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ダブルクロス(TRPG)

登録日:2014/10/08 (水) 00:51:46
更新日:2024/11/13 Wed 10:41:21
所要時間:約 11 分で読めます





ダブルクロス

それは、裏切りを意味する言葉


ダブルクロスとは現代アクション物テーブルトークRPG。
ゲームデザイナーは下がる男クレバー矢野こと矢野俊策。
2009年に版上げされていて、2023年現在は第3版(『The 3rd Edition』)となっている。略称は『ダブクロ』『DX3』『DX3rd』など。


■概要

日常と非日常、人間と化け物の狭間で揺れ動く「超人の苦悩」を主軸とした、いわゆる現代アクションファンタジー
プレイヤーは、未知の因子“レネゲイドウィルス”によって超常の力に目覚め、大切な日常と絆を守るために非日常の闘争へと身を投じることになる。
「レネゲイドウィルスに侵食された現代社会」が基本的な舞台だが、追加サプリメントを導入すれば「第二次世界大戦の超人部隊」「学園島で学園モノ」なんかも出来る。

多種多様なデータの組み合わせとロールプレイによる必殺技演出によって、大概の異能力モノは再現できるのが魅力。
血の刃で居合切りしたり、電磁誘導砲と義肢内蔵砲をダブル撃ちしたり、巨大ロボットで大猿と殴り合ったり、何でもできる。
向き不向きは当然あるが、どのクラスにも「基本攻撃技」と言うべきものはあり、一定の戦闘能力は確保されている。

判定は10面ダイスを用いた上方判定。設定されたクリティカル値に達しているダイスは再度振りなおし、さらに数値に達していればまた再度振りと、クリティカルしている限り判定をプラスし続ける。
場合によってはダイスを10個も20個も振るい、それに伴い火力もインフレしていく。
それは相手も同じであるため、PCキャラはボス戦だと大体即死→再生→また即死→また再生を繰り返す事になる。HPは飾り


■レネゲイドウィルス

生物に取り付き遺伝子を書きかえることで常識を外れた力を与える未知の因子。
「ウィルス」とは言うが、振る舞いが似ているから便宜上そう呼んでいるだけであり、レネゲイドが実際なんなのかはイマイチ分かっていない
潜伏感染者が肉体的・精神的に強いショックを受けた時に活性化し、超人“オーヴァード”へと覚醒させる。
人だけでは無くモノや動物にも感染し、スーパーアニマルや超常オブジェクトに変えてしまうのだ。
  • 人間 → オーヴァード
  • 犬 → A(アニマル)オーヴァード:人語を喋ったり、人間に変身できるようになったり
  • 日本刀 → EXレネゲイド:怪物殺しの妖刀
  • ヤカン → EXレネゲイド:なんやかんや秋葉で大暴れ
…物にも感染するってどんなウィルスだ。
オーヴァードは総じて、致命傷すら瞬く間に治癒する再生力、人間離れした身体能力、そしてエフェクトと呼ばれる様々な超能力を有する。
+ レネゲイドウィルスの歴史・起源について
レネゲイドウィルス自体は希少ながら昔から存在し、「オーヴァード」や後述の「ジャーム」が平安時代には「陰陽師」「鬼」として認識されていたりする。

そして現代(『3rd Edition』時系列からみて20年前)。
ある遺跡の出土品を積んだ輸送機が原因不明の事故を起こした際、出土品に含まれていたウィルスが成層圏で拡散、世界中に蔓延してしまった。

しかしレネゲイドウィルスにはリスクも大きい。
レネゲイドは徐々にオーヴァードの理性を蝕んでいき、湧き上がる衝動に負けたオーヴァードは理性なき怪物“ジャーム”と成り果てる。
一度ジャーム化した者は、二度と“こちら側”に戻ることは出来ない。

