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MESSAGE館長ご挨拶

総合開館30周年を迎えて

東京都写真美術館 館長 伊東信一郎

東京都写真美術館 館長伊東信一郎

東京都写真美術館は、平成2(1990)年の一次施設開館を経て、平成7(1995)年に日本唯一の写真と映像の総合的な専門美術館として総合開館いたしました。展覧会、教育普及事業、作品収集、調査研究という四本の柱を中心に、図書室、上映事業、広報事業等を展開してまいりました。2001年より当館独自の活動、東京都写真美術館支援協議会も発足し、当館事業を多くの企業、団体のみなさまにも支えていただいております。これまで約600展にのぼる展覧会を開催し、昨年2024年5月には総来館者数900万人という、非常に多くのお客様にご来館いただきました。皆様に深く感謝申し上げます。

総合開館以来30年のあいだ、インターネットやデジタルカメラの普及、SNSの登場、多様な社会情勢や、震災・自然災害の発生、感染症の流行など、芸術文化を取り巻く社会環境は大きく変化し、写真と映像の表現や、その見え方や在り方も劇的に変化・拡大してまいりました。私自身も様々な写真や映像に触れる日々ですが、そのような中で、写真と映像の総合美術館としてこれからどのような活動を続けていくべきか、当館の存在の重要性が大きくなっていることを痛感しています。

約3万8千点に及ぶ当館の収蔵作品は世界に誇る貴重なコレクションです。展覧会や教育普及事業を通じて、若い方や初めて来館される方から専門家まで、あらゆる方に写真と映像文化に親しんでいただけるよう、日々、学芸員や職員たちは考え、新しいチャレンジを続けています。

今年は「総合開館30周年記念」と題し、多くの展覧会や関連事業を開催いたします。写真や映像について、じっくりと考える1年間になります。30年後の社会(コミュニティ)へ向けて当館ができることを皆様と共に探してまいりたいと思います。どうぞさまざまな機会にぜひご来館ください。

引き続き、皆様には当館へのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

2025年1月
東京都写真美術館
館長 伊東信一郎