。

購入プロセスは一般的に認知、興味関心、比較検討、評価、購買の5段階に分かれます。最近ではAIDMAやAISASなどの購買決定プロセスのフレームワークがあるため、自社の商品やサービスにとって一番最適なフレームワークで考えてみるのも良いでしょう。

これを基に各段階におけるアクションを設計します。たとえば、認知段階では、まずはターゲットに興味を持ってもらうための情報を発信し、比較検討段階では、価格表や自社の強みなど顧客の購買決定プロセスに合わせて適切なチャネルで適切なコンテンツを配信していくことが大切です。

ステップ3. コンテンツとチャネルの決定

ターゲット企業に適したコンテンツを作成し、それを配信するチャネルを決定します。以下のようなコンテンツが有効です。

・ホワイトペーパー:業界課題や解決策を深堀りした専門的な資料

・ケーススタディ:自社製品を導入した成功事例

・ウェビナー:顧客の問題解決に向けた専門的なオンラインセミナー

また、チャネルとしては、Webサイト、Web広告、メルマガ、SNS、動画コンテンツ、展示会などを活用します。

ステップ4. アプローチの実施と効果測定

実施した施策の効果を測定し、改善策を立てることが重要です。ABMではKPI(重要業績評価指標)を設定し、進捗を評価します。たとえば、ターゲット企業とのミーティング回数や商談化率、成約率などが指標となります。定期的にレビューを行い、施策の改善に取り組みます。

ABM施策の具体例

ABMを実践する際には、具体的な施策を取り入れることが重要です。いくつかの例を紹介します。

(1)コンテンツ施策

・ホワイトペーパーの配布:ターゲット企業の業界や課題に関連したホワイトペーパーを提供し、見込み客(リード)を獲得します。成果報酬型のペイドメディアに掲載するのも良いでしょう。

・ウェビナーの実施:リアルタイムで顧客に価値のある情報を提供し、商談創出に繋げます。リアルタイムで参加できない方向けにアーカイブ配信も準備しておくと商談につながる可能性が高まります。

(2)タッチポイント施策

・パーソナライズされたメルマガ:ハウスリストのターゲット企業に合わせた、個別最適化されたメルマガを送信します。

・広告:Google広告やFacebookなどのSNS広告を活用し、ターゲット企業にアプローチします。

(3)リードナーチャリング施策

・定期的なフォローアップ:営業と連携して、ターゲット企業との関係を深め、次のステップへ進めるようにサポートします。

ABM戦略・施策で注意すべきポイント

ABM施策を実行する際、いくつかの注意点があります。

優先順位の設定

全てのターゲット企業に均等にリソースを割り当てるのではなく、優先順位を設定して効果的にアプローチします。

営業とマーケティングの連携

営業とマーケティングの連携を強化し、効果的なコミュニケーションを維持することが成功のカギです。

ツールの活用

ABM施策の効果を最大化するために、HubSpotやSalesforceなどのツールを用いることでターゲットの動向をリアルタイムで追い、施策を最適化することが可能です。

記事のまとめ

ABMは、ターゲット企業に対して深い関係を築くための手法です。

この記事でしょうかいしたステップを参考に、自社に最適なABM戦略を立てて実行していくことで、効率的に営業とマーケティング活動を進め、ROIを最大化できます。自社のみで行っていくことが難しい場合は弊社にご相談いただけますと幸いです。

文責:識学 岸

書籍『数値化の鬼』の要約解説図をプレゼント!
書籍『数値化の鬼』図解要約資料

株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大の執筆した書籍『数値化の鬼』が、なんと発売後 約1か月で12万部を突破しました!

この感謝を皆様にも還元すべく、株式会社識学では、『数値化の鬼』の図解解説資料を作成いたしました!

一度書籍をお読みになった方も、まだお手元にない方もどなたでも満足いただける完成度となっています!

眺めるもヨシ、印刷して目の付くところに飾るもヨシ、使い方は自由自在!

是非、こちらからDLしてくださいね!

関連コラム