ウィルスの働きは侵蝕率という数値で表され、「物語(シーン)に登場する」「超能力(エフェクト)を使う」などといった“非日常”の世界へと関わっていくたびに上昇していく。
侵蝕率が上がるほどウィルスが活性化し、判定時に振れるダイス数が増えたり、より強力なエフェクトが解禁されるのだ。
しかしそれは人間性を捧げた強さに他ならない。ゲーム終了直前に侵蝕率を下げることができるが、それでもなお侵蝕率が100%を超えていたキャラクターはジャーム化=PCロストとなる。


■ロイスとタイタス

家族、親友、恋人、仲間、仇、ライバル、その他もろもろPCが抱いている強い想い、守るべき日常との繋がりを『ロイス』と呼ぶ。
この繋がりによって、オーヴァードはジャーム化の危険から遠ざかる*1残機っていうな

関係性が劇的に変わり(死別、裏切りなど)、PCにとって心の支えたりえなくなったロイスは『タイタス』へと変化する。
タイタスへの後悔や無念を「昇華」して己を振るい立てることで、オーヴァードはさらなる力を発揮できる。
タイタス昇華の効果は様々だが、大抵はクライマックス戦闘などで「復活する」効果を使うことになる。
しかし一度攻撃に用いれば、一撃必殺の威力を生み出す。絆パワーは強いのだ。

ただしロイスはオーヴァードが日常に戻るための大切な楔である。
タイタス昇華の乱用は、PCロストの危険に直結する。

▼タイタス使用例
(0M0)俺は、俺は、……俺は君が好きだった!君のことを大切に思っていた!!(ロイスをタイタス昇華)

バーニングディバイド/(ダイス判定)

(♯0M0)『ザヨゴォォォォォォォ!!!』(タイタスの効果により達成値がすごいことになる)

また、『上級ルールブック』を用いることで以下の三種類を使用出来る。
  • Dロイス:ディスクリプトロイス。特別な境遇や能力者であることを示す。ロイス枠と引き換えに特別な装備品の使用、特殊な判定・効果を用いることが出来る
  • Sロイス:スペリオルロイス。より思い入れのある大切な絆。護りきれば通常より多くの経験点を得られる他、タイタスとして昇華しても通常よりも強力な効果が得られる
  • Eロイス:エグゾーストロイス。エネミーキャラ専用。ジャームが人間であったころの人間性の残滓、強烈な妄執と欲望の塊であり、いずれも致命的かつ凶悪な性能を持つ。


■UGNとFH

ダブルクロス世界にはいくつかの組織が存在しているのだが、その中でも特に巨大なのがUGN(ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク)FH(ファルスハーツ)
UGNは「変質してしまっている日常は一般人に知られないように、世界の秩序を守ろう!」「オーヴァードと非オーヴァードが共に生きられる世界を目指そう!」とする秘密組織。大概のPCはこっちの一員ないしは協力者。
一方のFHは「一般人とか知るか!欲望のままこの力を振るうのだ!」「オーヴァードの方が優れているから支配しよう!」と主張するテロ組織。(セルと呼ばれる組織単位ごとに細かな目的は異なる)基本は悪役だが、FHのキャラクターでプレイすることもできる(要サプリメント『パブリックエネミー』)。
(UGNにも黒い側面があったり、FH側でも確固とした信念を持っていたりと、必ずしも勧善懲悪でない所もまた面白い。)


■シンドロームとエフェクト

火を出したり、変身したりといったオーヴァードの能力を、総称してエフェクトと呼ぶ。
そのエフェクトを分類・体系付けしたものがシンドロームと呼ばれる。
オーヴァードは最大3つまでのシンドロームを保有し、各々特徴的な能力を発揮する。

▼ブリード
幾つのシンドロームを扱えるかで決まる部類。
  • 1つ→ピュアブリード:一点特化型の純血種。能力の幅が無いため向き不向きが激しくなるが、基礎的能力や技の威力は最も高くなる。
  • 2つ→クロスブリード:最もメジャーな二種混合種。弱点の補強や利点を伸ばしやすいバランス型。
  • 3つ→トライブリード:『3rd』で追加された三種混合種。多彩な能力を持つため対応力は高いが一つ一つの性能は下がるため、器用貧乏に陥りやすい。

