ワインがすすむ料理が美味しい…『Monte Bocca』 : モンテボッカ

山口浩一オーナーシェフが腕を揮われる『Monte Bocca』さんへ寄せていただきました｡『Monte』はイタリア語で『山』､『Bocca』は『口』ですから『山口』さんの店ということはイタリア語を少し齧った方ですと店名の由来はすぐに分るかと思われます｡店は盛岡の中心街の入口に面する大通り郵便局の2Fというナニコレ珍百景的なちょっと珍しいロケーション｡店へのアプローチは螺旋状の階段を上るか直通のエレベーターを利用するかのいずれかで防犯上からでしょうか建物の裏手に設置されており道路沿いからは見えないような配慮がされています｡2Fへと上がり検温と手指の消毒を経て店内へ｡オープンキッチン正面のテーブル席に席を取らせていただきアペリティーヴォ(Aperitivo)にはシチリアの風を感じるビール『メッシーナ(MESSINA)』で先ずは渇いた喉を潤し料理は三者択一のストゥッツイキーノ(Stuzzichino)の中から『柿(ｶｷ)』とパルマ産の『プロシュット(Prosciutto)』を選びいただきました｡そして大好きな『ブッラータ(Burrata)』と『アンチョビ(Acciuga)』のブルスケッタ(Bruschetta)を片手にポルトガルワインの白『Vento'Z Loureiro』をいただいているところに偶然にも友人が階段を上ってこられるのを目にし合流｡個人的に最近ハマっているスペイン料理の『チョリソー(Chorizo)』の『フラメンカエッグ(Huevos a la flamenca)』に『カリフラワーのフリットの生ハムのせ』､『トリッパのトマト煮込み』に『ラザーニャ(Lasagna)』とともにワイングラスを2～3杯傾け大いに語り合い楽しませていただきました｡『フラメンカエッグ(Huevos a la flamenca)』はフラメンコダンサーが語源とされトマトと野菜を半熟卵に絡めていただくというものですが『MONTE BOCCA』さんのソレはスペイン産の辛い『Chorizo(ﾁｮﾘｿｰ)』と『Pisello(ｸﾞﾘﾝﾋﾟｰｽ)』と『Pomodoro(ﾄﾏﾄ)』のピリ辛味を玉子に絡めていただくもので後を惹く味わいでした｡『カリフラワーのフリット生ハムのせ』はイタリアでは手っ取り早くお腹を一杯に出来るお馴染みの一品『Cavolfiori(ｶﾘﾌﾗﾜｰ)』を油で揚げた熱々のフリット(Fritto)に原木から薄く削った生ハム(Prosciutto)で包みこんだSpiedino(ｽﾋﾟｴﾃﾞｨｰﾉ)スタイル｡フリットをプロシュットの塩味で味わうという理に適った美味しい一品です｡そして『トリッパのトマト煮込み』といえば日本ではパルミジャーノを入れるフィレンツェ風(Trippa alla fiorentina)とミントを入れるローマ風(Trippa alla romana)の2つに分別されがちですがに有名ですがイタリア全土では地域によっていろいろなレシピで作られるトリッパのトマト煮込みが存在します｡日本でいうところの煮物料理と意味合いは同じであり色々なトマト煮込みがあります｡『MONTE BOCCA』さんで供されたソレは白インゲン豆(Fagioli)を一緒に煮込んだ『Trippa con fagiolo(ﾄﾘｯﾊﾟ ｺﾝ ﾌｧｼﾞｮｰﾛ)』でした｡トリッパと豆はとても相性が良くとろっとろに煮込まれたトリッパとホクッとした白インゲン豆の食感のコントラストも妙味でした｡一方の『ラザーニャ(Lasagna)』は赤ワインでじっくりと煮込まれた牛の粗挽き肉の『ボロネーゼ(Ragu alla Bolognese)』と『リコッタ(Ricotta)』で作られたもの｡手打ちの生パスタの生地ではなくラザニアシート(Lasagne Sheets)を使い作られたものでした｡シートとラグーが5層ぐらいに交互に重ねられ仕上げにモッツァレラ(Mozzarella)とパルミジャーノ･レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)の2種類のチーズを使いしっかり焼かれたものでした｡ボロネーゼ自体に余計なものが加えられていない分､甘み等はなく美味しいオトナの味わいでワインとの相性がとても良く感じました｡いただいた料理はいづれも美味しくワインもリスト外のものも開けてくれたり山口オーナーシェフの近過ぎず遠からずの絶妙な距離感の接客もとても好感が持てました｡話に夢中になり過ぎて今回はパスタをいただき損ねてしまいましたので次回はパスタをいただきに寄せていただきます｡尚､とても人気のある店でありコロナ禍の中､座席数を半分に間引きしソーシャルディスタンスを充分に確保し営業されていることから『事前予約』は必須かと思われます｡