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店名 |
くちいわ
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ジャンル | そば |
予約・ お問い合わせ |
不明の為情報お待ちしております |
予約可否 |
完全予約制 『完全予約』の基本『夜のみ』営業です。 |
住所 |
このお店は「下新川郡朝日町平柳667-5」から移転しています。 |
交通手段 |
ライトレール富山湾線 東岩瀬町から徒歩8分程(富山駅から210円) 競輪場前駅から442m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
¥10,000~¥14,999 |
予算(口コミ集計) |
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master) 電子マネー不可 |
サービス料・ チャージ |
サービス料・チャージ料なし |
席数 |
8席 |
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最大予約可能人数 |
着席時 8人 |
個室 |
無 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
無 近隣にコインパーキングあり |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間 |
ドリンク | 日本酒にこだわる |
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利用シーン |
|
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン、一軒家レストラン |
公式アカウント | |
オープン日 |
2022年9月8日 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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富山の美食エリア東岩瀬にある「くちいわ」は、蕎麦とそれに合わせた酒と料理を出す隠れ家的な「蕎麦店」。店の外に看板はなく、電話番号も公表せず、予約の受け付けはSNSのDMのみ。「日本酒を飲むこと」がドレスコードで、蕎麦と酒を心から楽しむ心構えのある者のみが来店する資格がある。
古い町家風の建物の入り口をくぐって店の中に足を踏み入れると、明かりを落とした厳かで静謐な空間が広がっている。木組みの梁と柱に囲われた凜とした雰囲気に、思わず身が引き締まる。8人並べるカウンター席は、長さ7メートルという見事な杉の1枚板。そのすぐ目の前がオープンキッチンで、店主とおかみさんが作業する姿が間近に見える。店主・口岩倫彦さんは、物腰柔らかい語り口の方だが、仕事に対する透徹した厳粛な姿勢がひしひしと伝わり、茶室で主人と客が向き合うような緊張感がある。最初に「写真を撮る方はどうぞ」と言われたが、写真など無粋なことをするのは気が引ける雰囲気だ。
料理は、夜18時からのおまかせのコース(税込11,000円)のみ。ざるに盛った冷たい蕎麦から始まり、温かいつゆ蕎麦に終わる。蕎麦懐石や蕎麦前料理とは違う、一貫して蕎麦が主役の料理だ。蕎麦にかけては他に引けを取らない自負を持つ店主が打つ蕎麦は、モノが違う。今まで自分が食べてきた蕎麦の記憶が一気に色あせてしまうほど衝撃的で、”魂の蕎麦”と言うべき別格の域だと驚かされる。さらに、蕎麦の実をそのまま食べたり、蕎麦の実を目の前で挽いて作る2種類のそばがきを食べ比べたりして、蕎麦の何たるかを突きつけられて心が震える。
そばに合わせる料理も、一品一品こだわり抜いている。余計な手間や装飾を抑え、素材の力を生かした蕎麦屋ならではの料理だ。「酒肴セット」は、日本料理の八寸のようにつまみが並び、素朴で味わい深い。天ぷらは、鮮度にこだわり生のままでもおいしい厳選素材を使う。極上の馬刺し、霜降り牛なども織り交ぜてメリハリのある粋な構成で、コース全体を通して蕎麦と酒がぐっと引き立つ。
食材も酒も、地産地消にはこだわらず、全国からいいものを仕入れる。満寿泉など富山の地酒もあまり出していない。飲み物は、事実上、日本酒に限られる(ビールやウーロン茶などのソフトドリンクも一応ある)。日本酒にメニューはなく、基本おまかせ。固定したペアリングコースではなく、1杯100ccほどの盃を客が飲み干したら、その時点の料理に合わせて次の酒がつがれるというスタイル。だから店主は、たえず一人一人の客に目配りしている。値段は書いていないが、懐の心配は不要だ。酒の話をしだすと止まらない店主の話と、次々繰り出される多種多彩な日本酒に没入してこそ、この店を本当に楽しむことができる。
