エジプトで王家の墓を発見、「トトメス2世」のものだと断定
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エジプトで、長らく発見されてこなかった、古代王家の墓が発見された。
トトメス2世の墓と断定
エジプトの観光考古省は2月18日、100年以上も見つかっていなかった王家の墓を発見したと明らかにした。
観光考古省によれば、エジプトとイギリスの合同考古学調査団が、エジプト中部のルクソール市近郊、ナイル川西岸にあるテーベの丘で墓を発見したという。
この墓は、第18王朝第4代のファラオであるトトメス2世のものと断定され、紀元前15世紀頃まで遡る失われた王家の墓の中でも、最後のものになるそうだ。
エジプトで王家の墓が発見されるのは、1922年にツタンカーメン王の墓が発見されて以来、初めてとなる。
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当初は王の妻の墓と思われていた
観光考古省によれば、研究チームはすでに2022年10月に、墓の入口とメインの通路を発見していたという。
当初、この墓は、約3500年前にエジプトを代々統治した、王の妻の1人の墓であると考えられていたそうだ。
しかし考古学的証拠により、最終的にこの墓が紀元前1479年頃に亡くなった、トトメス2世のものであることが証明された。
トトメス2世は30歳前後で死亡
トトメス2世の治世は比較的短く、研究者らは5年未満と推定している。またトトメス2世は異母妹のハトシェプストと結婚し、ハトシェプストは夫の背後で実権を握っていたと考えられている。
研究によると、トトメス2世は病弱で、30歳前後で亡くなり、その後ハトシェプストは夫の後継者であるトトメス3世の統治から数年後に、自らファラオに即位したという。
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王の死後、墓が洪水に見舞われる
今回、発見された墓の内部は損傷し、劣悪な状態だったとされ、これは王の死後に洪水が起き、墓が水浸しになったからと考えられている。
このため研究チームは、落ちた石膏の破片を回収し、大規模な修復作業を余儀なくされたそうだ。
墓には王と王妃の名前が刻まれた「アラバスター製の壺」の破片や、王の副葬品などが残されていたが、予備調査では、墓に元々あった物は、洪水後に別の場所に移されたことが示唆されたという。
またトトメス2世のミイラは1881年に、「Al-Deir El-Bahari」という場所の隠し部屋で発見されており、財宝を狙った盗掘者によって運ばれたと考えられている。(了)
出典元:ABC News:Egypt discovers first royal tomb in over 100 years(2/20)