「自分探し」にとどめを。 - teruyastarはかく語りき
http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20110310/1299788070
上の記事の補足です。
簡単に言うと上の記事は
「自分探し」「自己啓発書」についてゆえ
それは「宗教だ」「洗脳だ」「搾取だ」
という反論がありそうですが、
これら単語の定義はかなり広範囲の解釈が可能で
それはただの「自分探し」に混ぜると収集がつかず、
僕には手に余るものなので触れずにおきました。
「宗教」について
あくまで僕の定義ですが、
なんらかの情報思想によって生まれた(染まった)、
文書、人、組織、国、物、
それぞれみんな宗教的要素を持つと思います。
この思想は情報として「生きてる」ので、
広く侵食したり、他の思想とぶつかったりします。
世界の3大宗教は言うに及ばず、
「無宗教派」も、無宗教という宗教といえます。
AKB48のCDを買う人達は、
AKB48という教祖を祭ってる信者ですし、
ゲームオタクだと、
任天堂信者、ソニー信者、セガ信者(はドリキャスで解脱)がいて
今ではスティーブ・ジョブズ教の信者も多いですし、
なんらかのファンだとか、
それを作り出す人は教祖と信者の関係です。
会社というのも、
なんらかの思想で統一されてますので、
(大会社の偉大な社長はたいてい思想本や自伝出してるし)
そこに宗教的要素は必ず含むわけで、
全ての製品はその思想が多かれ少なかれ反映されます。
問題はオウムみたいな犯罪や、詐欺を犯す宗教で、
無宗教派の多い日本だと、「宗教」という言葉は、
だいたい悪い意味あいで使われます。
でも、構図的にはアイドルも、宗教団体も、
情報思想というくくりでは同じなんですが、
宗教の構図にハマるものを発見すると、
信者以外から見て「理解出来ない倒すべき物」と、
認識されがち。
それは結局自分の思想(宗教)が正しくて、
相手の思想(宗教)が間違ってる、という情報侵食合戦で、
理解出来ない相手を「なんか宗教みたいで気持ち悪い」、
と思うのは、、まあごく自然なことなのですが、
話の中で宗教の構図を見つけたとたん、
「宗教」=「悪」
と、いう風に話が逸れると
たいてい何が何だかわからなくなるので、
「宗教の構図」=「中立」
として捉えてくれると、客観性にみれると思います。
「洗脳」について
また、「宗教」の単語には必ず
「洗脳」という単語がついてまわりますが、
無宗教派だって無宗教という思想で「洗脳」されてる
のと同じなので「洗脳」も「中立」です。
いや、自分が「洗脳」されてるなんて考えると、
映画マトリックスよろしく、
アイデンティティを保てなくなるので、
自分が洗脳されてるとか別に深く考えなくていいのですが、
「宗教」や「洗脳」という構図が見えても、
それはこの世の中ごく自然で普通のことと捉えたほうが
客観性を持って読めます。
まあ、こんな補足が必要なのは全部
世界中にはびこる悪徳宗教団体が悪いのですが、
「宗教」「洗脳」に関して「悪」とか考え出すと、
その定義は自分自身にも及ぶのに
自分自身なんて見えないもんだから、偏見になりやすいです。
「搾取」について
物々交換だろうが、お金で物を買おうが、
物価の秒単位の変動や、
計測そのものにコストがかかることから
完全な等価交換は現実には不可能で、
その差分は「搾取」にあたります。
会社では、自分の給料の2~3倍は稼がないと
その法人システムの維持や経費をとてもまかなえないので
どうしたって「搾取」の構造を含みます。
国の税金だってそうですし、
例え税金のない共産主義でも、
労働力や時間の「搾取」があるわけです。
(なんなら銀行券やドルの発行そのものも)
「自分探し」においては、
「やりがいの搾取」なんてものも出てきがちですが、
「搾取という構造」=「悪」
とすると、一方的な視点になり
やはり全体の客観性を失いますので
この構造をみかけても今回は無視してください。
ブラック会社の低賃金や時間拘束がひどいとか、
フリーター、派遣などの本質的な話は、
政治経済に及ぶところであり、
今の社会で自然にある「搾取の構造」を嫌悪するとき、
「自分探し」の枠を超えて、国や政治経済を変える
理想的社会論の対案をもってる人もいるのでしょうが、
ここでは手に余る話です。
以上。