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アギラ

登録日:2016/12/24 (土) 22:22:17
更新日:2024/09/07 Sat 02:13:53
所要時間:約 10 分で読めます






アギラとは、ウルトラシリーズに登場する怪獣である。初登場は『ウルトラセブン』。
ウルトラセブンに仕える三大怪獣の中でも一番不遇で空気な子として有名。
四大怪獣とか言われない時点でセブンガーの方がさらに不遇で空気だが、まぁうん……


概要

種別:カプセル怪獣
体長:45m
体重:1万2千t
出身地:M78星雲アニマル星
特技:ダイノダッシュ

角竜に似た姿をした怪獣。いつも眠そうな目をしており、興奮すると襟巻を激しく広げて威嚇する
普段は四本足で歩くが、敵と戦う時などは二本足で駆け回る。
どっからどう見ても味方には見えない外見だが、これは同時期に放送されていた特撮『怪獣王子』の影響らしい。

素早い動きと額の上の一本角が得意で、トカゲみたいな外見に見合わず機転が利き、動きも素早い。
ミクラスがパワー系、ウインダムが射撃系のイメージが強いため、後発の作品ではスピードキャラとして描かれることが多い…ような気がする。
必殺技は猛スピードで角で突く「ダイノダッシュ」


一人だけ登場が際立って遅かったため、知名度も低く、カプセル怪獣の中では正直一番扱いが悪い。


活躍

ウルトラセブン

第32話「散歩する惑星」にて初登場。
浮遊惑星からの妨害電波により変身できなかったモロボシ・ダンに召喚され、浮遊惑星上でメカニズム怪獣リッガーと対決。
大人と子供のような体格差にも怯まず飛び乗って叩きまくり、壮絶な寝技合戦を繰り広げたが、
さすがに相手が悪すぎたため(リッガーには後にセブンも苦戦している)、尻尾でボコボコに打ち据えられて敗北してしまった。
とは言え、ダンが妨害電波の発生基地を爆破するまでの時間稼ぎには成功している。

第46話「ダン対セブンの決闘」ではニセウルトラセブンとの戦いに召喚されるも、
主君とそっくりなにせセブンに仰天してしまい、混乱したまま戦うことになってしまう。
ニセモノと分かってからは割り切って戦うも、セブンと同一の力を持つアンドロイドにはまるで歯が立たずボコボコにされ、
崖の下に隠れていた(この時頬杖をついたり、頭を抱えたりと仕草が非常に人間臭い)所を背後から暴行を受け、
そのまま谷底に突き落とされてしまった。哀れ……。

なおリッガーとの対決ではラドンの声だがにせセブンとの対決ではアイロス星人の声と何故か違う。

他の二体と比べると後の有名怪獣とは戦えておらず、そういう面でも不遇につながってるのかもしれない。
…というかほかの二体の時もそうだが、この頃のセブンはカプセル怪獣をうまく扱えているとはとても思えない。


ウルトラファイト

ウルトラセブンの子分として登場するが、全戦全敗の不名誉を得る。
一応セブンが加勢して勝ったことはあるが、ほとんどセブンが勝ったようなもん。
着ぐるみは『セブン』本編のものにキバを付けただけ。

『セブン』から『ウルトラ銀河伝説』に至るまでの40年弱、長らく映像作品への再登場の機会に恵まれなかったこともあり、
本作における「セブンの舎弟」的な立ち位置がアギラという怪獣のイメージに反映されているファンも少なくないのではないだろうか。


(ウルトラマンタロウ)

直接は登場しない。
人類と共存できず、セブン・タロウに宇宙に連れられたキングトータス・クイントータス・ミニトータスの親子はアニマル星で暮らしているという裏設定がある。
セブンの縁で連れられてきたと思われ、アギラやその同族たちと暮らしているのだろう。


(平成ウルトラセブン)

ミクラスやウインダムは登場したのに登場せず。
小説版『EPISODE:0』では登場しなかった理由について本当は使用したかったが、知能が低いのでミクラスやウインダムとのタッグ戦は無理だろうと判断し使用を避けたとされており、
完全にリストラされるダメ社員みたいな扱いを受けていた。


