Windows Embedded Standard 7 の基本的な使用方法のまとめです。
購入
アヴネット株式会社 (旧ユニダックス) や 東京エレクトロン デバイス株式会社 から購入できます。
購入すると以下の3枚の DVD が届きます。
- Toolkit のインストーラ
- 32bit CPU用 Bootable インストーラ (IBW Runtime image)
- 64bit CPU用 Bootable インストーラ (IBW Runtime image)
※Toolkit のプロダクトキーは DVD のケースに書いてありますが、インストールされる Windows OS のプロダクトキーはマイクロソフトに問い合わせて取得する必要があります。
Toolkit のインストール
1枚目の DVD で Toolkit をインストールすると、次の3つが使えるようになります。
- Dialog Filter Editor
- Image Configuration Editor
- Windows PE Tools Command Prompt
[スタート] → [すべてのプログラム] → [Windows Embedded Standard 7]
から実行できます。
インストール用の Bootable USB メモリの作成
これを作成しておくとインストール時に DVD ドライブが不要になり、携帯性にも優れるため、便利です。8GByte または 16GByte の USB メモリを推奨します。
手順
Windows PE Tools Command Prompt を管理者として実行し、DiskPart コマンドで対象の USB メモリのパーティションをアクティブにする。
C:\Program Files (x86)\Windows Embedded Standard 7\Tools\PETools>diskpart Microsoft DiskPart バージョン 6.1.7601 Copyright (C) 1999-2008 Microsoft Corporation. コンピューター: DISKPART>list disk DISKPART>select disk [ディスク番号] DISKPART>clean DISKPART>create partition primary DISKPART>active DISKPART>detail partition DISKPART>format fs=ntfs label=FullDS DISKPART>exit
※diskpart の各コマンドは、先頭3文字に省略できます。
list disk → lis dis
※ディスク番号は [ディスクの管理] でも確認できます。
ファイル名を指定して実行 → diskmgmt.msc
※より詳しい説明はこちら → USB起動ディスクの準備 | アヴネット株式会社
※間違えると危険なので慎重に実行してください。USB メモリに Windows PE Image を保存すれば Windows PE の起動用、IBW Image を保存すれば IBW 起動用のブート可能な USB メモリになります。Image は両方共 Image Configuration Editor (ICE) で作成できます。
ICE で Image を作成する方法
Fullset IBWディスクの作成 | アヴネット株式会社
Windows Embedded Standard 7概論(3):どこが変わった? 刷新されたWES7のツール
マスターイメージを使用したインストール
上記の Bootable USB メモリを使用して対象のマシンに OS をインストールし、さらにその OS 上でドライバのインストールや各種設定、および、実行ファイルの配置などを行った状態をまるごとイメージファイルに変換できます。そのイメージファイルを Bootable USB メモリに保存しておくことで、その後はそのイメージファイルを対象マシンの HDD に展開するだけで OS の導入を行えるようになります。
イメージファイルの作成や展開は、Windows PE のコマンドプロンプト上で imagex コマンドを使うことで行えます。
これにより、インストールウィザードをスキップできるだけでなく、その後の初期設定も省けるため、大幅に時間を短縮できます!
Windows PE は英語キーボードの設定になっているので、キーボードから記号を入力する時は注意が必要です。
入力したい記号 | 入力方法 |
---|---|
: | Shift + ; |
\ | ] |
" | Shift + : |
= | ^ |
手順
通常のインストールと設定
上で作成した Bootable USB メモリから Windows Embedded をインストールします。
インストールが終わったら、Windows Update の適用や OS の各種設定、ソフトウェアの配置やスタートアップへの登録などを行い、イメージファイルとして保存したい状態にします。
Windows PE の Bootable USB メモリの作成
前述の「インストーラ用の Bootable USB メモリの作成」とほとんど同様に作成できます。Image Configuration Editor で IBW Image with full Distribution Share の代わりに Windows PE Image を作成し、出力された ISO フォルダの中身を USB メモリに保存すれば良いです。
イメージファイル(拡張子 .wim)の作成
まず、手順 2 で作成した Bootable USB メモリで、手順 1 の PC を起動します。
起動すると Windows PE のコマンドプロンプトが表示されます。IBW の Bootable USB メモリで起動した場合は、Shift + F10 でコマンドプロンプトを呼び出せます。
以下のコマンドを実行し、手順 1 で用意した状態を WIM 形式のイメージファイルとして、起動に用いた USB メモリに保存します。以下、手順 1 で用意したパーティションを C: 、起動に使用した USB メモリのパーティションを E: とします。
※実際に実行するときは、自分でドライブレターを確認してください。
Windows PE でも notepad コマンドで メモ帳 を起動できます。メニューから Open を選択すると表示されるダイアログをエクスプローラーの代わりに使用出来ます。>c: >imagex /capture c: e:\image_file_name.wim "name" /verify
Windows PE をシャットダウンする時は次の様にします。
>wpeutil shutdown
参考※同一イメージを展開した複数のマシンを同じ LAN 内で使う可能性がある場合は Sysprep を行っておく必要があります。
イメージの展開
インストール対象のマシンを上記の Windows PE の Bootable USB メモリで起動します。コマンドプロンプトが表示されたら以下のコマンドを実行します。
以下、インストール先のパーティションを C: とします。
> diskpart DISKPART> list disk DISKPART> select disk [ディスク番号] DISKPART> clean DISKPART> create partition primary DISKPART> active DISKPART> assign DISKPART> detail partition DISKPART> format fs=ntfs label=System DISKPART> exit > imagex /apply e:\image_file_name.wim 1 c:
BCD (Boot Configuration Data) の更新
ブート構成データを更新します。
単一パーティションの場合
>bcdboot c:\windows /s c:
システム パーティション (100MB) が C: とは別にある場合は、それを指定します。
例)D: に BCD 情報が保存されている場合>bcdboot c:\windows /s d:
参考