▼代表的なエフェクト
《ワーディング》
全てのオーヴァード、ジャームが使用出来るエフェクト。発動者を中心に一定範囲の非オーヴァードを「無力化」する。
周囲の一般人は失神したり意識が曖昧な状態になったりする。
オーヴァードやジャームの存在が世間に露見しにくくなっている一因。
『灼眼のシャナ』封絶や初期のプリキュアシリーズで見られた「戦闘時に一般人が気絶する現象」のイメージで大体合っている。

《リザレクト》
こちらも全オーヴァード共通の能力。侵蝕率100%未満なら使い放題。ダブルクロスが死にゲーになる一因。
逆に言うと100%を超えてしまったジャームは使えない、PCの特権でもある。
首が飛んでも、心臓を撃ち抜かれても、全身を粉砕されても復活出来る。
即死させられては復活し……を繰り返す本作では正に生命線と呼べる能力。

《コンセントレイト》
アタッカーには(ほぼ)必須のエフェクト。『3rd』時にそれまで分散していた同種のエフェクト群がこれとリアクション判定版の《リフレックス》に統合されて生まれた。
正確には《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》というように、シンドロームを指定して取得する。
これが無いと攻撃判定の達成値が全然伸びない。
コンストラクション作成では強制的にLV2で取得する。

■シンドローム一覧

現在確認されているシンドローム。基本の12種+追加1種。
さらにクロウリングケイオスステージ専用1種が存在する。

▼エンジェルハィロゥ

天使だ、なんて冗談じゃない。私の光はただの武器だ
人を貫き、惑わし、そして殺す
温かみなんてどこにもない
だから、――私をそんな目で見ないで

――“黒い天使”、任務後の一言

「光」を操る能力。
屈折率を操って敵の知覚を鈍らせ、逆に自らの知覚を強化して攻撃を避け、
回避不能のレーザービームを放って一掃…
など、遠近攻撃、妨害、支援、強化となんでもござれな戦闘万能型。
名の由来は使用者がほのかな光を発し、その様が天使の輪(エンジェルハィロゥ)のようにみえることから。

▼バロール

生の始まりは暗く、死の終わりもまた冥い
幾千幾万の屍を踏み越えて尚、知りえぬ闇の中にあるらしい
ならば俺は闇となろう
生を喰らい死を飲み干し、万物を等しく滅ぼす狩猟者となるのだ

――“狩猟者(プレデター)”伊庭宗一*2、闇の中にて

魔眼と呼ばれる黒い球体で「重力」や「空間」を操る能力。
超重力による物理攻撃強化、重力波での遠距離戦闘、ブラックホールで攻撃を吸い込みダメージをゼロにする、果てには時間を止めて相手の判定を強制失敗させる、など攻防秀でたシンドローム。
名前の由来はケルト神話の魔眼を持つ神バロールから。

▼ブラックドッグ

雷とは、天より下される裁きの鉄槌
だが、今の世に神はなく、正しき裁きもない
ならば、神に代わりて悪に誅罰を下すことこそ我が使命
我、応報の女神となりて裏切り者を滅ぼさん

――“審判の日(ドゥームズデイ)”、九十九回目の裁きの前に

体内の生体電流を任意に増幅して「電気」を、派生して「磁力」や「電波」「機械」を操る能力。
攻撃力や攻撃判定に使用するダイス数の増加による威力強化に長ける。
また機械を操る能力から、自在に動くサイボーグ義肢も再現可能。情報収集演出においても強力なシンドローム。
由来はイギリスに伝わる雷を引き連れた精霊、黒妖犬から。

▼ブラム=ストーカー

「滾れ、私の中の赫き赤!」
瞬間、私の手の中に細剣が出現した。色は赤、輝きは黄金
己の血を以て対することが、私が己に課した決闘者の掟
「あなたを倒すわ。この私の、血と誇りにかけて」

