軽井沢の森の中にある至福のフレンチ : エルミタージュ ドゥ タムラ

　せっかく軽井沢に来たのだから、贅沢してでも美味しい料理を食べたくて、検索して見つけたお店です。食べログの2023年フレンチ百名店でもあります。
　22000円(税・サなし)(計算上は税・サ込で26620円)のコースのみで、完全予約制です。
　お店は森の中に佇む一軒家としてあります。夜にお店に向かえば、街灯もほとんどないような場所にお店の明かりが輝いています。
　予約時間に着いたら、ドアから店員さんが出て来て迎えてくれました。店の中から到着を待っていたようです。
　ドリンクメニューにはペアリングワインがあり、17500～25000円と書かれていました。一人で来てますのでボトルで入れるのは難しいですし、むしろペアリングワインがある方が嬉しいので迷わず注文しました。

◯シャンパーニュ

●アミューズ (人参のコルネ・カミナリイカのゼッポリーニ・カモミールの3種3皿)
⚫︎人参のコルネ
　手でつまんで頂きます。人参のコルネはサクサクしたコルネのなかに人参のペーストが入ってます。人参の風味は強くなく、言われないと人参と気づかないかも。
⚫︎カミナリイカのゼッポリーニ
　ゼッポリーニはピザと同じ生地を使って作っています。温かい土台に生のカミナリイカが不思議に旨く、ハーブの香りが爽やかです。

◯カクテル
　カモミールに合わせたカクテルを用意してくれました。
⚫︎カモミール
　パン生地にカモミールのエキスを練りこんで焼き上げています。自家製のリコッタクリームと蜂蜜を添えてあって、サクサクの土台に暖かいチーズ風味がたまりません。

◯北イタリア　ピエモンテの白

●無農薬新玉ねぎ
⚫︎低温調理した新玉葱をソースにした冷製カッペリーニ
　玉ねぎ特有の香りが爽やかなソースとなっているカッペリーニは、ふんだんに盛られたキャビアの塩味が絶妙。
⚫︎新玉ねぎのムース(?)に焦し玉ねぎとワインビネガーのソース
　プルプルの玉ねぎ味のムースに上に乗っている野菜の苦味が鮮烈に感じられて、焦し新玉ねぎとワインビネガーのソースが旨味を追加しています。
⚫︎新玉ねぎと生ハムのタルティーヌ
　生ハムの下に新玉葱とバター、一番下にはカリカリのパン。生ハムにバターのコクがあわさり、新玉ねぎの風味が気持ちよく、それにカリカリのパンが全てをまとめています。
　
　新玉葱料理は3つ来るサプライズでした。それを知らず一皿目でワインを飲み切ってしまい、追加して注いでもらいました。

◯岩清水　EARTH2022 生原酒　袋吊り

●天竜川泳ぎ稚鮎
　天竜川の地下水で養殖された稚鮎を使った料理で、3匹の鮎はソースがちょっとずつ違っているので手前から食べて欲しいとのこと。
　手前はプレーンで何もないもの。真ん中はあさつきとカボスのソースで、このソースは絶品です。一番奥は柚子胡椒のソースで、これもまたたまりません。それぞれ良さがあり、どれも美味しく優劣つけるのは困難です。
　カリカリに揚げられた温かい稚鮎は、しっかりと鮎独特の苦味もあってたまりません。付け合わせの野菜(おかひじき)もまた秀逸。鮎にペアリングされた日本酒がベストマッチです。この鮎の内蔵の苦味にはワインよりも日本酒が合うと自分も思います。

◯フランスの白

●三浦産金目鯛
　野菜の旨味の溢れるソースはバターの味わいでコクがたされ、金目鯛を美味しく食べさせてくれます。付け合わせの野菜(アーティチョーク)も美味です。

◯フランスローヌの赤　グルナッシュ主体

●信州山麓牛のロース　又は　フランスシストロン産子羊
　最初に牛か羊かを最初に選択するように求められたので、迷いましたが子羊を注文していました。
　子羊は骨の付いた背肉で、付け合わせはグリーンアスパラです。子羊に全く臭みはなく、むしろラムの旨みが溢れます。やわらかく焼かれていて、アスパラとの相性も最高です。

●サラダ
　ルッコラ、菜の花などをお店のオリジナルソースで。

●デザート　木の芽の香りをつけたパンナコッタ
　中に完熟マンゴーとパイナップルとパッションフルーツが入っていて、キャラメリゼしたソースも含まれています。

◯デザートワイン　(追加注文)
　お勧めされたので頼みました。

●デザート　キウイフルーツと松の香
　求肥が入ってるので柔らかな伸びる食感にキウイの爽やかな香りが口内に広がります。松の実がアクセントです。

◯ハーブティー
カモミール、ミント、レモングラスなど。

●茶菓子

　こんな森の中に、と言ったら失礼なのはわかっていますが、そう言わざるを得ないお店のロケーションです。但し本当の田舎の森の中ではなく軽井沢という土地だから成り立つのかもしれません。いずれにせよ素晴らしい料理のオンパレードなので、誰もがわざわざ食べに来るのでしょうから、お店がどこにあっても問題ないのでしょう。
　コースとペアリングワインの値段からは、総額5万円を僅かに超える価格となりましたが勿論納得ですし、むしろそれだけの料理とワインとサービスであることは間違いありません。
　料理はそれそれぞれが洗練されていて、唯一無二のものばかりです。ペアリングワインも素晴らしく、鮎の内蔵の苦味に合わされた日本酒は秀逸でしょう。流石としか言えません。
　ご馳走様でした、本当に美味しい料理を堪能させてもらいました。