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selector infected WIXOSS/selector spread WIXOSS

登録日:2014/04/09 (水) 18:54:48
更新日:2024/09/05 Thu 23:46:51
所要時間:約 6 分で読めます




希望

欲望

願望

それぞれの想いを胸に

少女たちは危険なゲームの渦に飲み込まれていく



『selector infected WIXOSS/selector spread WIXOSS』とは、タカラトミーより販売されるカードゲーム“WIXOSS”を題材にしたTVアニメ。
1期『selector infected WIXOSS』が2014年4月から6月まで全12話、2期『selector spread WIXOSS』が2014年10月から12月まで全12話放映された。

監督は佐藤卓哉。
シリーズ構成は岡田麿里
製作はJ.C.STAFF。

概要

少女もののカードゲームアニメということで放送前からファンタジスタドール二期などと冗談交じりで言われていた本作だが、

  • OPで差し込まれる誰かの醜悪な笑顔。
  • 不穏な曲調で不気味なイラスト(壊れた鳥籠や散らばった羽)が散見するED
  • 各話タイトルのフォントが怖い
  • 次回予告が完全にホラー映画の演出

など、最初からクライマックスで壮絶な鬱展開が予測されていた。
カードゲームアニメではよくあること」と言ってしまえばそれまでだが、
逆に言うとそこから少年漫画的なヒロイックさを取り除いた結果がこれだとも言える。
カードを使ったバトルロイヤル的な要素から、仮面ライダー龍騎を彷彿する視聴者もいる模様。

因みに、監督(及びマリー)は「カードゲームアニメとしてではなく、自分の作風で作っていい」と上から指示を受けているらしい。
そのせいかカードゲームのルール的な描写はかなりおざなり省略されており、あくまで人間ドラマを中心に展開していく。
カードゲームの世界観に則ったという話ならまだわかるが、劇中で販促するカードゲームのルールを説明しないというのはカードアニメではイレギュラーな作り方である。
(ただし、劇中のゲーム展開はちゃんと実在のTCGのルールに則っているらしいので、気になる人は公式サイトをチェックしてみよう)
当初、他カードゲームアニメに慣れ親しんだ視聴者から「販促する気あるのか?」と疑問に思われたが、(色々な意味で)見所のあるストーリーとキャラからTCGの売り上げは上々だとか。

タイトルの「infected」は「感染する」「汚染される」、「spread」は「散布する」「蔓延させる」という意味。

二つを合わせると「感染拡大」になる。

2016年2月には総集編+一部新規シーンを追加した劇場版『selector destructed WIXOSS』が公開。
「destructed」とは「破壊する」「崩壊する」という意味。
2クール26話(+α)のアニメを91分に収めるという無理難題の結果、中身は高速のダイジェスト映画となった。
新規パートはウリスを掘り下げたり、繭が比較的大人しくなったり、割と百合映画になってたりと見どころはあるので、そういうものだと割り切って見れば幸いである(ハナレだけに)。
特典のおまけとか言うな

また、二期の「spread」でこの中で取り扱われた話自体は完結しており一応この「selector」シリーズだけでも問題ないようになっているが、
本作の根幹は続編であり完結編のLostorage conflated WIXOSSを最後まで見ないと分からないようになっているため、これから見る人はぜひLostorageシリーズも共に視聴することを進める。



あらすじ

少女たちの間でカードゲーム“WIXOSS”が密かなブームを巻き起こしている時勢。
都会に転校してきた小湊るう子は祖母と二人暮らしを送っていたが、学校生活に馴染めずにいた。
そんな時、兄から友達作りに役立てるようWIXOSSのスターターデッキをプレゼントされる。
だが、そのWIXOSSはどこか普通ではなかった。
カードの中で動き、そして喋る少女キャラクター。

そして、クラスメイトの紅林遊月から告げられる都市伝説めいたシステム。
WIXOSSプレイヤーの中でも選ばれた少女が“セレクター”と呼ばれ、その人間とのバトルに勝ち続ければ理想の自分である“夢限少女”になれる。
ただし、3回負ければ………。


登場人物

小湊るう子
CV:加隈亜衣
本作の主人公。中学2年生。一人称は普段は「私」だが、感情がたかぶると無意識に「るう」と言ってしまう。
引っ込み思案で同年代よりも祖母と遊ぶほうが好きで、当初は友人をそれほど欲しいと思っていなかったが、それを見かねた歩からWIXOSSのデッキをもらったことから無限少女を目指す戦いに巻き込まれていく。
祖母とは非常に仲が良く、遊月やタマとの出会いによって喜んでくれることを嬉しがるなど祖母思い。WIXOSSの楽しさに魅せられ、熱中するようになる。
だが叶えたい願いはなく、夢限少女の座に関しては全く興味がない。むしろ自分から遊月にバトルだけしておいてわざと負けることを提案したりする。
龍騎で言うところの真司に見せかけた浅倉(1)。