――“剣匠卿(ソードビート)”春日斬絵、決闘場にて声高らかに

「血液」を操る能力。血液で武器を作ったりする
吸血鬼としての“不死性”に重きが置かれているのか、相手の血肉を自らの物とするドレイン攻撃や他者に血を与え癒す、死した者に血を与え復活させるなど、実に“らしい”能力が揃っている。
「攻撃力が高い代わりに一挙手一投足の度に減って行くHPを、攻撃を敵に当てる事で回復して補う設計」と表現すればテクニカルなキャラのようだが、
先述の通り本作はHPなどあって無いようなものなので、単純に攻撃力高めのクラスとして運用できる。
また、“従者”と呼ばれる分身を作り出して使役することも可能。3rdでは非常に使いづらくなったが…。
名の由来は怪奇小説の古典『ドラキュラ』の作者ブラム=ストーカーから。

▼キュマイラ

どうだよ、この顔は。誰もが恐れ、逃げだすだろう
どうだよ、この腕は。オマエを簡単に引き裂くことができちまう
――けど、信じてくれ
オレは、オレだ。怪物なんかじゃない、人間なんだ!

――とあるオーヴァード、狩られる前に

「肉体を獣化」させる能力。
はっきりとした異形化であり、ある意味ダブルクロスのテーマを最も端的に表したシンドローム。
ただでさえ一般人を上回る身体能力を持つオーヴァードだが本クラスはそれが顕著。
獣化せずとも凄まじい膂力を誇り、八歳児が片手で自動車を持ち上げた事例も。
獣化時の強さは言うに及ばず、単純な腕力勝負でいえば最強クラスの超脳筋シンドローム。
他にも獣性により本能に訴えかけ、野生動物を従えたり相手を萎縮させるなどといった能力も持つ。
名の由来はギリシャ神話に登場する混合獣キマイラから。

▼エグザイル

指の一部を糸と化し、周囲に張り巡らせる
この糸は私の信念。どれだけ細くても、切れることはない
目を開けると、視線の向こうには一体のジャーム
覚悟を決めてこう告げる。――ここから先へは、進ませない

――“シルクスパイダー”玉野椿、K市某所地下通路にて

「肉体を変化」させる能力。
肉体変化という点ではキュマイラと同じだが、こちらは人間としての形はある程度保ったまま、腕を伸ばしての遠距離攻撃や骨を露出させて刃とするなどをの変化を行う。
悪魔の実的に言うならキュマイラがゾオン系でエグザイルはパラミシア系。
サンプルキャラにもある様に、超強度の爪を細長く伸ばして操る能力を持つ事から「糸使い」キャラはここに含まれる。
名の由来は日本神話の神、ヒルコ。骨なしの不具の子として生まれ、イザナミ・イザナギにより川に流されたことから追放者=Exileの名がつけられた。このシンドロームだけ妙に捻った由来である。

▼ハヌマーン

求めるのは“疾さ”。征くべきは、“音の向こう側”
今のオレでは遅すぎて、遠すぎて、弱すぎて。まだ届かない
けど、必ずたどり着く。追い付いてみせる
だからきっと、そこで待っていてくれるよな?

――“スピードキング”夜明けの路上にて

凄まじい「速さ」を有し、「音」「振動」を操る能力。
速さこそ有能を地で行く万能型。ただしデータ的にはエンジェルハィロゥの方が速い。光速には勝てなかったよ…。
振動操作で衝撃波を放ったり、音波攻撃や歌による支援もこなすなど、割と器用。
名の由来はインドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する神獣。

▼モルフェウス

“必要な物”は、なんだって手に入る
今だってほら、こんなにも強そうな武器を作り出せた
けれど、“欲しい物”だけは、どんなに頑張っても作れない
一体どうすれば、私はあんな素敵な笑顔を作り出せるのカナ?

