てんぷら付き二色 : 蕎麦　大さわ

この店は秩父に水汲みに行ったついでによく訪れる。
理由は、全国の様々な在来種を出しているからだ。
特に、東京では関西以西の在来種はなかなか見かけないにもかかわらず、こんな田舎で全国の在来種を出しているのは珍しいからだ。
今回の二種は岡山の蒜山と福井の大野在来だ。

蕎麦切りはいつも通りで悪くない。
ただし、今回は〆が甘い気がする。
問題はこの時期には蒜山も大野も新そばではないことだ。
すでに、夏蕎麦の新そばが出ているにもかかわらず、ひねの在来種を出してきた。
味と香りがかなり減衰していて美味しいとは思えなかった。
蕎麦湯も同様で、営業的にはやむえないのかもしれないが、出来れば新そばを出してほしかった。

枝垂れ桜の見ごろが今週末までなので、温泉がてらの再訪となった。
平日は三種盛りがあるので、山の神共々注文した。
福井、八尾、三芳（田舎）をきのこ汁で食べた。
麺線は相変わらず綺麗で、切りむらや端切れは少ない。
福井産は例年より風味は落ちるが、末流の福井産に比べれば美味しい。
八尾は富山県の在来種で、福井産に比べると優しい感じの蕎麦で良かった。
三芳産の田舎は前回時に比べると風味が薄い感じだ。
比較すると、八尾、福井、三芳の順のような感じだ。
平日は車も少なく、ゆったりとしている。

中国地方の蕎麦のことが書かれていたので行ってみたが、本日は三芳の夏そばとのことだった。
二色はせいろと田舎で、じゅぶん風味があり、美味しく食べられました。
山の神は辛汁をきのこ汁に変えて同じ二色を食べていました。

麺線はエッジが立ち、整っている。
蕎麦の味と香りは十分にあり、夏そばなので味はいくぶん軽めでした。

薬味はねぎ、わさび、辛味大根おろしです。

蕎麦湯はドロッとタイプで、風味じゅうぶんです。

三種蕎麦（産地がそれぞれ異なる）は平日のみとのことで、近々再訪を予定しています。
春は毎年いちご中毒になっていて、関東中部のイチゴ農家を訪れて、それぞれの品種を飽きずに食べています。
これまでのお気に入りは「やよいひめ」ですが、収穫時期が遅いのが欠点でした。
ここ数年は秩父地方で「あまりん」という品種が出てきて、その身質の充実感とかおりと酸味のバランスが素晴らしいと思います。
ほとんど埼玉県で栽培されていて、直売所に行くと一番先に売り切れています。
そんなこともあって、秩父詣でが続きそうです。

山の神　　賛　　一人で行ってはいけません。

久しぶりに訪問してみたが、蕎麦が違うような気がする。蕎麦の産地は色々なところから取り寄せていて、教えると玄そばの価格が高騰するので勘弁してほしいといわれたのが前回だった。今回は寄居の釜伏在来に決定したと書かれている。
十割蕎麦は微粉中心らしく、腰がなく、風味も薄い。田舎も食べて見たが風味十分というわけにはいかない。
経営が変わったのだろうか。前回ほどの良さがなかった。

　寒い時には温泉巡り、事のついでに蕎麦巡りといった具合で、車で秩父に行ってみた。最寄りの駅は秩父鉄道の樋口駅で、歩いて１０分ほどらしい。小さな看板が出ている結構細い道を少し入った右側にこの店はある。駐車場は十分にある。店内は右に電動石臼が二台置いてあり、続いて調理場になっている。左は椅子席、小上り、蕎麦打ち部屋とカウンターがある。ざる（せいろ）と田舎の二色を注文した。HPには自家栽培と国産の玄蕎麦を使用していると書かれていたが、本日は滋賀県産のそばと書かれていた。
　十割で水切り良く、エッジの立った蕎麦で切りむらはなく、田舎は何とかつながっている。ざるは微粉らしく、やや腰がないような感じだ。ざるの味と香りは良く出ていて、味はあまり出会ったことがないような気がする。田舎は実に素晴らしい出来で、食べる前に口元に近づけると蕎麦の香りがしてくる。田舎でこんな経験はついぞしたことがない。味も香りも十分出ていて美味しい。
　薬味はネギと辛み大根だ。
　辛汁は三種類から選べるので辛口を選択したが悪くない。
　蕎麦湯は蕎麦粉を説いたものでそば同様に美味しい。
　帰り際に蕎麦粉の産地を聞いたところ、警戒されて教えたくないといわれた。教えると需要が増えて、蕎麦の価格があがると困るからだといわれた。確かに最近は在来種ブームで研究熱心な蕎麦打ちは良い材料を探しているのだろう。この店のお客に地元の秩父在来は味が薄いと言われたのでいろいろ探しているとも言っていた。むべなるかな。