「料理では片折さんやふじ居さんにはかなわないが、蕎麦なら勝負できる」と語る店主は、まさに、蕎麦一筋の求道者だ。とことんこだわり究め抜いた蕎麦料理は、なかなか他では食べられない、感動を伴う逸品だ。この店を知らずして蕎麦を語るのは恥ずかしい気持ちになった。料理のクオリティーの高さに加えて、雰囲気のある店のしつらえ、店主の話や所作を楽しめるオープンキッチンスタイル、良心的な価格なども合わせて、富山を代表するだけでなく、全国的にもこんな蕎麦屋にはなかなかお目にかかれない。貴重な体験ができる、並々ならぬ名店だと思う。
本日のコースの内容は以下の通りです。
1.そば(2種類)
まず最初は、昨年10月に収穫した群馬県赤城山の蕎麦。細麺で、茹で時間は約30秒。大きなざるに揚げると流水にさらしてすばやく洗い、冷水をひしゃくで注いでしめる(流し台に似た特殊な製氷機の”シンク”の内面を分厚く製氷して大きな四角い氷の”たらい”にし、そこに水をちょろちょろ注いで冷水を作っている)。
出来上がったそばは、蕎麦独特のナッツや緑色の豆的な香りがし、コシとともにシャクシャクした食感があり、かむと音がたち、ある種の鮮度のようなものを感じる。ゴム的な変な弾力もぼそぼそした感じもモチモチ感もなく、きれいにむだなく研ぎ澄まされている。スペインの塩、わさび、つゆが添えられ、塩はきめ細かくしっとりした粉末状でまろやか、つゆはやや濃い口の鰹出汁の風味。
2番目の蕎麦は、富山の「土遊野」産の粗挽きの玄蕎麦。最初の蕎麦よりもやや太めで、ぬるめの冷やし加減で、ざるではなく色絵皿に盛って出された。「酒も蕎麦も、提供する温度で全然違った味になる」と店主。
店主によると、新そばが出始めるのは7月からで、今出しているのは、去年とれた「古そば」。新そばほどの香りや緑色の色合いはないが、ちゃんと管理して保存すれば、味にまとまりがあって、それはそれでおいしい。(そばには、7月頃から出回る夏蕎麦と、10月頃からの秋蕎麦とがあるらしい)
2.酒肴盛り
お酒を楽しんでほしいという店主の願いをこめて「大人のハッピーセット」と呼ぶ。
・ポテトサラダ(カレー風味。お酒のつまみとして店主の一番の好物)
・鯛(鯛に山葵油をからめ、山菜のモミジガサのお浸しを下に敷いた)
・合鴨のロース(低温で1時間じっくり火入れしたもの。山椒の佃煮とともに)
・味噌焼き(白味噌をベースに、ネギ、大葉、柚子、鰹節、蕎麦の実を練り込み、しゃもじに塗りつけて焼いた。これは旨い)
・醤油豆(水に戻して炊くのではなく、煎った大豆を甘塩っぱい醤油に浸し、シャキシャキの食感)
・おから(店主の地元・入善朝日の国産大豆を使用し、しっとり仕上げた)
・酒粕のわさび漬け(満寿泉の1・2年熟成の酒粕を使用。わさびの辛味と酒粕の風味が刺激的)
・蒲鉾(鈴廣)(富山には蒲鉾屋が多いが、蕎麦屋が使う蒲鉾は神奈川県小田原の鈴廣だけとのこと)
3.馬刺し
福島県会津産の馬刺し。ニンニク味噌、ニラ醤油、ミョウガの千切りとともに。熊本、長野、福島が馬刺しの3大産地で、基本的に熊本産は霜降りで福島は赤身。つややかな赤身の肉は、見るからに鮮度がよく、馬の生命力さえ感じる。みずみずしくしなやかな柔らかさで、味わいは濃厚で口溶けも滑らか。臭みなどあろうはずもない、実にきれいな肉だ。
4.だし巻き玉子
醤油の風味とほんのりした甘みがあるしっかりした味わいで、出汁をたっぷり含み、ボリュームも結構ある。添えられた大根おろしも、甘みがあっておいしい。だし巻きの甘みに合わせて、お酒もやや甘口のものを出す。
5.そばがき(2種類)
最初に、鶯色のそばの実十数粒が配られ、それをそのまま食べる。甘みと油分の少ないナッツのようにポリポリして、それ自体はさほど蕎麦の香りはしないが、土と緑の香りと旨味を感じる。蕎麦の実は茶色のイメージだが、真空状態でしかるべく管理をすれば明るい緑色を保つとのこと。
続いて、カウンター席の客の目の前で、そばの実を穀物専用のミルで、粒をある程度残した粗挽きのそば粉にする。それに水(湯?)を加え、火にかけた鍋で焦げないように絶えずかき混ぜているうちに、水気が減って凝固し、粘り気のある熱々のそばがきができる。
そばがきは、1皿目はそのままか塩(フランス産)で食べる。2皿目は、そばがきを素揚げしたもの。蕎麦のほのかに甘い豊かな風味と香り、蕎麦の実の粒のカリっとした部分とねっとりしたペーストの食感が混じり合い、蕎麦そのものがダイレクトに五感に響いてくる。
6.天ぷら
本日は、アスパラ、とうもろこし(黄色、ホワイト)、いちじく
最初に、アスパラととうもろこしを生で食べる。鮮度がよいものは、生でもおいしい。店主によると、春のアスパラは甘みが強く、夏のアスパラは甘みはそれほどでないが”爽快感”があるとのこと。
4種類の天ぷらは、1品ずつ揚げ立てを客に出すのを4回繰り返す。熱々で甘みが強く、みずみずしさが口の中にほとばしる。
7.肉そば
飛騨牛のサーロインを使った肉そば。しめのそばとしては大きな器で、汁もたっぷり入っている。見事な霜降肉は脂がきれいでしつこくなく、それが薄口の出汁に溶け出して旨味を増す。麺は、温かいつゆの出汁の旨味が染み、柔らかいが芯にはほどよくコシが残るアルデンテを保っている。
8.ミルクプリン
甘さ控えめのすっきりしたミルクプリンに、あんこを乗せて、抹茶をまぶした。