(ウルトラマンメビウス)

ミクラスやウインダムはマケット怪獣にして貰えたのにまたしても登場せず。
小説『アンデレスホリゾント』では一応マケット怪獣制作はされていたらしい。


大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

ここにきてまさかの復ッ活ッ!! アギラ復活ッッッ!!!アギラ!俺はもう一度戦って欲しい!
光の国がウルトラマンベリアルの襲撃を受けて闇と氷に閉ざされた際、ウインダムやミクラスと共にダンに召喚された。
ベリアルの手下・シャプレー星人が嗾けた三体の怪獣、ベムスタードラコサラマンドラに果敢に挑んでいく。

メンタル面に難があった『セブン』時代とは打って変わって勇猛果敢に彗星怪獣ドラコに突撃し、
鎌での切り付けも物ともせずに打撃、頭突きの連打を喰らわせる。
自由自在に空を飛べるドラコが相手でも、地上からのハイスピード攻撃で絶対に土俵に上げないというお得意の知性と俊敏さを生かした戦法で圧倒!

そしてセブンの掛け声とともに組み合っていたドラコを首の力で跳ね上げ、高々とジャンプして角で一閃!
これにはドラコもたまらず空中で木端微塵に爆発四散した。

さすが、過去にウルトラマンレオ鍛え上げただけのことはある。
名伯楽セブンによる教育は、いつも負けてばかりいた三匹の弱小怪獣を稀代の英雄へと育て上げたのだ。

シナリオではサラマンドラと戦う予定だった。

着ぐるみは本作のために新造されたもの。

アギラも加えたカプセル怪獣3体が勢揃いして戦うのも、映像ではこれが初であり、カプセル怪獣を3体並べたのは、造型担当の品田冬樹による提案である。

ウルトラマンデッカー


AGIRA!!

身長45m、体重1万2000トン。
アギラのカードをリードすることで現れる、怪獣だ!

角にエネルギーを集中させてからの突進攻撃は、とても強力だ!
『ウルトラマンデッカー』第6話「地底怪獣現る!現る!」
「カナタのウルトラディメンションナビ」より


第2話「決意のカナタ」にて、デスドラゴとの戦いで苦戦するカナタの前にディメンションカードとして登場した。

そして、第6話「地底怪獣現る!現る!」にてついに登場。グドンパゴステレスドンを従え包囲攻撃をするというピンチに見舞われたデッカーが事態を打開するために召喚された。
召喚されるや否や、アギラは角にエネルギーを蓄えての突撃をテレスドンに叩き込んでたった一発で粉砕
数体の怪獣による包囲網を打開するシチュだったとはいえディメンションカード召喚怪獣で初めて単独で敵を仕留めるという戦果を挙げており、
とてもリッガーにベシベシやられていたやつと同じとは思えない瞬殺ぶりであった。
その直後役割を終えて消失する際に『セブン』第46話で見せた頬杖をつくポーズを決めていた。

本編後の『カナタのウルトラディメンションナビ』では、カナタがアギラに対し「アギラってなんか和むんだよなあ~」と評価。
それに対し、ハネジローことHANE2は「カナタにはない要素だな!」と辛辣な評価を下している。「確かに和みはないかも……」

第9話「誰がための雄姿」ではスフィアレッドキングの誘爆からグレゴール人グレースを救助するため、ウインダムやミクラスと共に一斉に引っ張って引きはがした。

第14話「魔神誕生」でも、ミクラスやウインダムともどもデッカー(デッカー・アスミ)の手で召還。
三体揃って復活したスフィアザウルスに立ち向かうが、テラフェイザー(フェーズ2)のTRメガバスターの直撃を受け消滅してしまった。