デッキカラーは白。

◆タマ
CV:久野美咲
るう子のルリグ。
赤ん坊のように純真無垢な様子でよく「にゃー」と喋るので、るう子が昔飼っていた猫に由来してネーミングされた。
だが、セレクターバトルになると戦闘民族的な一面を覗かせる・・・。

紅林遊月
CV:佐倉綾音
るう子のクラスメイト。『遊』の字が名前に入っているが主人公ではない
さっくばらんな性格で、良くも悪くもその場の勢い重視。
双子の弟である香月にガチで恋愛感情を抱いており、禁断の想いを遂げる為にセレクターバトルに挑んでいる。
るう子に対してセレクターバトルの仕組みを教えたものの、そのまま自らの勝ち星を稼ごうと全くルールを知らないるう子にバトルを強要するという初心者狩りも真っ青なえげつない行為をやってのけた。ただし、香月に咎められて以降は『願いが叶っても香月に嫌われたら意味がない』と反省しており、るう子の友人となる。以後はるう子とのバトルはせず、一緒に夢限少女を目指すと宣言した。
ルールを一切知らないるう子相手に劣勢に立たされていたのは、るう子の才能(主役補正)なのか、それとも単に彼女のカードの腕前が弱いだけなのか。
デッキカラーは速攻型の赤。

◆花代
CV:川澄綾子
遊月のルリグ。
口調は荒いが、所有者よりも親切。
姉御肌な性格からか紅林姉弟やるう子からさん付けで呼ばれている。
かよちんではない(Lostorageにはかよちん声のセレクターが出てくるが)。

◆紅林香月
CV:小林祐介
遊月の双子の弟。
ルリグの声は聞こえないので花代の言葉は遊月に代弁して貰っているが、普通なら妄想とも捉えられかねないセレクターバトルの話を信じている。
姉の卑怯な振る舞いを批判し、正々堂々とした勝負を諭すなどとても誠実な少年。

植村一衣
CV:茅野愛衣
通称ひっとえー。
人付き合いが苦手で孤独な少女。無限少女を目指すのも友達がいないから。ぼっちキャラ
るう子や遊月とは別の学校に通っている。
カードの腕前はそれなりに強いらしいが、精神的な弱さが祟って晶には手も足も出なかった。デッキカラーは緑。
いかにも薄幸そうなキャラや緑という色から最初に脱落するだの[[鬱展開]]起動要員だの散々言われている
そして、第5話で……。

◆緑子
CV:高橋未奈美
一衣のルリグ。
心優しいボクっ娘

蒼井晶
CV:赤崎千夏
巷で話題のカリスマ読者モデル。WIXOSSの宣伝にも一役買っている。自称及びファンからの通称は「アキラッキー」
表向きはおどけた明るいキャラの親しみやすい少女だが、その本性は陰湿で偏執的な悪女。
手札破壊を重点に置いた青デッキを使いこなし、実力も非常に高い。それ以上にピルルクの能力を用いて相手を精神的にいたぶる心理フェイズを好む。
自分より人気のある伊緒奈に激しい敵愾心を燃やしている。
プロデューサー直々に「10年に一度のビッチを作ります。Vガンダムのカテジナ越えを目指します」と何とも恐ろしいコメントがされているキャラクターで、台詞回しにも徹底的な監修が入っているとのこと。
…が蓋を開けてみれば次々と披露される顔芸煽りを交えた心理フェイズのねちっこさダークシグナー化するなどなど遊戯王シリーズにも迫るネタキャラっぷりを披露し、スタッフ側の予想を飛び越えた本作を代表する人気キャラとなってしまった。


ピルルク
CV:大西沙織
晶のルリグ。
晶とは殆どコミュニケーションが交わされず、ただ隷属的に従うのみの存在。
「ピーピング・アナライズ」のカードを用いて、対戦相手の心を読むというカードゲームの禁じ手をペガサスの『マインドスキャン』みたいにやってのける。
(ただし手札を見ること自体はただのカード効果であり、あくまでセレクターバトルに賭ける「願い」だけを見透かす)
スピンオフ作品では彼女のその振る舞いの理由が明かされたのだが…

浦添伊緒奈
CV:瀬戸麻沙美
晶と同じ読者モデルの少女で、その人気は晶より上。
長い黒髪と長身を持ち、無口・無表情を崩さないクールビューティー。
セレクターとしても晶を凌駕する実力者のようで、セレクターバトルに対して強い信念を持っている様子。
龍騎で言う真司に見せかけた浅倉(2)。
好物はいちご。

ウリス
CV:釘宮理恵
伊緒奈のルリグ。
クールな伊緒奈とは対照的におしゃべりで、かつ好戦的な性格。
格下の相手を見下し、挑発的な態度をとる。
セレクターバトルの「匂い」をかぎとり、他人の勝敗を見透かすことができる。

