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「釣れる天気」をどこよりも詳しく徹底解説!釣種別のおすすめの釣り物はコレだ!
釣れる天気・釣れない天気って本当にあるの?
その疑問を様々な釣りに精通した怪魚ハンターが答えます!
海釣り(船・陸)・バス釣り・シーバス・エギング・渓流(川)釣りなど、様々な釣りの釣れる天気や天気や魚の関係性について深堀ってます。
2023/07/11 更新
目次
釣れる天気は存在するのか?
自然の中で遊ぶ魚釣りでは天候の変化はつきものですよね。
勿論、晴れの日に楽しむ魚釣りって爽快で快適なのですが、じつは雨や曇りの日の方がよく釣れることもあるんです。
天気は「一つの要素」にすぎない
天気によって良く釣れる日があるのは事実ですが、“晴れだから釣れない”とか“雨が降ったから釣れる”とか……そんな単純な話ではないんです。
魚種や時期ごとによく釣れる天気は異なりますし、同じ魚であっても、実釣する時間帯、前日までの天気や水温、他にも様々な要因によって、狙い目となる天気は変化します。
天気が与える魚への影響は?
▼天気は水中の明るさを変化させる
天気の変化は水中の明るさに変化をもたらし、昼に限った話ではなく夜釣りにも影響します。
例えば、ブラックバスやキジハタのように朝夕マヅメ時、即ち薄暗い時間帯に活性が上がるような魚は、曇天や雨天の日はマヅメの釣れっぷりが長引いたり、時合が早く訪れたりすることも。
他にも、満月の晴夜は月明かりによってメバルの警戒心が上がったり、産仔行動が起こるため、釣れにくくなるというのも有名な話です。
▼天気は水温を変化させる
天気の変化は明るさの他にも、水温を変化させる要因となります。
雨の日に水温が低下するだけでなく、春に晴天が続いても上流の雪が解けて雪代が発生すると一気に水温が低下することもあります。
晴天無風の夜は放射冷却によって水面が極端に冷えたり、風が強い日には攪拌(かくはん)されて水温変化が生じる事も。
魚は変温動物なので、基本的に急激な水温変化は嫌う傾向にありますが、真夏の水温低下は好条件となることがあります。
▼雨は(水色)や水温などを変化させる
雨という天候は、明るさや水温だけでなく、水位や水色、ときに水質まで変えてしまうダイナミックな環境変化です。
濁りや水量の増加によって活性があがり釣りやすくなる魚がいる一方で、水温低下や塩分低下を嫌う魚は釣れにくくなります。
このような環境変化が生じるのに必要な雨量は、フィールドによって様々で渓流など狭い釣り場では一雨で状況が一変することもあれば、河口や海では遠くで振った雨が1日〜数日遅れて影響することがあります。
▼風は水の流れや酸素量など変化させる
風の強い日は、水面の水が風によって動かされ、波や流れを発生させます。
閉鎖的な淡水域では溶存酸素量が増加することで魚の活動量が増えたり、磯場ではサラシと呼ばれる泡の煙幕が発生し、ヒラスズキを始めとする様々な魚たちの活性が上向きます。
一方で、サイトフィッシングであったり、ウキ釣りでは水面が波立つことで釣りが成立しないことも。
▼天気は釣り場の混雑具合を変化させる
天気によって行動を変える生き物は魚だけではありません。
僕たち釣り人も、天気によって魚釣りに出かけるか悩むワケです。
天気の良い日に混雑するような釣り場でも、雨の日に出掛けると空いていることも珍しくなく、魚が人から感じるプレッシャーに焦点を当てると悪天候時の方が狙い目となります。
▼気圧による変化にも注目
魚も僕たち人間も意識しているか否かは別として気圧の変化に日々晒されています。
気圧変化などにより自律神経がみだされ頭痛やめまいを起こす病気(天気病)があるように、恐らく魚たちにも種類差や個体差こそあるでしょうが、気圧による影響があると考えられています。
一般的に気圧が低下すると魚が浮きやすくなり良く釣れると言われています。
魚種別の釣れる天気・釣りを避けたくなる天気
「一言では言い表せない変化」とは言っても、何かしらのヒントは知りたいところですよね。
以下では、こんな天気予報の時は「きっと釣れる!有給取ってでも釣りに行きたくなる!」 or 「これは釣れんぞ……。仕方ない、リスケしよう……。」というような具体例を魚種ごとにご紹介します。
海のサビキ釣りの天気
晴天ならば快適に、雨天ならば釣り場が空いていることが多いといった具合で、サビキ釣りは比較的どんな天候でも楽しめる釣りと言えます。
強いて避けるべき天候をあげるとすれば、物が飛ばされてしまうような強風時でしょうか。
サビキ釣りの釣果は天候よりも対象魚の来遊状況に左右されやすいので、実釣前に直近の釣果情報を確認すると良いでしょう。
エギングの釣れる天気
エギングでアオリイカを狙いに行きたくなる天候はズバリ“月夜”。アオリイカは満月の夜によく釣れるというのが定説です。
日中であれば照度が低く水面が穏やかな日、つまり風の無い曇天時が狙い目かなと感じます。
一方で、アオリイカは真水を嫌うとされているので水潮が発生してしまうような大雨の影響が出ている日は延期したくなりますね。
磯(外洋)の釣れる天気(ヒラスズキ・ロックフィッシュ)
サラシの有無が釣果を左右するという独特な性質を持つヒラスズキは、釣りが成立する範囲で波風が強い日が狙い目で、サラシさえあれば晴れてても雨でも釣れるイメージがありますね。
一方、晴天無風時や磯に立てないような荒れ模様は避けるべきでしょう。
ロックフィッシュは魚種によって好む天気が変わりますが、僕の経験談としてアカハタは晴天、オオモンハタは小雨、キジハタは曇天で良い釣果に恵まれてきました。
船釣りの釣れる天気
船釣りはやっぱり晴天微風が快適ですよね!
