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中園亭/無条件の愛で
ぼくの夏が二十歳の女の子と始まっているというのに、そしてまたその娘が今夜いきつけの居酒屋のシフトに入っているというのに、突如息を吹き返した(かどうだか知らない)コドナからLINEが入る。
そこでぼくは、男の友情と女の子への性愛とを天秤にかけた。
ふつうの男なら、それは天秤にかけるまでもないことだろう。しかし私が男の友情を優先したことは、それは私の七曲署の刑事(デカ)としての血がそうさせた、と言っても過言ではなかった ……
―― わたしは最後まで、ボスの部下でいたいんです ……
<その翌日 R4.7.23>
「中園亭」
もう昔っから有楽町の改札を出たところにこちらのお店は在って、でも直近改装してたのかな ? 営業を休んでいたのだが今日は営っているようで、何の気なしに中を覗いて見ると、空いているテーブルが見える。
いや、べつに避けていたわけではないのだけれど、いつも、それも複数人のパーティで混雑しているように見えていたもので、今まで敷居を跨ぐことが憚られていたのだが、これはチャンスとばかりに入店を決定 !
お店は二階もあるようだが、金髪の若い女の子の腕に促され(腕に/笑)、丸井のある広場側の入り口付近の、ベンチシートのような二人横並びのテーブルに無事腰を据える
品書きの表紙の、この天狗みたいな人、または大酔っ払いみたいな人は、おれこのひと知ってるよ ! これって神保町のすずらん通りの中華屋の看板の人じゃない !?
ってことは今は突き詰めるのはやめにして、品書きの中の料理、またお店の雰囲気、そしてまた厨房の中から聞こえるおじさんたちの生粋の日本語 etc. そんな諸々の、所謂“昔ながら”の町中華の雰囲気を堪能することに暫し没頭。
しかしこの店のもっとも“昔ながら”を象徴するものは、ほんとうはまた別のところ[注1]。ということに、いったいどれだけのお客さんたちが気付いていることだろう。おれはもう入店した瞬間に、一撃で気付いたけどね !
“ラーメン” @780
“餃子3個” @360
ラーメン、餃子はたしかに昔ながら。というよりもずっと変わらぬ料理を継続して出しているのだろうと思う。
問題なのは、これで1,000円オーヴァを認めて良いのか ? ということとなろうが、十条と同じものを有楽町で求めることはあまりに無理があるだろう。なにしろ有楽町という町は、冷やしたぬきそばが1,400円するところなんだから(これほんと ! ショックで2週間口聞けなくなったもん、おれ)、それに比べたら寧ろリーズナヴルと泣いて感謝しなければいけないくらいだろう
(と自分に言い聞かせてもなにか釈然としないけど)
―― これでナルトがあったから許せるけど。おれのナルトに対する無条件の愛情によって
注1) こちらの古き良き昭和時代の象徴とはほかでもない、若くチャーミングな看板娘を持っているということで、飲食店としてはこれは完全に強く、昔のお店はおそば屋だろうがタバコ屋だろうがなんだろうが、皆そうだったと思う。
昭和の象徴である若さ。その一方で令和の象徴はというと、本心私もこのことを認めたくはないのだけれど、それは紛れもなく老醜だろう。
(この“老”ということを、おれは年齢だとはまったく考えてないけど)
若い女の子特有のはち切れんばかりの若さということが、飲食店においてとりわけお客さんたちをよけいに食わせ、そしてよけいに飲ませる ! ということを経験則として理解しているからこその井川遥さんのハイレッグ ! ということとなろうが、それが(どこかのビールのキャンペーンガールが)廃止されるというニュウスを目にした
(昨今のトレンドに流され、定量化できないがしかし抜群の効果を発揮するそれらを見抜けずあっさりと放棄してしまうという)完全なるバカ丸出しだろう ! と思うが一方、井川遥さんや菊川怜さんよりもハイレッグの似合うタレントが金輪際出てこないという絶望的事実をあっさりと認めてしまえば、そんなもの永久に廃止するなら廃止したまんま、井川遥さんのハイレッグのポスターだけを永久に刷り続ければそれでいい
―― し、おれが言うまでもなく実際そうなってるし ♪ だってラーメン屋さんや居酒屋の小上がりって、今の今でも井川遥さんしかいないじゃん ! 井川遥さんと菊川怜さんと、そしてときどきアグネス・ラムがいてくれたなら、それでもう十分だよ。それで十分に飲めるわ ! 海坊主に[注2]「もうお酒終わっちゃいました !」って言われるまで、永遠にね