ちより
CV:杜野まこ
第6話から登場した新米セレクタ-。コスプレのような風変わりないでたちの少女。
無邪気で天真爛漫なアホの子だが、鬱展開に突入した中での清涼剤。
WIXOSSのノベライズを愛読し、現実のセレクターバトルを小説の内容と混同している。
尤も小説内でのセレクターバトルも、「3敗すれば爆死」というガチ闇のゲームとして描写されているので、軽い気持ちで挑んでいる訳ではない。

◆エルドラ
CV:新井里美
ちよりのルリグ。
言葉は丁寧だが飄々とした性格で、お馬鹿なちよりとは凸凹コンビ。

◆ふたせ文緒
CV:櫻井浩美飯田友子(過去)
ちよりが愛読しているWIXOSSのノベライズの著者。
ルリグだった過去を持っている。
「ふたせ文緒」という名前はあくまでもペンネームで、「ふたせ」とは過去の文緒がルリグに付けていた名前である。

◆アン
CV:長妻樹里
文緒のルリグ。
高飛車な性格。

◆小湊ハツ
CV:久保田民絵
るう子の祖母。
携帯ゲームソフトを改造できるなど、見た目とは裏腹にコンピューターおばあちゃん。
高齢者なのにWIXOSSにハマってしまった。しかもるう子より圧倒的に強い。
40年前、タイガーセブンを兄の仇として憎んでいたらしい。

◆小湊歩
CV:石谷春貴
るう子の兄。友達を作らず祖母に心配をかける彼女を見かねて、WIXOSSのデッキを渡した。
足が臭い。
作中屈指の常識人。

◆ほのか
CV:巽悠衣子
香月の幼馴染でクラスメイト。
香月と遊月の関係が気に入らず、噂を流したり同級生全員で吊るしあげたりと
ある意味では晶以上に卑劣な性格。

【用語】
◆WIXOSS
巷で女子に流行りのカードゲーム。芸能人を初めとする著名人にもプレイヤーが多く、女性向け雑誌で特集が組まれていたりする。
ほとんどのプレイヤーはただのカードゲームとして遊んでいるが、ごく少数の「セレクター」に選ばれた少女たちは、「夢限少女」の座をかけて壮絶な戦いを繰り広げている。
セレクター同士の戦いになると、ルリグが実体化するバトルフィールドに意識が転送されてそこでゲームを行う。

◆セレクター
意志を持ったルリグカードを持ちルリグの声を聞き、夢限少女を決める戦いに参加する資格を得た少女のこと。数は非常に少ないらしい。
セレクター同士の戦いに3回敗北すると、資格を失いルリグの声も聞けなくなる。
作品内で発売されている「WIXOSSのライトノベル」ではそれに加え、
体内のWIXOSS因子の暴走によりセレクター=サンはしめやかに爆発四散、肉体が破裂し死亡するとされている。

◆夢限少女
セレクターがWIXOSSで勝ち抜いていくとなれると言われている存在。
「なんでも願いが叶う」のではなく、「願いを叶えることのできる自分になれる」とされている。(つまり叶うとは言ってない)
しかも、何回勝利すれば夢限少女になるかは明かされておらず、さらにそもそも勝ち数を重ねるだけでも駄目で、
願いに応じた「条件」が別に課されるという。
なんか回を追うごとに雲行きが怪しくなってきているが…。

◆ルリグ(LRIG)
WIXOSSにおいて、プレイヤーの分身として戦うカード。
セレクターの持つカードのルリグは意志を持っているが、3回負けると消滅してしまう。
ルリグは周囲のセレクターやバトルが行われている位置を察知することができる。
緑子がひっとえーに「ボクを捨てろ」と促したり、アキラッキーがピルルクを破ろうとしたりするシーンがあることから、
捨てたり破ったりしたらゲームを離脱できるようである。
語源は少女(GIRL)の逆読み。

以下、作品の根幹をなすネタバレ





























夢限少女→GIRL→LRIG…

夢限少女、すなわち「願いを叶えられる自分」とはルリグそのもののこと。
願いを叶えるための「条件」が満たされると、セレクターの身体にそれまで使っていたルリグが憑依する。
ルリグが憑依して人格が変わる事が、「願いが叶えられる自分になる」ことの真相である。

ではセレクター自身の意識はどうなるかと言うと、ルリグと入れ替わりにカードに封印され、新しいルリグになる。
そしてルリグとなった者はとにかく人間の身体に戻りたいため、新たな犠牲者(セレクター)を生もうとするのである。

つまり自分を捨てるよう言い聞かせていた緑子は、ひっとえーの為に自分の命を捨てようとしていたのである。
最も流石に躊躇があったのか、肝心なことを言わずに終わってしまったが…。

やはり不幸しか生まないシステムだった。
闇の決闘より酷いかもしれない。えっ...何?命を奪う闇のゲームの方が酷いって?




情けは無用♪

追記修正(ルール)がわからない内に、叩きのめす!!


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最終更新:2024年09月05日 23:46