出船できないような悪天候時はさておき、波風強いのに出船できちゃう日は船酔いが怖くて少し憂鬱になります。
川(渓流・ナマズ・シーバス・ウナギ)の釣れる天気
川釣りは危険の無い範囲で増水が起きた雨後が狙い目です。
ヤマメやイワナといった渓魚やウナギは雨によってミミズなどの陸生の餌が流れ込み、活性が爆上がりします。
ナマズやシーバスといったフィッシュイーターは、増水と濁りによってルアーで簡単に釣れちゃったりもしますね。
一方で、真夏の日照り続きは水位の低下や水温の過上昇が理由で釣りに行きたくなくなります。
バスの釣れる天気
バスの釣れる天気は季節によって様々で、シーズナルパターンに合わせた釣れる天気を読むのもバス釣りの醍醐味の1つです。
例えば、水温低下という1つのファクターをとってみても、真夏であれば雨後のインレットを狙いたくなりますし、秋の冷え込みはターンオーバーが怖くて釣りに行きたくなくなります。
天候別のメリット・デメリット
最後に天候別のメリットとデメリットをおさらいしてみましょう!
どんな天気にも一長一短あり、自分が釣りたい魚にとって実釣日の天気がメリデメどっちに転ぶか考えることが大切です。
晴れの日
▼メリット
晴れの日のメリットは何と言っても釣り人が快適ですね。好天は船釣りや磯釣りではとくにメリットになるでしょう。
他にも晴れの日は水温が上がりやすいので、雷魚やハタ類といった高水温を好む魚や真冬の釣りにはメリットになります。
▼デメリット
快適に釣りができるということは、どうしても釣り場が混雑しがちですよね。
また、太陽の高い時間帯は水中の視界も明瞭で、どうしてもルアーや付け餌が魚から見破られやすくなります。
真夏の晴れ続きは川の水位低下や高水温によって著しく魚の活性が下がることもあります。
曇りの日
▼メリット
曇天最大のメリットと言えば、デメリットが少ないことかもしれませんね。
朝夕の高活性が長続きしたり、夜行性の魚が日中に釣れやすくなったりします。
また、真冬の夜釣りでは、厚い雲に空が覆われることで気温が下がりにくいというメリットもあります。
▼デメリット
致命的なデメリットになることの少ない曇りですが、シーズン序盤の雷魚やアカハタといった水温上昇を待つ魚には晴れに比べるとデメリットと言えるかもしれません。
また、バス釣りでは日向と日陰というメリハリが薄くなり、魚の居場所を絞りにくくなることも。
雨の日
▼メリット
適度な雨量は濁りや水量の増加、水温低下や溶存酸素の回復により魚の活性を上げてくれる大きなメリットとなります。
釣り人が減ったり、水面が乱れることで魚が感じるプレッシャーが低下するのも雨の日の長所と言えますね。
▼デメリット
最大のデメリットとして、過度な悪天候は水難事故につながります。
それ以外にも、雨の日はレインウェアを着用するなど防水対策が必要になり、夏であっても濡れると寒さを感じます。
また、水潮を嫌う魚にとっては、大雨によって数日間全然釣れなくなってしまうことも。
悪天候時の注意点
天候変化を見誤ると命に関わる危険があることも忘れてはいけません。
安全に釣りができる天気は釣り場によって異なりますし、雨が良く釣れるからと言って雷が鳴るなかで竿を振ってはいけません。
例えば、渓流釣りでは頭上が晴れていても山頂で雨が降ると一気に増水することがあったり、磯釣りでは晴天無風でも遠くに台風があると10分から数十分に一度大波が押し寄せることがあります。
毎日が釣り日和!
対象魚によって釣れる天気は様々で、雨の日や風の日に釣果が上向くターゲットもいます。
魚釣りに出かけようとした日が雨模様になってしまっても、あっさり諦めずに、雨の日に釣れやすくなる魚を狙ってみるのも良いかもしれませんね!