5回
2021/11 訪問
池上の百名店の安くて美味いカツランチ
池上にある自分史上最高のとんかつ屋さん。
この日、ふと思い立ち、ランチタイムにこの店に行ってきた。
コロナ対策で席を間引いているので、行列が出来てたら近くのインディアンに行こうくらいの軽い気持ちで店に着くと、なんと店先には誰も待っていなかった。
これは入るしかないでしょ、と店内に進むと、1階は満席だけど2階なら入れるとのこと。
店主が揚げる作業を見られないのはつまらないが、待つのはもっと嫌なので、2階に行くことにした。
初めて行った2階は、座卓が2卓。
それぞれ、アクリルパーテーションで対面を区切って相席にしていた。
入れるとは思ってなかったので、何を頼むか考えてなかったが、メニューを見ると、「カツランチ」というのが目についた。
そういやこれ食べたこと無かったな、とそれを頼んだ。
このカツランチは、1,000円と店内最安値のもの。
以前食べた「とんかつ定食」(1,300円)がヒレかつで、こちらはロースかつ。
内容は、ロースかつ、千切りキャベツ、ポテトサラダ、ご飯、豚汁。
かつの量は90gとやや控えめ。
先ずは、豚汁の厚切りの大根と豚肉を口に運び、汁を啜った。
うん、分かってたことだけど美味い。
味噌の加減も良い塩梅で、当然ながら凡百の店のように汁が煮詰まっているようなことも無い。
千切りキャベツを食べてみると、いつも通りに美味い。
ふわっと柔らかく、そして甘い。
注文を受ける度に切っているので、乾燥しているようなこともない。
いつもながら感心するのは、ポテサラは何か特別なものが入っているわけではないのに、やっぱり何故か美味しいこと。
他の店でイマイチなポテサラを食べる度に、「燕楽のポテサラは美味かったなぁ」としみじみ思ってしまうくらい好き。
ちなみに、この店のかつ丼も非常に美味だが、唯一の欠点は付け合わせにポテサラが付かないことだったりする。
そして肝心のロースかつ。
1,000円だけあって厚みは無いが、肉の色も衣の色も上々で、衣は肉にぴったり密着している。
見ただけで、火入れの加減が良いことが分かる。
何も付けずにかつを食べると、やはり美味い。
この価格帯なので、肉の旨味が際立って強いわけではないが、この肉が持っているポテンシャルを十二分に引き出しているように思った。
一言でいえば、火入れが完璧。
店主の技術が凄い。
いつ行っても安定して火入れの状態が良いということは、店主にしか分からないチェックポイントが幾つもあるんだろうな。
かつは、何も付けずとも、あるいは塩やソースを付けても、どれも美味い。
三通りの味を楽しんだが、最後の一切れはやはりとんかつと言えばソース。
最後の一口も美味だった。
これで1,000円かぁ…。
山家もCPが抜群に良いと思ったけど、この店のCPは桁外れ。
そもそも、値段は関係なく、この店のとんかつが好きだとあらためて認識した。
さーて、次回はかつ丼を食べよっかな。
今回も大満足でした。
ご馳走さまでした。
2021/11/12 更新
2021/07 訪問
このかつ丼はレベルが違う
池上にあるマイベスト・とんかつ屋さん。
前回はロースカツを堪能したので、評判の良いかつ丼を食すべく、ランチで訪問した。
コロナ対策で席数を間引いた影響か、12時前にもかかわらず店外で4人が並んでいた。
炎天下の待ちは辛いものがあるが、席間がしっかり空いてる方が安心なので、多少待つのも致し方ない。
先客達は次々と2階に案内されていき、自分の番になったら、「1階のカウンターにお掛けください」と案内された。
ラッキーだなと思いながら店内に入ると、店主が目の前の特等席だった。
かつ丼(1,000円)を注文すると、料理が提供されるまでの間、店主の作業する様子を興味津々で眺めることが出来た。
店主はとにかく小まめに忙しく、リズミカルに作業を進めている。
とんかつを揚げる、頃合いを見計らってとんかつを油の中から引き上げる、一定時間置いて油をきったとんかつを切る、鍋の揚げカスを小まめにザルですくう、キャベツを注文の都度千切りする、小鍋でかつ丼を作る…などといった作業を同時並行的に流れるように躊躇なく行っていく。
正に名人芸だなと見ていて楽しくなった。
ちなみに、かつ丼の作業はと言えば、
①最初に丼用の片手鍋で玉ねぎとタレを割としっかり煮る。
②ロースカツを五切れにザクザクと切って、片手鍋の玉ねぎの上に載せたら、急いでその上から溶き卵を流しかけ、蓋をして若干の間煮る。
③丼にご飯をよそって、片手鍋の中身をご飯の上に載せたら出来上がり。
