【軽井沢でピクニック？】 : エネコ軽井澤

東京六本木にも店があるが、今年の夏は休業して、料理長も軽井沢に来て腕を振る舞う「エネコ軽井澤」を訪問。

東京同様、コンセプトはピクニック。店に入りしばらく着席してウェイティングの後、別の部屋に案内され、扉を開くとピクニックバスケットが置かれている。
蓋を開けると中にはピクニック気分で楽しく味わえるアミューズが3種類。

それに合わせて食前酒をいただく。相方はスペインのバスク地方ではポピュラーな「チャコリ（＝微発泡ワイン）」を所望していたが、僕は車の運転があるのでノンアルを希望して「レモングラスの緑茶」が食前の飲み物で出される。

①「ブリオッシュの中に鰻、アンチョビペーストが入る」…ミニサイズだがちゃんと味わい深く美味。

②「ホワイトアスパラガスのメレンゲ」…中にはホワイトアスパラガスのエマルジョン（＝液体）。上にはホワイトアスパラガスのパウダーが掛かっている。

③「外はチョコレート、中にはパッションフルーツ、とここでもバスク地方の微発砲ワインのチャコリが入った一品」…見た目も赤くて鮮やか。
酸味と甘みが美味。3品とも立って食べたが、確かに普段と違う雰囲気で楽しく美味しく食べられる。

食べ終わったところで、次の部屋（メインダイニング）に案内され、着席。

ここでもドリンクは僕はノンアルコールビールの「ドライゼロ（税込880円）」をオーダー。相方は「グラスシャンパン（税込1500円）」をオーダー。

前菜の前に、この店のシグネチャー料理である「有機卵とトリュフ（＋税込1650円）」と生ハムの「スペインの至宝ホセリート（＋税込2750円）」も注文してしまった。

元々ランチコースの値段は税込8800円＋サービス10%と抑え気味ではあるのだが、これはなるほどついつい頼まざるを得ない納得出来るアップセリングシステム。

その「有機卵とトリュフ」をシェフ自らが作る過程を見せるゲリドンサービスがテーブル横で始まる。
玉子の黄身を注射器で幾分抜き、その抜いた分にトリュフソースを注入。
味は想定内ではあるが、見せ方が上手くてワクワクする。

この後、前菜3品が出てくるようで、まずは
「パン・コン・トマテ」…軽井沢らしく人気パン屋さんのSAWAMURAのバケットの上にミニトマト数種類が乗り、バジルのソースで味をつけたモノ。普段食べるようなトマトを塗りつけたパン・コン・トマテと違って上品なパン・コン・トマテ。トマトの甘み、バケットのカリカリ感の食感も美味。

続いての前菜は「ビーツのタルタル」…約2時間じっくりオーブンで焼いたモノ。そのお陰でいい感じの甘みが出ている。上に乗るキャビアに見える（僕にはイクラに見えたが…）モノはオリーブオイルで作ったフェイク。手間がこんなにかかっているのに数秒で食べてしまって申し訳ない気持ちになる。有り難く美味しくいただきました。

さらにもう一品前菜が続く。「エリンギの蕎麦」…エネコシェフが日本に来て蕎麦を食べて感銘を受けてエリンギを使って蕎麦に見立てて作ったインスパイア料理。エリンギを細く切り（細さはほうとうくらいあるけど）、味付けは醤油や味醂を使って和風に仕上げている。エリンギに紛れて中にパリッとした食感のガーリックチップが入っていて、これがとても風味にも味にも効果的。和風だからか全体に優しくホッとする味で美味しい。

…？あれ？後から来た僕らの隣の席ではシグネチャー料理の「生ハム」が前菜の前に出て来ている…。
どうやらオーダーが入っていなかったようで、ここで改めて提供してもらう。

…この「ホセリート社の生ハム」…スペインで1860年から120年以上、6代も続く老舗ホセリート社の最高級生ハムの4年熟成モノをいただく。…塩っ気も適度で脂も含めてとても美味しい。高貴な味って感じ。なんだろ、気分上がるな。

メイン料理が運ばれてくる。元々4つのメニューからひとつ選ぶ。
①「北陸からの魚介料理」…今日は佐渡島から真鯛が届いているそうで、相方はこれをオーダー。基本塩味でそこにオリーブオイルを掛けていただく。少しシェアしてもらい食べたが、肉厚で旨味のある真鯛でそれ故にシンプルな味付けである事が素材を活かしている。

僕はこの鳥料理を選択…②「真田丸」…上田市で生産されている高級地鶏の真田丸のグリル。…肉質も柔らかく旨味も濃い。グリルしただけのキャベツも口直しに良い甘さがある。

その他、③仔羊、④＋2200円で信州和牛がチョイスできる。

お米料理が〆に出てくる。
お米料理？…スペインだからパエリア？と思っていたら少し違って、お米のオーブン焼きを意味する『アロス・アル・オルノ』らしい。パエリアよりも幾分水分の多い料理。
北軽井沢にあるキノコ農園の舞茸等をふんだんに使ったモノで、きのこのエマルジョンもちょこちょこ乗っている。黄色いものは小さく刻んだパプリカ。食感と共に甘みを出してくれている。トータルで結構美味しいお米料理になっていて、また食べに来たくなるクセになりそうな味。

デザートは「トリハ」…初耳のトリハはスペイン風のフレンチトーストとサービスの方から説明があったが食べてみると僕的にはクレームブリュレのパン版って印象。表面はザラザラ食感もありつつ甘い。レモンと柑橘のアイスクリーム。これは口の中をサッパリさせてくれるので、トリハと交互に食べると口直し、アクセントとして良い。
最後のフィニッシュにはアイスを食べて、口の中がスッキリさせると良い。

飲み物はコーヒー、紅茶、ハーブティーの中からいつも通りコーヒーをチョイス。…濃いめで気持ちエスプレッソの少し薄いくらいのイメージだが、美味しくいただいた。

この日は結婚式とその後の食事会もこのスペースで執り行われており祝福ムードも店内にあり、僕らもピクニック＆人様のウェイティングで気持ちの良い空間を味わえた。料理ももちろん美味しくいただき、今日は良い日。

誕生日やら何かのお祝いだったり、ハレの日に来ると良い感じのお店。
楽しく美味しいから、また、来る機会もありそうだな。

※ワンちゃん連れは別のスペースで食事可能。