身体の芯に話しかけるアジアン薬膳 : アジアンテーブル モンカイ

久しぶりのモンカイ。軽井沢に来ると行きたいお店が多すぎて選択に迷うが、今回は同行する知人夫婦が希望されたので予約をして伺った。


事前に電話にてディナーのBコースをお願いしておいた。店に着くと既に先客が火鍋を召し上がっていて、ワンオペの店主は厨房で忙しく動き回っているので、一声かけて席を確認。ワンオペのお店はこの辺りのやり取りを承知しておく必要があるものだ。


モンカイさんは朝はお粥、昼はランチのコース料理、夜はフカヒレなども出される高級中華になるのだが、雰囲気はアットホーム。

個性的なシェフは香港で修業をし、「南青山エッセンス」からエクシブ軽井沢「翆陽」の中華などを経て現在のご自分の店をされている。


さてこの日のBコース（7,000円）は下記の通り。

⚫︎信州菅平の単角牛　八角煮

⚫︎小鉢

⚫︎信州野菜サラダ

⚫︎自家製点心３種

⚫︎お魚料理：能登半島の鰤と大エビのチリソース

⚫︎お肉料理：ヒレ肉を使った酢豚

⚫︎ご飯or薬膳粥（+500円）

⚫︎デザート2種盛り


一品一品説明をして頂いたのだが、話に夢中になって素材や味付けの詳細を失念してしまった。しかし、こちらの店は無化調に徹底的に拘り、何が身体にいいのかを研究し尽くしていらっしゃるので、100%シェフに委ねる気持ちになる。


初めに供されたのは単角牛の八角煮。ドリンクとほぼ同時に牛肉料理が出たのには驚いたが、やはり味は確かだ。少し甘い味付けに八角の香り。牛肉自体はほとんどコーンビーフの如くほぐれる柔らかさ。いきなり白いご飯で食べたくなる味付け。


次に小鉢とサラダ、自家製点心3種が一つの盆に乗せられてやってくる。

小鉢はカボチャのつぶしたペーストのような食感。見た目はマスタードと間違えそう。

サラダは新鮮な野菜に和風系の少し酸味の効いたドレッシングで仕上がっている。色々なものが混ざっているが、どれも身体に良さそうなモノで安心していただける。

点心３種は春巻きが２種に海老の蒸し餃子風のものと、どれも熱々で美味しい。夫々ほど良い味付けが施されているが自家製の豆板醤や魚醤など４種の調味料が少しづつつけて味変を楽しめる。実はこのシェフ特性の調味料が大変美味しいので、買って帰られる方も多いのだそう。


次はお魚料理。この日は能登半島の鰤と大海老のチリソース。僅かではあるが能登の震災に貢献できたのかと思うと有難いメニュー構成だ。

鰤は身も厚く脂が乗っていて食べ応えがある。チリソースも海老もいい味だった。


お肉料理は豚のひれ肉を使った「酢豚」。柔らかくて甘みがあり、味付けが丁度いい塩梅で一気にいただいてしまった。この時点で腹９分目に達してくるほど、一品一品の量が多いのも特徴。次回は少し減らし気味でお願いしよう。


料理の締めはご飯かお粥。名物がお粥なので、迷わずにお粥を選択。例の自家製調味料を少しづつ付けては楽しむのである。


最後にデザート。シェフ一番のお勧めなのが、日本で一番美味しいと自負される「薬膳杏仁豆腐（＋550円）」に本来デフォルトでついてくる蒸しあんまんの２種。こちらの杏仁豆腐は元々薬膳料理の一種であり、杏の種の核を丁寧に取り出し、擂り粉木で根気よく粉にして作っている手づくりのものだそう。白キクラゲが上に乗り、甘さも優しく絶品デザート。過去に食した杏仁豆腐の中でもトップクラスの味だと思う。


とにかく胃腸に負担のかからない優しい料理であることは確かで、シェフ曰く、「絶対に胃もたれする人はいません」とのこと。


美味しい中華料理が不毛なエリアではあるので、ご興味のある方はどうぞ。

浜松ご出身のご主人は御殿場の名鉄菜館、青山のエッセンス、香港のフォーシーズンズホテル、軽井沢のエクシブなどで研鑽を積み、中華不毛の地である軽井沢に挑んだそうだ。

身体に優しいアジア料理を無化調で提供してくれる。一つひとつの料理と素材に関してのこだわり様は脱帽ものだ。
朝は7:00〜、昼は11:30〜、夜は17:30〜20:00までと働き者の店主がワンオペで対応してくれる。

夜のメニューは大きく分けて２種類。
◾️Aコース御膳（¥4,300）
・アミューズ
・小鉢
・信州野菜サラダ
・自家製点心2種
・お魚料理
・お肉料理
・ライスor薬膳粥（+500）
・スープ
・デザート

◾️Bコース御膳（¥6,000）

・アミューズ
・小鉢
・信州野菜サラダ
・自家製点心3種
・お魚料理
・お肉料理
・ライスor薬膳粥（+500）
・気仙沼産フカヒレスープ
・デザート2種盛り
　
違いは点心の数とスープがフカヒレか否か、魚料理と肉料理は比較してないので不明ですが、Bコース御膳はかなりお得なセッティング。

さてこの日はアミューズに「鹿の心臓　少しピリ辛のグワイエソース」が食べられた。初体験だし想像もつかない料理に驚かされた。肉類の中でも特に栄養価が優れていると言われる鹿肉は、高たんぱく、低脂肪、低カロリー、低コレステロールのヘルシーな食材だそうで、大変稀少な部位をいただけて感謝です。

その他、点心も一つひとつが丁寧な仕事がされていて米粒一つから全て美味しい料理。魚了解は富山産のブリを香港風の蒸しもので一切の化学調味料を使わずに作ってるたの説明をいただきました。
この日のスープは山で採れたキノコと小さいがふかひれの姿煮が入ったスープ。贅沢させてもらいました。
肉料理は豚肉の所謂トンポーロー。肉の原型はあるけど箸を当てただけでホロっとくるまで柔らかく煮込んだ豚肉は絶品。
デザートの薔薇のゼリーとかぼちゃの中華風饅頭（正確な名前を失念しました）
薔薇の香りのゼリーは驚き。でも違和感なく美味しくいただけます。

食べきれないほどのおかずとお食事。白いご飯（これも絶品）はおかわり自由と、大食漢の方には嬉しいサービスも。

どの角度からもとにかく身体に優しい料理の数々。なかなか体験のできない夕食でした。

ご馳走様。また伺います。