――“ロストチャイルド”の素朴な疑問

物質の「創造」「変換」を得意とする、錬金術シンドローム。
質量さえも無視して、武器や乗り物をその場で創り出して戦う。ロボも創れる。
「砂」という形で能力を用いる者もおり、一説にはこの「砂を操る力」こそがモルフェウスの真髄であるとも。
名の由来は“かたどる”という意味の単語『モーフィング』の語源、ギリシャ神話の神モルフェウスから。

▼ノイマン

“限界”とは、常識という名の枷。思考せよ、洞察せよ、直観せよ、解析せよ
理解するのだ、君には“それ”が“出来る”のだと
君の脳に知り及べぬことなど何もないのだと
さぁ、超越への第一歩を踏み出せ!

――Dr.ビューティフルマインドかく語りき

「超頭脳」のシンドローム。ありていに言えば「天才になる」能力。あたいったら天才ね!
扱ったことのない銃器を専門家以上に扱う、知らない筈の知識を引き出すなど、その知性は様々な分野に及ぶ。
優れた頭脳が導き出す戦闘技巧を駆使しての直接戦闘や前線指揮、また交渉などの力技が通じない分野にも秀でた全方位万能型。
名の由来はコンピューターの基礎論理構造を作り上げた数学者フォン・ノイマンから。

▼オルクス

止まりなさい。そこから先は私の“領域”よ
誰にも触らせないし、踏み込ませない。それでも進むつもりなの?馬鹿?
いいわ、あなたの執念が、“領域”をどれだけ侵蝕出来るか見届けてあげる
対価は、あなたの命だけどね

――“夜明けの使者(デイブレイク)”神城早月*3、襲撃者への宣言

「空間支配」の能力。ただしドワォはしない。
“領域”と呼ばれる空間を作り出し、その中にある物質を意のままに操れる。
念動力に始まり、地形から因果律、果てには動物や植物まで、本当になんでも意のまま。
…能力の幅が広すぎてピンとこない?考えるな、感じろ。
戦場を自在に変化させるという特性から、支援役、指揮官役を担うことが多い。
名の由来はローマ神話の冥府の王オルクスから。

▼サラマンダー

矛盾を恐れるな
炎熱を支配するのは、氷の理性。氷雪を制御するのは、炎の激情
一見、相反する要素の調和こそが“力”を生む
相性最悪に思える奴ほど、案外、いいコンビになるってことさ

――“ドラゴンブレス”松波晶、相性最悪の相棒に

「熱量」を操る能力
名前のイメージから勘違いしがちだが、炎だけでなく氷も操れる
単に「燃やす」「凍らせる」だけに留まらず、体温を操っての自己強化や、火炎や氷壁で盾役もこなす。
でもやっぱり火力がすごいアタッカー気質。
名の由来は四大精霊の一つサラマンダーから。

▼ソラリス

私は一人の映写技師
夢という名の幻灯を、意識という名の銀幕に投影するの
所詮、人生は神経細胞が生み出す泡沫の劇場、人は哀れな道化役者
いっそ夢見るままに死ねるなら、それは素敵なことじゃない?

――S級エージェント“シネマパラダイス”のモノローグ

様々な「薬品を生成する」シンドローム。
能力者の肉体そのものが一種の化学プラントとなる。
生成した薬品は液化や気化も自由自在。毒ガスのように散布することで敵の行動を妨げ、味方の力を高める。
全体的に支援よりで、自ら殴るのは不得手。文字通りのドーピングで味方をブーストする。
名の由来は幻をみせる惑星が登場する小説『ソラリスの陽のもとに』から。


▼ウロボロス

喰らうがいい! 人の枠から外れた者を! 裏切り者どもを!
思う存分喰らうがいい!
喰らい、捕食し、進化するのだ! 究極の一となるその日まで!
……む。それでは、すべてのオーヴァードを喰らった後はどうなるのだ?
伝承どおり自分の脚でも喰うか? いやいやそれでは……