というものだった。とにかく②から③がスピーディ。
かつ丼とともに、豚汁、漬物が配膳された。
先ず、いつも通りにかつの断面を確認してみる。
赤身部分がうっすらとピンクがかっていて、いかにも食欲をそそる色だ。
一般的なかつ丼の場合、火が通り過ぎていて、赤身の色が真っ白ということが多い。
一口食べてみると、一般的なかつ丼のように火が通り過ぎてボソボソというようなことはなく、完璧な火入れであることが確認出来た。
衣に関しても、一般的なかつ丼の場合は衣がタレでしっとりとして、酷いものになれば衣がポロポロと剥がれ落ちるものもあるが、この店のかつ丼の衣は肉としっかり密着していて、さっくりとした好ましい食感をしていた。
タレの味・量も甘すぎたり多すぎたりといったことはなく、適切な甘さで適量だった。
この店のかつ丼を食べてしまうと他の店のはかつをグツグツと煮ただけの「かつ煮」に思えてしまうな、と舌を巻いた。
いつもながら、豚汁も美味しい。
野菜がくたくたに柔らかかったり、汁が煮詰まっているようなことはなかったので、たぶん都度温めているのだろう。
漬物の漬け具合までもが丁度良かった。
正に、どこにも非の打ち所がない、これまで食べた中で最高のかつ丼だった。
このかつ丼を食べてしまうと、暫くは他店でかつ丼を食べる気がしないな。
ただ一つ残念なことは、かつ丼にはポテサラが付いていないことだ。
この店はポテサラも非常に美味しいが、定食にしか付いてこない。
単品で頼むこともできるけど、わざわざ800円で頼むのもね…。
そうなると、次回行くときは定食頼もうかな。
冬にはミックス定食にカキフライが付くみたいだし。
とても満足でした。
ご馳走さまでした。
2021/07/16 更新
2020/10 訪問
自分史上一番のとんかつ屋
今までに食べたとんかつ屋で、どの店が一番美味かっただろうか。
人によって違いはあるだろうが、一つに絞らなければならないなら、自分はやっぱりこの店だな。
丸五も良い店だと思うが、おばちゃんの隙の無い接客などを考慮せずに純粋に味だけならばこの店の方が上だと思うし、たいようの店主が几帳面に揚げたとんかつも好きだが、この店のとんかつの方が美味しく感じられる。
その他に行った店と比べても、この店のとんかつの方が断然好き。
あ、ちなみに評判の高い成蔵ととん太には行ったことないけど、5,000円からという高額のとんかつ屋には行く気がしないし、夜営業しかしてない店は子育て中で共稼ぎの身には非常にハードルが高い。
ただし、この日、出張帰りで珍しく夕食の外食許可が妻から出たので、羽田からとん太は無理だとしても、やはり夜営業しかしてない目黒とん喜に行こうと調べたら、定休日だった。
仕方なく方針変更して、池上にあるこの店に行くことにした。
前回はランチのとんかつ定食を食べたが、厚切りのかつを食べてみようと、ロースカツ定食(2,300円)を注文した。
かつ丼も評判が良いので迷ったけど、次回の楽しみにしておこう。
実は、厚切りのとんかつには今までに良い記憶が無い。
百名店に選ばれている店で中心部が生のとんかつが出てきて辟易したこともあるが、この店でどんなとんかつが出てくるのか、ドキドキしながら待った。
供されたロースカツは、厚切りだが、中心部が薄いピンク、周りが薄い白で理想的な色合いだった。
流石に上手く揚げるなぁと思いつつも、見た目は良くても味はそれほどということがままあるので、まだ油断は出来ない。
かつを一口食べてみた。
肉の旨味は十分にあり、生っぽさは感じず、然りとてボソボソした感じもせず、絶妙な火入れ具合だ。
脂身は少ないが、端の方にある脂身には甘味を感じる。
また、衣の状態も良く、肉との密着具合も申し分なかった。
卓上の塩とソースをそれぞれかけてみると、どちらもかつと抜群にあっていた。
どちらか一方を選べないので、一切れ毎にソースと塩を交互にかけて楽しんだ。
千切りしたキャベツは水切れがよく、ふわりとして甘かった。
ポテトサラダは見たところ特別なものは何も使ってないようだが、何とも言えず美味かった。
また、豚汁もご飯も美味かった。
大袈裟なようだが、定食の全てが非の打ち所なく美味かった。
たぶん、店主が職人として、いまが最も脂が乗った時期なのだろうと勝手に思っている。
こりゃあ、かつ丼も是非食べてみないと。
やっぱ、自分史上一番のとんかつ屋だな。
ご馳走さまでした。
2021/06/25 更新
2019/11 訪問
池上の百名店のとんかつは至高のとんかつだった…
こんなに美味しいとんかつがあったのか…!