派生作品

ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル1』ではウインダムやミクラスと共々ダークルギエルの手によってスパークドールズにされているのが確認できる。
セブンと一緒にダークスパークウォーズに参加したのだろうか。
その後、『ウルトラマンX』ではウルトラマンギンガに変身する礼堂ヒカルの口から、
「怪獣との共生」を示す一例として、今も光の国でウインダムやミクラスと一緒に元気に暮らしていることが語られた。


SFCゲームガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』では第2話で札幌に寄り道すると、ダンから同盟に手渡される「隠しアイテム」として登場。
このアギラ、アイテム扱いなので1ターンでパーティーメンバーの数だけ使用することが可能で、しかもMPは全く減らない。
オマケにしょっちゅう攻撃を外すヒーローたちとは異なり、ほぼ100%命中し、序盤の雑魚なら一撃で撲殺できる。
6話でダンが正式加入するともっと強い二人が仲間入りするためお払い箱になるが、序盤では雑魚掃除にもってこいである。
式神を通り越してただの神だ。


漫画ウルトラマン超闘士激伝』ではかなり幼い姿で登場。いつも(●◇●)こんな顔をしている。
作画の栗原仁曰く、初登場がマンとセブンの幼少期だったためアギラも子供として描かれ、その後もそのままのデザインで通したとのこと。
喋るのが苦手なようで、筆談で会話することが多い。セブン一家の中では一番登場回数が多いかも。
栗原からは「一番弱いでしょ」と語られており、おまけ漫画では空きカプセル2つに何が入っているのか気になったセブンが開けてみたら
メスのアギラが2匹入っているという残念ぶりに落胆するというエピソードまであった。


データカードダス『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS NEO』ではのストーリーモード第7話に登場。
バードンに襲われてミスターファイヤーヘッド状態になっているところを主人公とカネゴンに助けられた。
セブンとはぐれており、それを聞いたカネゴンが一緒にセブンを探すと約束したため、彼のバトルナイザーの中に入った。
ゲームではその後の消息は語られていないが、漫画『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャーNEO』では最終話で主人公アイ少年との別れが描かれている。


漫画『ウルトラマンSTORY 0』では暗黒宇宙の惑星オズに棲む怪獣として登場。
しかしその姿は全身筋骨隆々、常時二本足でドカドカ走り回るというTV版とは全く異なる姿である。角も二本あるし。
ただ、現地種族のリリパット族が言うには「普段はとても大人しくて戦闘なんかする様な怪獣ではない」との事。
星間連合幹部・ナックルの植民地にされたオズで暮らしていたが、その怪力を見込まれ、奴隷怪獣として収監されてしまう。
牢獄に捕えられ、グドンなどの奴隷怪獣と戦わされ続けデータを取られた末に、ナックルは有効な戦力とするべく
脊椎に直接植え付け、暴れた時に電気ショックによる痛みを与えて調教する制御装置を取り付けられた。
しかしアギラは強い精神力と肉体でそれを跳ね返し、植え付けれられた制御装置を自らの身体の怪我を厭わず引き剥がし
ミクラスやウインダムと組んでブラックキングと対決。
長い戦いの末にオズの住民であるリリパット族をナックルの魔の手から解き放つことに成功。
だがナックル一味から受けた暴行の傷を押して戦ったため、瀕死の重症を負ってしまう。
やがて迎えた今際の時、アギラは自分の卵をゴライアンに託す。

「お前のように強い戦士に育ててみせる」

ゴライアンの言葉に安心したアギラは安らかに眠りついた。

「そいつぁ、甘えん坊でいけねぇ。お前が鍛えてやってくれ」

その後は卵も孵ったようであり、最終話にて戦えない体になってしまったゴライアンからアギラのカプセルがセブンに託される。
この「仔」がTV版の個体となったようだ。


『よいこ』1971年3月号掲載の漫画(著:久松文雄)ではセブンの敵役として登場。
名前こそ呼称されないものの外見は明らかにアギラのそれ。放送当時ならいざ知らず、どうして数年経ってこんな扱いを……
一応扱いは丸っきり悪役という訳でもなく、迷子になったアギラの子供をセブンが見つけ、親探ししようとしたところを
子供を虐めていると勘違いして襲い掛かるという役どころであり(つまりこの漫画のアギラはメス)、
セブンに返り討ちに合って両手足を縄で縛られてしまったところを子供の懇願で解放、セブンに見送られて親子で去っていった。