――狂気の科学者、ウロボロスを前にして

追加ルールブック『インフィニティコード』より追加された、13番目のシンドローム。
他者の「レネゲイドを吸収」し、「能力をコピー」する独特すぎる能力。更に影を操ることもできる。
全てのシンドロームの始祖とも、逆に進化の果ての究極系とも言われているが、真相はいまだ不明。
(ちなみに発見が遅れたのは、コピー能力のせいで他のシンドロームと誤認されていたため。)
コピーも影も非常に強力だが、侵蝕率はマッハで増えていく。
なお、こいつ専用のDロイス『傍らに立つ影(シャドウバディ)』の説明文がこの人の初登場シーンのやりとりに似ている。狙ったかF.E.A.R.!

+ クロウリングケイオスステージ専用シンドローム

▼アザトース

見える……!
光が……すべてが入り混じったこの情報の渦こそが、心理だというのか……!
いや、違う! これが、こんなものが宇宙の真理であるはずがない! このフルートの音色はなんだ! 私は何を見ているのだ!? ああ……触れるべきではなかった! 知ろうとするべきではなかった! 知性は希望ではなかった、問いは答えではなかった、ただ宿命を否定するこれは……虚無……零……ああ……いや……白痴の王……!
オーヴァードは存在してはならなかった! ならなかったんだァァァァァ!

――葛城航一郎、UGN秘密研究施設で自殺の直前に

追加ルールブック『クロウリングケイオス』より追加された、14番目のシンドローム。
レネゲイドウィルスがクトゥルフと結びつけられたクロウリングケイオスステージにおいて、白痴の王・アザトースの名を与えられている。
このシンドロームは他の13のシンドロームが「科学的に定義可能な領域」に干渉する中、それ以外の「宿命」や「因果律」に干渉する能力を持つ。
データ的にもこれまでにない効果や、ステージ専用ルールと結びついたエフェクトが多い。
クロウリングケイオスステージは基本ルールブック2冊のみと合わせても遊べるのだが、このシンドロームは『エフェクトアーカイブ』時代を基準とした性能を持つ。
また2022年(最新のサプリメント発売時点)において、唯一シンドローム専用Dロイスが存在しない。

■余談

ちなみにダブルクロスの元ネタの一つとして『ワイルドカード』というSF小説が存在する。
『ゲーム・オブ・スローンズ』などで有名な小説家G.R.R.マーティンが主催したシェアード・ワールドノベルで、
WW2直後マンハッタン上空で宇宙人の細菌兵器が爆発、それによって世界中で突然変異の超能力者が発生した……という世界設定の根幹から、
能力者は「エース」と「ジョーカー」の二つに大きく分かれる、魔術や超科学に見えるものも能力に過ぎないといった点など、
その他多くの設定を『ダブルクロス』がオマージュしていたりする。
といっても『ワイルドカード』世界では能力者の存在は完全に認知されているので、異能伝奇ものではなく完全にアメコミのノリだが。
(『ダブルクロス』で再現するならレネゲイドウォーステージが一番近いかもしれない)
さらに『ワイルドカード』自体『ガープススーパーヒーローズ』キャンペーンが元ネタであるから、TRPGとは縁深い作品である。
本国では今だ展開が続いている人気作で、残念なことに本邦では翻訳企画主導者のかたが亡くなってしまったため中断したが、
能力者たちの誕生と現代史を描いた第一部、侵略者と戦う第二部、悪の秘密結社相手に能力者が集合する第三部までの全6巻は出版されているので、
興味のある人は手にとってみると良いだろう。


追記・修正、それはアニヲタwikiを意味する言葉…
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最終更新:2024年11月13日 10:41

*1 システム的に言えば、ボス戦後にロイス1つにつき1D10%だけ侵蝕率を下げられる

*2 公式NPC。戦闘狂の職業暗殺者

*3 公式NPC。巨大企業・神城グループの若き会長