OpenAIがGPT-5開発計画を発表。進化と今後の展望は

OpenAIはGPT-4.5およびGPT-5の開発計画を発表し、AI技術の次なるステージへと進む意向を示した。

OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、GPT-4.5が「最後の非チェーン・オブ・ソート（chain-of-thought）モデル」になると発言している。

「チェーン・オブ・ソート」とは、AIが複雑な問題を解決する際に、一連の推論過程を経て答えを導き出す技術であり、AIの論理的思考能力を向上させることが期待されている。

GPT-4.5は、この技術を全面的に採用する前の過渡期モデルと位置付けられ、次世代のAIシステムに向けた橋渡し的な役割を果たすことになる。

GPT-5では、従来のoシリーズモデル（OpenAIが開発した別系統のAIモデル）とGPTシリーズが統合される。

この結果、OpenAIのAIシステムは、一つのプラットフォーム内で多機能を提供する形へと進化する。この変更により、ユーザーはAIの知能レベルに応じた異なる機能を利用できるようになる。

ChatGPTの無料ユーザーは、標準的な知能レベルでGPT-5への無制限のアクセスが可能になる。

一方、PlusおよびProのサブスクライバーは、高度な知能レベルのAIに加え、音声、キャンバス（AIによる視覚表現）、検索、深層リサーチ機能といった追加機能を利用できる。

OpenAIの発表に対し、競合企業も同様の技術革新を進めている。Google DeepMindは、Gemini 2の開発を進めており、AnthropicはClaude 3のリリースを準備中である。

このような背景のもと、OpenAIは、単なる技術競争を超えて、より直感的でシームレスなAI体験を提供する戦略へと移行している。

アルトマン氏は、「私たちはAIがユーザーにとって『ただ動作する』ものであってほしいと考えています。私たちのモデルや製品の提供がどれほど複雑になっているかを認識しており、これを簡素化したいと考えています」と述べている。

現在、GPT-4.5およびGPT-5の正確なリリース時期は発表されていない。しかし、数週間から数カ月以内に公開される可能性が高い。この新たなAIモデルの登場により、AIの応用範囲はさらに広がり、企業や一般ユーザーの利用方法にも変化が生じるだろう。

OpenAIは、技術革新だけでなく、よりシンプルで使いやすいAIサービスの提供を目指している。この方向性が、今後のAI業界全体にどのような影響を与えるのか、引き続き注視する必要がある。