「なるほどー、結構頑張ってたんだね」
「じゃあ後はお願いしますね」
「うん……了解……!」



ウルトラ怪獣擬人化計画

POP版では擬人化されていない。
ウルトラ怪獣擬人化計画feat.POP Comic code』では擬人化されていないからか、黒いシルエットで登場している。
出番は点呼を取るときにアーストロンに次いで返事をするというだけ。
なぜウルトラマンに負けたことの無い善玉怪獣のアギラが怪獣墓場学園にいるのかは不明。


KADOKAWA版では特徴的な恐竜型の服はパーカー型にアレンジされ、そこからオレンジ色の髪が伸びている。目の部分は半開きの流し目になっている。
漫画『ウルトラ怪獣擬人化計画 ギャラクシー☆デイズ』ではいつもミクラスとつるんでおり、無口だが好奇心旺盛な性格。


アニメ『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』では ま さ か の 主 役 として登場を果たした。
この企画を通した際には監督は製作委員会から非常に驚かれたらしい。*1


転生先は女子高生・宮下アキ。誕生日はセブン32話が放送された5月12日。
ギャライズ同様に無口で気だるく、これと言って取り柄や興味のあるものもない「今時の女子高生」。一人称は「ボク」
詰将棋や梅昆布茶が好きなど、大人を通り越して趣味は完全に老境に達している。
とはいえ怠慢な人物ではなく、仲間思いで心優しい常識人でもあり、いざという時の行動力は人一倍高い。

ミクラスやウインダムがアッサリ覚醒したのに対し、これと言って好きなモノや欲望も無かったためなかなかソウルライドできずにいたが、
幼稚園に突っ込みそうになっている自動車(無人)を見て、生身のまま突っ込んで止めようとするという暴挙に出る。
その最中で遂に自らの身体に秘められたアギラの力に覚醒し、ソウルライドを果たしてをブン投げて子供たちを守り抜いた。

最終回でシャドウビーストが現れた際には、ビルからの降下を利用して放った頭突きで額にひびを入れ、ゼットンさんのトドメの布石となった。
(ちなみに、シャドウビーストに殴り飛ばされて吹っ飛んだアギラをゼットンさんはバリアで救っている)
第2期では特訓の末、片手でジープを投擲するまでにパワーアップ。
終盤でシャドウガッツの猛攻に圧倒されるも、シャドウガッツの残留思念が作り上げたラスボス・シャドウジェネラルとの対戦では、
最後のトドメとして再びダイビング頭突きをぶちかまし物語のシメを飾った。

最近は怪獣娘の姿で露出度が増えた事で自分のスタイルを気にし始めたようだ。
さらに怪獣娘になってから食欲が増えたらしく、その事を悩んでいる。


「資料映像は見たけど、あんまりいいところないよね。なんか眠そうな顔してるし、全戦全敗だし……」
「でも、どんな相手にも一生懸命立ち向かっていく姿は、素直に格好いいなって思ったよ」

かつて宮下は、アギラをこう評したことがある。
その力を受け継ぐ彼女も、いつか同じ強さを持つようになっていったのだ。
感動シーンだから、ウルトラ銀河伝説で勝ってることをツッコむのは禁止な!





『追記・修正たのんます』(←と紙に書いている)
「読んで下さりありがとうございました」

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最終更新:2024年09月07日 02:13

*1 とはいえ、他の善玉やメジャーどころだとカプセル怪獣仲間の他2人→脳筋に腐女子という癖のあるキャラ付け、レッドキングゼットン→ヒールの印象が強い、ピグモン→戦えない、ゴモラ→既に別媒体で主役、バルタン→そもそも原典のKADOKAWA版で擬人化されていない……などといった点があり、消去法とはいえある意味ではアギラが最も主役に向いていたと言えなくもない。