武蔵小金井：相変わらずスパイスの踊らせ方が上手い : アソクビナヤク

2022.11
　何となくスパイス気分だったので、新小金井街道沿い中大付属前のアソクビナヤクへ。
　ウェスト小金井では出汁(ブイヨン)のガネーシャガル、スパイス香のアソクビナヤクという感じですが、今回はスパイス香を追求してみました。

◆マトンマサラ
　いつも通りオーダー後に具材とスパイスを炒めてくれ、配膳の瞬間に立ち上るスパイス香に嬉しくなる一皿です。
　玉ねぎ以外にも歯ごたえのある微細切り野菜がしっかり使われており、そこにスパイスたっぷり。
　スパイスは粗挽きも多く、噛むと更に香りが広がる二段仕立てで、スパイス香が好きな食べ手には堪りません。
　カレー仕立ても決して不得意なシェフではありませんが、やはりスパイス香を立たせるマサラ仕立てが得意なシェフと再認識しました。

　オーナーシェフは元々国立のミトラのメインシェフ、独立してミトラ２を立ち上げ、一旦人に貸して離れた後に再びオーナーシェフとして、店名を今のアソクビナヤクに変えて復活しました。
　復活から１０年近く経ちますが地味に続いてくれており、地域に根付いてくれている印象。
　今回は単品オーダーだったのでミニデザートなしでしたが、セットの場合はヨーグルト＋ココナツファインに甘みを足した面白いデザートをつけてくれます。
　ウェスト小金井でスパイス気分の時のオススメ、機会がありましたら、ぜひ・・・

2021.10
　最近はオリジナリティ溢れるカレーに驚くことが多くなったので、改めて小金井のインネパ系カレー店を廻ってみました。
　９軒目は、地域では老舗になったアソクビナヤク。
　かなり昔にミトラ１(国立市)の暖簾分けとして開業したミトラ２、その初代シェフが、オーナーシェフとして今の店名でミトラ１から継承したカレーを出してくれます。（ミトラ２は初代シェフが暫く離れていた間に二代目シェフが味を落として閉店になってしまいましましたが、初代のシェフが戻ってきてくれて居抜きで独立、店名変更で今に至ります）

◆ワンカレーセットをチキンで(\1100)
　ビジュアル的にはおとなしいアソクのカレー、今回も香りが綺麗に広がって期待を高めてくれます。
　スパイスを立体的・多段に踊らせるか、水平的・一気に舌に乗せるかは店によって違いますが、この店は火入れが完璧なスパイスを上手に踊らせるレシピで、今回も期待通りの美味さ。
　気持ち細挽きにしたスパイスですがガリガリ感をしっかり感じさせ、鼻に香りを抜いていく仕上がりは開店当初から変わりません。
　ナンの焼きも相変わらず素晴らしくふわ美味、デザートのヨーグルトもココナツファインを加えてシャリシャリ＆甘味系で面白いですし、全体的な完成度の高さを今回も感じさせてくれました。

　やはりアソクは美味い。
　全盛期の復活が近いかもと思わせるガネーシャガル、甘さを感じさせる仕上がりのクイーンビー等の面白いカレー店が小金井に揃ってきましたが、アソクも凄い。
　中大付属の近くなので駅からは相当歩きますが、中大付属循環バスに乗れば気になりません。
　機会がありましたら、ぜひ・・・

2015.05
　シリガネと並び地域トップクラスのインド･ネパールカレーを出してくれるアソクビナヤク、面白いメニューが外看板にあったので入ってみました。
　少し胃がもたれていたので、軽めの一皿を。

◆チキン焼きそば（￥７００）
　Chicken Choumin を冠したメニューで、日本を意識というより中華メニュー系の料理だと思います。
　鶏肉、ピーマン、人参、キャベツ、玉ねぎを具として、たっぷりスパイスをこすりつけながら炒めた焼きそばで、かなり独特の味わい。
　もちろんスパイスの立たせ方に技術のあるシェフなので、しっかり香り立つ仕上がりで、納得の美味さでした。

　面白系メニューとして、一度お試しいただきたい一皿です。
　短文レポで恐縮ですが、機会がありましたら、一度・・・

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2014.01　オリジナルカレーが相当美味い（★４．５へ）
　少し短文で。
　スパイスの膨らみのあるインドカレーが食べたくなったので、アソクビナヤクです。

◆ミックスセット（￥１，１５０）
　初回はオーソドックスな二種を選びましたが、今回は変化球系と独自系を試してみました。
　共通パーツのレポは省略して、カレーから。
　一種類目（緑）がパラク・パニール。
　ほうれん草ベースのカレーに揚げたチーズを具としたカレーです。
　これが驚きの美味さ。
　サグ（青菜）の強さが立ちすぎる店が結構あるのですが、この店ではベースのスープ、味に厚みを持たせるほうれん草ペースト、そして多種のスパイスが高いレベルで一体化した一皿でした。
　チーズは若干歯ごたえを残しつつ、しっかり熱を入れられたもので、美味いです。
　二種類目（黄色）が「当店オリジナル」を唄ったチキンパサンダ。
　見た目は「どこにでもありそう・・・」と思った一皿ですが、口に入れると独特の食感と味の膨らみに驚かされます。
　面白い食感の正体は、すり潰さず多めに混ぜ込んだフェンネル。
　最初は噛みごたえを、そして噛んだ後はアソクビナヤク特有の香りが膨らむスパイスと合わさって独特の味の広がりを出してくれます。
　最後のデザート（ヨーグルト）も、ベースのヨーグルトに顆粒化したココナツ（coconut fine）と砂糖とクリームを加えたもので、手のかかったものと確認できました。

