「全社員に本を配る」という企業文化
全社員(あるいは部門の全体)にとある書籍を配る企業の話をいくつか聞いたことがあります。
1990 年台後半、Microsoft では「イノベーションのジレンマ」がかなりの数の社員に配られた、という話を聞いたことがあります。また Square と Twitter の CEO である Jack Dorsey は The Checklist Manifesto を全新入社員に配っていた時期があるそうです。私も前職時代、Made to Stick が配られて読みました。
個人的に本が好きだというのもありますが、社内に同じ本を配る、というのは中々良い教育投資なのでは思っています。というのも、一人の意識が変わってもなかなか組織は変わりません。かといってトレーニングに多くの社員を送り込むと時間もお金もかかります。その点、書籍を配る、というのは金銭的にも時間的にもコストが安く上がります。
また本を配る、あるいは本を会社の本棚に置くというのは、今何を重視しているかという具体的なメッセージになります。
本棚は未来にそうありたいという自分の姿の反映だ、という話があります。本棚には過去に読んだ本を置いておくだけでなく、これから読まれる本、将来読むつもりで買った本も置かれます。つまり本棚は自分や自分たちが将来どうなりたいか、を映しているものと言えます。
もちろん配っただけでは読まれないかもしれません。ただ、数百円から数千円という、一人ランチ一回分ぐらいの投資でそうしたメッセージングができて、うまくいけば多くの人が変わるきっかけになる本の配布というのは、意外とコストパフォーマンスが高いのではないかなと思ってます。
なお、書籍の購入を促すような文化を構築しているスタートアップの事例の話は、下記のスライドの最後 (p. 87, 88) の方にまとめています。
新書の50冊キャンペーンについて
今回、50冊以上で社内向けセミナーを企画したのも、社内の数十人が一気にスタートアップに関する理解を深めていただいたほうが、その後の議論なども起きて有効ではないか、という仮説からです。
今回の執筆は新書という形式だからこそ書こうと決めた背景があって、それは少しでも安く、多くの人に手にとってスタートアップに興味や理解を持って欲しいという理由からです。
普通ビジネス書は 2,000 円前後しますが、今回の新書は 820 円 + 税なので、同じ値段で 2 冊以上は買えます。こうした価格帯のスタートアップ関連の本はあまりないので、「スタートアップ的なマインドが必要だ」というメッセージを出すときに、広く配っていただくには手軽な本なのかなと。
今回の大量購入+セミナーの取り組みの結果はいつか報告できればなと思います。
50冊以上の著者割引について
なお、社内セミナーについてはすでに枠がほとんど埋まってしまっていますが、セミナーなしでも 50 冊以上買いたい、という人がいらっしゃれば、以下の条件で著者割引 (2割引) でお送りできることになりました。
- 50冊以上の購入
- 一箇所へのお届け
- 3/21 (火) までの申込み(到着日は在庫次第なので要確認)
金額は一冊あたり 820 × 0.8 = 656 円 (+ 税) で、送料は都内は無料、都内以外は出版社に要確認となりますが、もしご興味あれば以下のフォームからご連絡ください。
追記
はてブ等で指摘のあった、『経営者が書いた本を配る/買わせる企業』という事例には配慮が足りませんでした。それが良い企業文化かというと…どうなのかなと思う部分はあります。