注2) 海坊主:
環七沿いのどこかにあった「札幌ラーメン」という伝説のラーメン屋の店員さん。おれたちの顔見るたんび、こいつら来ると必ず遅くまで飲み続けるからとうんざりしていたのだろう、もう最初っから「お酒無くなっちゃいました」と牽制してくるのだが、でもどこか憎めなく、おれたちはそのおじさんのことをけっして嫌いではない。あくまでもそのおじさんが、おれたちのことを嫌いだっただけ(笑)
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Jackie_m
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店名 |
中園亭
|
---|---|
ジャンル | 中華料理、ラーメン |
お問い合わせ |
03-3201-2032 |
予約可否 |
予約不可 |
住所 | |
交通手段 |
JR有楽町駅、東京メトロ有楽町駅、または東京メトロ日比谷駅下車 有楽町駅から75m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
¥1,000~¥1,999 ¥1,000~¥1,999 |
予算(口コミ集計) |
¥2,000~¥2,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master) 電子マネー可 (交通系電子マネー(Suicaなど)、楽天Edy、nanaco) QRコード決済可 (PayPay) |
席数 |
30席 |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
サービス | テイクアウト |
お店のPR | |
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最近の編集者 |
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「あなたのことがすきだから」
という韓国の有名な諺を日本に広めたのはペ・ヨンジュンだと得意気に宣ったら、彼女から、それはチャン・ドンゴンだと窘められてしまう。
だからむかついて、というわけではなかったが、チャン・ドンゴンが5年ぶりにスクリーン復帰を果たしたという韓国映画を観に有楽町にやって来た
最初は「エスペロ」さんか「麻辣川府」か、または「維新號」さんか、などと思い巡らせていたが、まだ銀座としては時間も早いのでよりどり緑、にわかに、なにも無駄に歩かなくったって目の前の町中華でいいぢゃないか ! という気分が湧いてきて、連れの許可を得て、“今、そこにある危機”ならぬ“すぐそこにある中華”へと、飛んで火に入った
<2024.12.29>
「中園亭」
午前11時半の店内には早くもお客さんの姿があったが、目論見通りに満席ということはなく、初めて「二階席ヘどうぞ」となって窓際の上等な席へ着席。そこから駅前広場に蠢く愚かな人間どもを見下ろし、暫し悦に入る。
先ずは彼女のハイボール、ボクの紹興酒、ボリウム中。
畳み掛けるように、中華屋に入ればどのお店だってすぐそこにある餃子を注文しておくことも忘れはしない
品書きを眺めながら麻婆春雨、ならぬ“春雨と挽肉の炒め”とゆ~のに思いを馳せていたら、彼女から、昨日観た「町中華で飲ろうぜ」でまさにこの店がとり上げられていて ! そこで筋太郎さんが春雨をやっているのを羨ましそうに眺めていただろう、とまたしても指摘されたなら、そこではもう、「人間には忘れるという能力がある」と反撃する気力も無くなり、ただただ目の前のこの教科書通りにうまい餃子に慰められて、平和にこの一年を終えることだけを願うばかり
自分では絶対に注文しないが、彼女の注文した上海焼きそばが、紹興酒独特の酸味とマッチしてこの上なくうまい ! ♪
たっぷりと濃いしょう油本来の味が活きており、キクラゲのカットも極端に大ぶりではなかった為、私にとってエネミーとなっていないこともそうだが何より、こういったものに付き物の豚バラ肉の姿が見えなかった為、このお店の人、そんなに何度も来ていないのに何故おれが挽肉以外のお肉が苦手なことを知って除けてくれたのだろう ? と訝った刹那 !
