僕はコンビニのレビューをしたことがない。そして、これからも未来永劫レビューするつもりはない。沢山の読者を抱える高名なレビュアー様の何人かが、一時期、レビューの件数稼ぎとしか思えないようなコンビニレビューの鬼アップをされていたことがあり、みっともないなと思ったというのもある。
ただ、それは主たる理由ではない。一番大きな理由は、コンビニは資本力も商品開発力も非常に優れているので、世の中の人が、単純に価格と質のみを考慮して、文字通り利便性の高いコンビニをヘビーユースしたら、世の中の個人経営の食堂や、喫茶店等は、たちまちに蹂躙されてしまうのではないかとの危惧を持っているから。
9月の5連休で、各地の県庁所在地クラスの都市を旅歩いたのだが、本当に至る所にコンビニがある。もしかすると近い将来、日本中のどこを旅しても、安くて便利で、金太郎飴のようなコンビニの商品を頂くしかなくなるんじゃないか等という空恐ろしい妄想もしてしまった。
最近はイートインスペースを併設するコンビニも増えている。コンビニは、日常的な食事処、カフェ、喫茶店等の様々な機能を持ちつつあるのだ。消費者目線で単純に考えれば、こんなに便利なことはない。安くて高品質な商品がいつでも、どこでも手軽に手に入るのだから。
コンビニは大資本を背景とした商品開発能力も極めて高いので、価格を考えると非常に良質だ。もし、彼らが本気になれば、更にその機能を高め、カバー領域を拡大していくと思う。
そうなると個人のお店では、とても敵わない。だからコンビニに与したくないのだ。コンビニの商品の素晴らしさを自ら主体的に情報発信しよう等という気には到底なれないのだ。
実は最近、極力コンビニを利用しないようにしている。一個人としてのささやかな抵抗。全国どこに行っても、地域性のある品が失われ、コンビニが幅をきかせる未来なんて想像したくもないからだ。