はじめに
こんにちは、情報システム部で主に社内システムを開発している三宅です。
この度、SpeeeがOSSとして公開していた speee/itamae-plugin-recipe-datadog について、リポジトリを移管することになりました。
SpeeeのOSSへの取り組みについては、
SpeeeでのOSS活動事例をご紹介します - Speee DEVELOPER BLOGの記事などを読んでいただけると幸いです。
そういった取り組みの中で、itamae-plugin-recipe-datadogは生まれました。
事の発端や経緯については、Speee在籍中にOSSとしてこのGemを公開された @takanamitoさんの書かれた記事に詳しく載っていますので、興味のある方はぜひご一読ください。
この記事では、移管するにあたってクリアコードの須藤さんにアドバイスいただいた内容を二つ紹介したいと思います。
Transfer ownershipで移管する
@takanamitoさんからこの話をいただいた時、OSSのリポジトリの移管経験がなかったこともあり、二つの方法を考えていました。
GitHubのTransfer ownership機能を使う方法と、フォークしてもらって弊社側のリポジトリをアーカイブする方法です。
Transfer ownershipの場合、IssueやPull Requestの記録は引き継がれます。
一方で、フォークする場合はそれらの記録は引き継がれません。
OSSの場合、記録が残っていた方が今後の開発で役立つということを須藤さんからアドバイスしていただいたので、今回はTransfer ownershipを使うことを選択しました。
ライセンス表記は残す
移管するにあたり、ライセンスからSpeee, Inc.の表記を削除するかどうかの相談も併せて行いました。
移管後にライセンス表記が影響するのは、「将来移管先の方がライセンスを変更したくなった時」とのことでした。
ライセンス表記を残しておくと、今後ライセンスを変更する時に、弊社を含む全ての著作者に対してライセンスの変更について許諾を得る必要がでてきます。
例えば、将来的にOSSでないライセンスに変更するといったことが発生した場合に拒否をするといったことが可能になります。
一方で、今後も一切関わらないことを選択する場合は、著作権を放棄して表記を削除することもできます。
弊社としては、表記を残しておいた方がよりOSSの発展に貢献できるのではないかと考え、そのままにしておくことにしました。
(もちろん、むやみやたらにライセンス変更を拒否しようと考えているわけではないので、そこはご安心ください。)
ちなみに、もし削除する場合は移管後に移管先の方が削除するのではなく移管前に弊社側で消す方が明確で良いそうです。
さいごに
OSSの移管にあたり、わからないことだらけだったところを須藤さんに助けていただき、大変助かりました。
また、 @takanamitoさんは今回の移管に関する記事を書いてくださいました。
OSSの利用者や開発者として考えると、移管の経緯がわかっていたほうがより安心して利用/開発できると思うので、これまでメンテナンスを続けてくださったことと合わせて大変感謝をしています。
そして、 以下の記事にも書いていただきましたが、快くメンテナを引き受けてくださった@sue445さんにお礼を申し上げます。
今回のitamae-plugin-recipe-datadogに関しては、「Transfer ownershipを使う」「ライセンス表記を残す」という選択をしましたが、別のOSSでは異なる選択がベストなこともあると思います。
とはいえ、この記事が何かしらの参考になれば嬉しいです。
今後とも、itamae-plugin-recipe-datadogをよろしくお願いいたします。