ちゃんとお皿の一番底に、まるで大切な主役のように安置されていたばら肉を発見し、ああ、この焼きそばのものがばら肉の古墳の役割を果たしていたのか、と気付かされた次第
ふだんの独りご飯ならばこういった苦手なものがご飯に入っていた場合、ポッケに入れて持ち帰って次の飲みのときにコドナに与えるのは、そうすると彼がいつも泣いて喜んでくれるからだが、今日はふたりご飯なのでポッケを汚す心配はいらなく、彼女がやっつけてくれるから良い。
そのあと注文した“炒飯”は、焼きそばとはうって変わって、これはおそらく他の“おかず”との協調を狙った為かあっさり味を基調としており、それに安心した彼女が添えられて来たスープに口をやおら口をつけるなり、「ブッ !」と吹き出しそうになる(笑)
炒飯をあっさり味に油断させておいて一方、こちらblackの中華スープは焼きそばにも増してしょう油本来の味が極限なまでに強調されていたからだが、これにはさすがに、津軽育ちの濃い味好みの彼女も怯んだよう。
その生醤油のような中華スープの(笑/失敬な !)辛さを(標準語でしょっぱさを)意にも介さず、なかんづくたとえようのない懐かしささえ覚えながらやっていく、足立区育ちのボク ……
―― だがしかし、べつにこういったものが塩辛ければ塩辛いほどおいしいと思っているわけではない。事実、富山で食べた本場のblackラーメンに心を揺り動かされなかったのは何故か ? うまく言えないが、その富山blackには、昭和下町の魔法が掛かっていなかったから。そんなふうに思っているのだが、如何に ……
【本日の献立】
・ホワイトホース/ハイボール @750
・紹興酒/中 @1,450
・焼き餃子/6個 @750
・上海風焼きそば @1,000
・炒飯 @980
〆て4,860円也。
その後、ソル・ギョングさん、チャン・ドンゴンさんのW主演に依る「満ち足りた家族」という映画を鑑賞。
方や弁護士、方や医師という中産階級の兄弟。そのそれぞれの子供たちが子供特有のイノセントを発揮し、とり返しのつかない結果を招いてしまったとき、正義であり続けようとする医師である弟(チャン・ドンゴン)と、現実に柔軟であろうとする弁護士の兄(ソル・ギョング)は、その妻たちとともに兄弟同士で対立することになるのだが ……
幼気な、しかし大人になりかけの子供たちが発揮する未成熟な狂気には日本も韓国も無く世界共通のものだろうし、その修正(適切な指導)というものが実の親含めて大人には到底ままならないということもまた、世界共通。
それが幼稚から発生するものだとすれば、解決してくれるものは時間だけ、即ち成長だけであるのならば、逆にほおっておいて時の流れに身をまかせていればそれで良いのだろう。
とも言えるのだけれど、だとすれば幼気な悪事というものは、程度問題として、とり返しのつく範囲に収まっていなければならないと思う
だから子供たちの所業がその範囲を逸脱していたとき、道義を貫こうとしていた弟が現実主義者へと翻り、逆に仕事の為に悪の味方さえ繰り返していた弁護士の兄が、我が子たちを今ここで大人として諫めなければならない、という判断に逆転する。
そしてまた実の母親と継母との、実母だからといって我が子に正しい道筋をつけようとするとは限らないし、逆に若く上っ面だけに見えていた継母であっても、連れ子の未来を真剣に憂いて、今は厳しく向き合う覚悟を決めることだってある、という教示は、目新しくはないものの、人間の深淵を探るには常に良い材料だと思う
継母が表面上若く、ちゃらく、そしてきれいを纏っていればいるほどに、それが正当に転じたときの真っ当さが際立つ。
こんなとき、“可愛い娘にはやらせろ”という片岡鶴太郎さんの諺がとりわけ滲みるが、可愛い子だからこそ突き放さなければならない局面に親が直面したとき、しかし多くの親はそこを間違えて、そしてそれが間違いだと分かっていても、誰でも心のどこかの部分がその間違いに共感してしまう ……
そんな共感でコクを増すドラマに、この二人のお父さんのキャスティングは嵌っていたと思う