この店でとんかつを食べた後の感想だ。
この店は、最新(2020年)のミシュランビブグルマンに選ばれ、百名店にも2017年から三年連続で選出されている。
とんかつ屋のレビューを見ていると、美味しいとんかつ屋の例として、この店がよく挙げられている。
行列が凄いんだろうなー、と並ぶのが嫌いなのでなんとなく敬遠していたが、この日、ふと思い立ち行ってみた。
平日の12時少し前に店に到着。
カウンター席が丁度一つ空いていて、並ばずに席に座れた。
ちなみに、この日はその後も行列は発生せず、帰るときには空席もチラホラあった。
メニューの中から、とんかつ定食(1350円、内税)を注文。
先ず、ポテトサラダと漬物が置かれた。
暫くして、とんかつ、キャベツ、豚汁、ご飯が並べられた。
とんかつの断面は、全体的に薄い白色で、中心部が薄いピンク色。
このピンクがもっと赤みが強ければ、火の通りが不十分で生っぽいということだが、こうした薄いピンク色であれば、生でも火が通り過ぎでもなく、絶妙な揚げ具合ということだ。
期待を膨らませながら、最初の一口を何もつけずに食べた。
肉がとても柔らかく、そして甘く感じた。
下処理も適切なのだろうが、見ため通りに、揚げ具合が絶妙なのだろう。
とても美味しい。
この店では、卓上に塩(ヒマラヤ岩塩)、ソース、醤油が置かれている。
試しに塩をかけてみると、肉の旨味・甘みがより強調されて、美味しかった。
次に醤油をかけてみると、醤油とも相性が良かった。
最後にソースをかけてみると、これまた抜群にあった。
こうして一通り試して分かったのは、この店のとんかつは何にでもあうようだ。
自家製マヨネーズを使ったポテトサラダは、シンプルだが非常に美味しかった。
豚汁も美味しい。
キャベツも甘味を感じた。
食べながら店主が調理する様子を眺めると、3~4人分のとんかつを鍋に投入すると、キャベツをリズム良く切り始めた。
切り終えたところで鍋のところに戻り、とんかつを箸でつまんで揚げ具合をさっと確認すると、無造作に引き揚げた。
その繰り返しで、途中で材料の注文らしい電話を挟みながら、とんかつを次々と一定のリズムで揚げていった。
その姿は、武蔵小山のたいようの店主がタイマーで律儀に時間を図りながら一つ一つ揚げていくのとは対極で、職人としての自分の勘を信じきっているようにみえた。
ただし、結果として出来上がったとんかつは両店とも素晴らしいので、どちらのやり方も正解なのだろう。
スタイルが違うだけで、正解はいくつあっても構わない。
食べ終わるときには、満足感で満たされていた。
自分史上最高のとんかつだった。
ご馳走さまでした。
2020/02/05 更新
池上にある一番好きなとんかつ屋さん。
前回訪問から一年ぐらいぶりにこの店を訪問した。
今回のお目当てはカキフライ。
この店のカキフライを食べてみたかったんだよね。
昼遅い時間に着くと、店内には先客が1人のみ。
鍋の前の特等席が空いていたので、その席に座った。
ここだと店主が揚げている様子が見られて楽しいんだよね。
そして、予め決めておいたミックス定食(2,500円)を注文した。
ミックス定食だと、カキフライ2個に加え、ヒレかつと海老フライもセットになっていて、色々と楽しめる。
店主は、ヒレかつを揚げながら、タンタンタンと、リズム良く、キャベツを切っていく。
無造作に切っているようなのに、千切りされたキャベツは魔法のように甘味があって美味しいんだよね。
かつを揚げ終わるとパットで暫し休ませて、その間にポテサラと漬物を出してきた。
このポテサラが実に美味いんだよね。
見ているだけで思わず唾が出るが、かつと一緒に食べたいので我慢、がまん。
鍋からエビを引き揚げると、牡蠣を投入した。
比較的短時間で鍋から牡蠣を引き揚げると、休ませることなく皿にのせて完成。
先ずは、お楽しみのカキフライを食べてみよう。
それほど大きくないが、身がふっくらとしていて、旨味が閉じ込められていた。
次に、ヒレかつ。
何も付けずに食べてみると、ロースとは違って肉々しく、肉の旨味を強く感じた。
旨味がしっかりと衣の中に閉じ込められているのだろう。
実は、かつの断面の色が茶色っぼかったので、火を入れ過ぎてないかと危惧していたけど、全くの杞憂で、文句のつけようがない仕上がりだった。
かつにはソースも合ったが、塩を付けると肉の旨味を一層強く感じた。
エビフライは、決して悪くはないんだけど、ヒレかつやカキフライと比較すると分が悪いかな。
そして、豚汁がいつも通りに旨い。
千切りキャベツもポテサラもしっかりと美味しい。
脇役陣が美味いのもこの店の良いところだね。
この日もとても満足でした。
特にヒレかつ。
ロースかつも旨いけど、ヒレかつも旨い!
とは言え、ロースかつ派の自分としては、次はロースかつかかつ丼かな。
ご馳走さまでした。