【★3.5】クエ鍋【2895】 : 刺身和食 旭屋

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東京から茨城県に来ております。

クエ鍋を求めて同店（3.48）へ。
福江島（長崎県の五島列島の1つ）の佐藤さんから直接届く、
1尾（約2.0kg）丸ごとのクエを鍋に仕立て、鍋1つ18,980円（内税）という値付けに。

クエ鍋は2日前までの予約制。
他店であれば9～10人前のボリューム、お店の推奨は5～6人での利用。
この日は4人で挑むことにしました。

駐車所に車を置いて、テーブル席と座敷（板張りに座卓と座布団）、計90席という店内へ。
50年ぐらいの歴史を誇る老舗とのこと。
卓上に、使い捨て紙おしぼり、紙ナプキン、割り箸、ソース、醤油、唐辛子、芥子、爪楊枝。
お手洗い女性用は店内に在るのですが男性用は店外の公衆便所のような建物。
実際に内部も公園の古い公衆便所といった装いで小用と和式が複数用意されています。

生ビール（780円）キリン ハートランド ジョッキ
クエ鍋（18,980円）
刺身盛り合わせ（4人前 11,000円）
さくさくアジフライ 身厚特大（500円）
仙鳳趾産殻付き牡蠣（600円）

食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点、表示価格は内税です

【3.5】クエ鍋（18,980円）

骨ごとブツ切りにした2.0kgサイズのクエ1尾ということで鍋を持つとズッシリ重いです。
肝はスープに溶いており、胃袋などの内臓も洗浄してから入れているそう。
スープの味付けベースは味噌との説明ですが穏やかな薄味。
椎茸、エノキ、しめじ、白菜、春菊、長葱といった鍋野菜も。

2.0kgと4人で食べるには何ともボリューミーなクエですがクエの中では小振りサイズ。
魚の扱いに長けたプロの料理人からクエは20kg以上が美味しいと伺ったことあるのですが、
確かに高級店が扱うようなクエに比べると旨味淡白で苦味や雑味を感じる部分もございました。

とはいえファミレスのようなロードサイド店舗で食べられる白身魚としては十分な美味しさ。
魚の美味しさは資本主義なので東京の高級店に敵うことはないのですが、
（例外として地魚であれば東京に勝てることもあるのですが同店のクエは長崎産です）
18,980円、1人あたり4,745円、都心ではまず出会えないであろう安価なのは好印象。

どぶ汁（アンコウ鍋）のほうが茨城県らしさを感じますし美味しいとも思うのですが、
県北の郷土料理ですし茨城県で長崎県のクエを食べることが悪いわけでもございません。
トラフグほど良い出汁は出ませんが、クエ出汁の味噌スープなかなか良かったです。
（オプションで稲庭うどんを入れることも可能なのですがスープそのまま完飲。）

【3.3】刺身盛り合わせ（4人前 11,000円）

1.本鮪大トロ【3.2】
2.壱岐一本釣りサワラ【3.5】
3.根室直送新サンマ【3.6】
4.羅臼直送オホーツク秋ブリ【3.5】
5.知床直送サクラマス【2.5】

いずれも1人あたり2切れずつ（ブリは生1切れ炙り1切れ）サンマだけ1尾。
薬味のわさびは混ぜ物。
本鮪が灰色のように変色しておりコンディションに疑問を抱くところでしょうか。
それなりに脂が乗っており回転寿司で食べるような鮪よりは全然良いのですが、
都内でお気に入りの大衆寿司で食べるような本鮪に比べると味も色も見劣りました。

サワラ、サンマ、ブリは、いずれも脂ノリ良くて好印象。
この日に同店で食べた魚介のTOP3といった美味しさ（クエは美味しさよりCPで評価）。
特に根室から直接仕入れているというサンマが気に入りました。

サクラマスだけ水っぽくて非常にイマイチ。
寄生虫の問題があるので高級店では凍結処理してから提供するサクラマス。
同店もそうなのか分かりませんが解凍に課題を残しての水っぽさでしょうか。
サクラマスを福岡県の某高級鮨店で食べたときは本鮪より美味しかったので、
産地、時期、個体、処理、そういった要素で味が大きく変わるのだと痛感。

【3.2】さくさくアジフライ 身厚特大（500円）

「身厚特大」と謳うだけあって大振りフワフワしているのですが少し臭み。
アジフライをスペシャリテにしているような東京の居酒屋に比べると揚げの技術に物足りなさも。

【3.1】仙鳳趾産殻付き牡蠣（600円）

真牡蠣の最高ブランド産地と思っている仙鳳趾（昆布森）。
クリーミーで濃厚な味わいに特長あるはずなのですが水っぽさが気になりました。
牡蠣が纏う海水を水で洗い流してから提供しているのでしょうか。
レモンを絞ったりポン酢を掛けるほうが本領発揮となるように思ってしまいました。

五島列島のクエ、知床のサクラマス、仙鳳趾の真牡蠣。
産地だけであれば東京の高級店と同じなのですが美味しさは高級店のほうが上という感想に。
やはり魚介の美味しさは産地以外の要素にも左右されるということでしょう。