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1回
夜の点数:4.4
2006/12 訪問
夜の点数:4.4
蕎麦音痴こだま、修行の旅に出る3―― 一杯のかけそば ――
2007/01/08 更新
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暮れも押し迫った12月29日、何故か私は出勤している。次から次にわきあがる難題。普通なら、とっくに休暇に入っているか、よしんば出勤したとて、年賀状書きや大掃除等通常業務以外の仕事で過ごすのだろうが、目の前の今すぐ処理すべき課題が片付いたのが、夕刻近く。
ハタと思いつき、私にとっては「近くて遠い」当店を徒歩で目指す。暖冬の続く東京だが、本日は、やたらと寒い。当店前に到着寸前、タクシーで乗りつけた3人組に追い越される。待つこと十数分。相席だが、先客より早く、初入店。
席につくなり、
・燗酒
・やきとり
・玉子焼き
を注文。
こういう名の通った店じゃ、個別の酒肴を云々するのは野暮なのかもしれぬが、スタイルは曲げられぬ。やきとりは、ボリューム適度で良質。だが、突出した驚きがないことも否めない。玉子焼きは、柔らかく、仄かな甘み(砂糖か?)を感じる上品なもの。良質~優秀。個別の値段は失念したが、老舗標準価格(700~800円程度)ではなかったかと記憶する。
酒には蕎麦味噌が無料でついたような気がするが、早くも記憶がぼやけている。
(上記一行訂正:一杯目の酒についたのは、「浅利の佃煮」である。蕎麦味噌は、二杯目についたかもしれないが、他店と混同している可能性もある。なお、「浅利の佃煮」には大きな感動は覚えず、水準。)
・かまぼこ山葵
・燗酒
を追加オーダー。
かまぼこは、父親の生まれ故郷である仙崎産のモノが一番との根強い刷り込み/偏見があるため、悪くはないが、突出したものを感じない。水準。
・かけ
を〆に。普段は、関東では冷たい蕎麦を注文する――私と同じ年代の関西人には、「東京の温そばは汁が濃くて食えたもんじゃない」とのこれまた根強い偏見がある。口が悪いのにかかると「珈琲みたいな真っ黒なつゆに浸かっている」などと言い出す――のだが、この日は寒かった。
少しばかり驚いたことに、かけの汁が実に旨い。上品な酸味、かえしの旨み/甘み、出汁(使用されている素材は私にはわからない)の旨みが、複雑に絡まって、何とも言えない玄妙な味わいである。供された蕎麦湯で割ることなく、すべて飲み干す。こんな経験は東京では記憶にない。
店内は、禁煙かと思っていたが、相席になった近隣サラリーマンと思しき三人組が灰皿を要求すると出てきた。愛煙家の私であるが、当店のかけの汁のクオリティに敬意を評し、今回、煙は遠慮した。(居酒屋利用としても、当店には煙は似つかわしくないような気がする。)
会計は〆て\3950。内容を考えると有名店の中では標準的なんじゃなかろうか。接客はすでに複数の論客による適切な指摘どおり、大変好感の持てるものであった。
なお、伺った時期が良かったのか、「偉い人」や「黒塗りの車」は見当たらなかった。
初回訪問及び未だ日本橋には伺っていないため、評価は控えめとしたが、時期を置いて(できれば日本橋を覗いた後に)再訪したい。