　ということで、多種スパイスを綺麗に躍らせる技術のあるアソクビナヤクですが、今回の変化球系のカレーも、踊るスパイスの面白味を倍加させた、かなり面白い一皿だと認識しました。
　ぜひ機会を作ってお試しいただければと思います。

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２０１３年１１月　２回目：ビリヤニ「風」ですが、実は相当美味い炒め御飯

　初報から約一か月後の再訪です。
　昼は少しずつお客さんが付くようになっているようです。
　今回は変化球の二皿を。

◆ライタ(Raita)
　正式メニューではないのですが、主菜のビリヤニに合わせて出してくれました。
　ヨーグルトにみじん切りのキュウリ等を混ぜ込み、唐辛子系のスパイスをトッピングしたもので、食欲が刺激される一皿です。

◆チキンビリヤーニ
　正規のビリヤニではなくカレー「チャーハン」ですが、スパイス使いの上手いシェフが作ると、結構濃厚で面白い一皿に仕上がります。
　具は細切れにした鶏肉、人参、グリーンピース、玉ねぎ、ピーマン等で、これをチキンマサラの時を思い出させる強めのスパイスでまとめています。
　ご飯投入後も時間をかけて炒めていましたが米粒のヘタり感はなく、逆に強いスパイスと綺麗に絡み合う一皿。
　このあたりは一流スパイス使いならではだと思います。
　普通のカレーも美味いのですが、気分転換の時におすすめの一皿。

　ということで、初期ミトラ２の厨房を支えたシェフは頑張っています。
　機会がありましたら、ぜひ・・・・

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２０１３年１０月
【小金井新店：多種スパイスを躍らせるカレー復活】
　ミトラ２を居抜きで引き継いだ店です。
　ミトラ２は途中で人が完全に入れ替わり味を大幅に落としてしまい撤退となりましたが、その話を聞いたミトラ２の初期メンバー（立ち上げ期に厨房を支えた人）が新オーナーとなり、メニューを一新して再出発です。

　各種アラカルトもありますが、夜のセットは次のような感じです。
　　　￥９００ 学生セット
　　￥１，１５０ ミックスセット
　　￥１，２５０ アショク・ビナヤク・セット
　　￥１，２００ レディースセット
（ランチは、もうちょっとお得）

◆ミックスセット（￥１，１５０）
　選べるカレー２種、サラダ、ナン、ダヒ（ヨーグルト）、ドリンクのセットです。
　初回だったので、カレーはチキンカレーとチキンマサラにしてみました。
　最初にサラダ。
　すぐに出てきたので皿ごと冷蔵庫保管だと思いますが、乾いておらず丁寧に管理されたものでした。（開店初期のため新オーナーが一人で厨房とフロアを担当しているので、この辺りは御了解事項）
　サラダを食べている間に、フライパンで野菜を炒める音が聞こえます。
　かなり長く炒めてくれた微細切りの玉ねぎとピーマンを、強めのスパイスに合わせてチキンマサラに仕上げてくれました。（写真では色の濃い方）
　甘味十分の玉ねぎは歯ごたえもしっかり残っており、スパイスと良く合います。（歯ごたえが残っていたのは、もしかしたら途中で残り半分を投入する二段階炒めなのかも）
　そして、チキンカレーの方と食べ比べて分かったのですが、チキンマサラのスパイスは全く別系統のものでした。
　インド系というより薬膳っぽいニュアンスの面白いものです。（すみません。細部不明・・・新オーナーは簡単な日常会話しかできないため怪しい英語で会話したのですが、「薬膳」を訳せませんでした・・・オリエンタルでもないしジャパニーズでもないしメディシンも変だし・・・うーん）
　そして、もう一皿のチキンカレーは、懐かしのミトラ２初期の味です。
　ベースのフォンは突出せず全体の下支えに徹し、その上でオーソドックスな、でも多種のスパイスが万遍なく口全体で踊り、鼻に綺麗に抜けた後は軽い余韻を数秒間残します。
　余韻の感じさせ方は、スパイスの分量・バランスが十分に計算されていることを示していると思います。（これが記憶に残っている初期ミトラ２の味ですし、まさに完璧な再現）
　鶏肉も歯ごたえを残しながらもしっかり煮込まれているもので、美味いものでした。
　ナンは巨大ですが、さほど厚くないので女性（肉食女子とも言う）でも十分食べられるボリューム、しかも表側のモチモチ感と裏側のクリスピー感の両方を楽しめるものでした。
　サフランライスは具なしですが、しっとり系に炊き上げた日本人好みの味です。
　最後にダヒとチャイ。
　ダヒは、普通のヨーグルトに見せかけながらシャリシャリした細かい具が入っています。
　怪しい英語能力なので間違っている可能性もありますが、パイナップルとシュガーと言っていたように思えます。
　これがまた、絶妙に美味い。
　思わずお代わりしかけましたが、この辺りは次回に・・・

　ということで、後期メンバーが味を落としてしまったミトラ２は撤退となりましたが、初期ミトラ２のメンバーによる新しい店のスタートです。
　近場にあるもう一軒、かつて地域No.1だったシェフが帰国し新メンバーで再出発しているガネーシャガルより、現時点では一枚上を行っていると思います。
　もちろんカレーは店によって千差万別ですし、それぞれの美味さがありますが、フォンとスパイス二階建ての正攻法インドカレーを作れる店は小金井には多くありません。
　面白い店ができました。
　新小金井街道沿いで若干アクセスが悪いのですが、ぜひ機会を作ってお試しいただければと思います。